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師匠を持たない(もてない)設計士がどう学ぶべきか

こんにちは。 おにまめです。

僕はハウスメーカー設計として働いている現役ヒラ社員です。
元々、設計士なるつもりもなくて、大学でも構造系研究室でRC造の研究をしていました。
まぁ色々あってハウスメーカーに入社して、しかも現場監督になると思っていたら、『最初の1年は設計だから』と言われてそのまま13年……今に至ります。

そんな経歴なので、基本的には建築(特に意匠)は独学で学んできました。
でも僕のような独学の人って結構いると思うんですよね。

今回は、僕がどうやって建築を学んできたかをお伝えしながら【師匠を持たない(もてない)設計士がどう学ぶべきか】という話をしていきます。

それでは早速行ってみましょう〜!!

設計事務所との違い

まず、師匠を持つ業態として、設計事務所があると思います。
設計事務所はその創業者である設計者が魅力的な建築を設計して、その作風が事務所を代表するテイストになっていることが多いです。
安藤忠雄さん(コンクリート)や隈研吾さん(木材)のような、その事務所ならではの独自の作風(や決まりごと)と呼べるものですね。

このような師匠から直接学べる環境の人は、直接学ぶことが最も効率的でしょう。
最高にハッピーな環境です。
こういう仕事術や設計ノウハウは、やっぱり近くで見ているほうが凄さが分かりますからね。

しかし、僕が所属するようなハウスメーカーでは、そんな成り立ちではありません。
僕から見て、すんごいレベルの設計者もいるのですが、それがハウスメーカーの作風にはなりません。
それはハウスメーカーが【より多くの人にマッチした安全な家を提供する】という使命を持っているからで、どうしても一点突破の作品は生まれにくい構造にあります。

でも、僕らは良い建築をつくりたいワケで、じゃあどうするか、という話です。
その答えが、『情報の精読』です。

雑誌精読の心得

僕は建築雑誌を細かく見ます。

ぶっちゃけ僕のような『学生時代、設計を全然ちゃんとやってこなかったタイプ』からすると建築雑誌で見る作品はだいたい同じに見えていますw

例えるなら、トイプードルだけを集めた雑誌『月刊トイプードル』があったとして(そんな雑誌はないけど)それを無意識に読んでいたら、

感想は『ほんと、カワイかったなぁ〜』しか生まれません。
学びが少ないんですよね。

でもきっとその雑誌には、トイプードルの最新のヘアカットや、そのヘアスタイルにした理由・ロジックが書かれていることでしょう。(そんな雑誌はないけど)

建築を独学するためには、それらのイケてるロジックや納まりを正確に読み解き、血肉にすることが不可欠です。
僕は元々の知識が全然ないので、かなり意識的にやっているということです。

ちなみに僕は【気がついたら建築雑誌を読んじゃう層=建築エリート】ではないので、雑誌見るのもめんどくさいから、iPhoneのリマインダーでタスク化しています。(めっちゃ事務的!)

社内資料から学ぶ

僕は社内外資料では、特に失敗事例を重点的に読み込みます。

建築は【経験の職業】です。
経験を積むことで、納まり・メンテナンス性・使い勝手など、多角的な視点が身につき、より良い建築が作れるようになります。

ただし、配慮すべき点は無数にあり、個人の経験だけでは限界があります。
ただ僕らのような組織で働いている人は、全国で起きたトラブル事例や設計のポイントなどは共有されており、その資料を読むことで自分の拙い経験値をカバーできます。

ここにハウスメーカー(組織で働くこと)の強みがあります。

一方、成功事例については慎重に見る必要がありますね。
住宅は長期的な価値提供が求められるため、「いつの時点での成功か」が曖昧だからです。
例えば、とても良い建築を作った後、雨漏れなどでクライアントとトラブルになるケースも大いにあります。

成功事例よりも失敗事例を重点的に調べているのは、そういった理由からです。

この辺りは先ほどの雑誌精読の時も、同様ですね。
意匠を中心にした建築雑誌(新建築・住宅特集)とは別に、建築の日経アーキテクトなんかも見ると日本を代表する失敗事例がいっぱいあって、いつも『エグいな』と思いながら勉強させてもらっています。

まとめ

このように、師匠を持たない(もてない)設計士は、以下の2つの方法で学ぶことができます

  • 建築雑誌の精読:作品の背後にある設計ロジックや納まりを意識的に読み解く

  • 社内外資料の活用:特に失敗事例から学び、自分の経験値を補完する

これらの方法を組み合わせることで、独学でも着実にスキルアップを図ることができます。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
それではまた次回!!


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