ミュージカル憂国のモリアーティ Op.5最後の事件 冷静かつクレバーな俳優が集結したエモーショナル舞台


オタクはすぐ最高だとか言ってしまいますが、モリミュOp.5は本当の意味で全てが最高の舞台です。

まず脚本のまとめ方が良い、演出が良い、舞台セットが良い、楽曲が良い、歌が良い、照明最高、俳優配役最高、アンサンブル最高、奏者最高
マイナス面が見当たらない。
何よりそれなりに長い原作のある作品の舞台化作品としてOp.5まで作ってきたからこその境地を観客にこれでもかと魅せてくれました。

これは多くの方が言っていることですが、パンフレットの美術さんの発言「橋から落ちるための物語ではない」がとてつもなく大好きです。
橋落ちは佳境の重要なシーンではありますが、そこを完全に再現することに重きを置かなかったのかなと思っています。
憂国のモリアーティとしてのベースは大事にしつつ、ミュージカル憂国のモリアーティとして魅せてくれるモリミュが大好きです。

アンサンブル合わせた俳優陣とてもとても素晴らしいお芝居と歌はもちろん、全員冷静でクレバーな方達だと思うのですがOp.5は特に“感情”を感じるところが多くて…
感情を伝えることができる技術と冷静さがある方の感情的なお芝居が大好きです。

以下好きなポイントを箇条書き

兄さんは〜のは〜が好き
御宅はどうだって良い!の声好き

大阪公演初日、上手側にある建設中の橋観た瞬間泣きそうになった
真ん中の坂が結構傾斜あるのでまさかあそこを??!!って思っていたら案の定使われて…あの坂滑らないのかちょっと心配なんですけど良い角度ですね

ウィリアム犯行予告曲の「ああああ〜」のコーラスがシャーロックだけなの狂おしいほど好き
コーラスの緩急の付け方も本当に良いんですよねモリミュ

「僕はもう死にたいんだ」のところのフレッドの説得がどんどん本当に苦しそうにしていくの見ていて辛かった
真に迫りすぎてあれは長江崚行なのかフレッド・ポーロックなのかわからなくなります
このシーンで殺される貴族が上の方でずっと死んでるんですけど、ほぼ瞬きしないです(目お大事に)

フレッドとルイスの会話中に死霊にまとわりつかれるウィリアムの死霊にアルバート兄様の母と弟(本物のウィリアム)がいるの細かすぎるしちゃんと母が綺麗なドレス着てるの…こだわりがすごすぎる

犯罪卿が貴族を殺していく緊迫感あるシーンが続いたところでグレッグソン警部代理とレストレード警部が出てくれるの本当に息ができて助かる…
グレッグソンが観客に話しかけるとちゃんとつっこんでくれるモラン大佐優しい
レストレードソロの時の観客の手拍子揃いすぎて気持ちよかったです


『我は悪魔を討つ汚れし悪魔』曲のとこウィリアムに殺されて倒れた貴族がそのまま死の概念(死マスク装着)になってたのいつマスク付けたの!?てなっちゃう


英国女王の「シャーロック・ホームズを直ちにここへ!」から始まる1幕ラスト曲好きすぎる
女王の声好きです大楽のシャーロック「俺だけの音掻き鳴らしてやる!」のところが特に歌い方が強かったんですが、ヴァイオリンの音色も共鳴するように強く掻き鳴らしていてたことに感動しすぎて私の様子がおかしくなった
シャーロックが振り返ってウィリアムへ手を伸ばしながら2.5歩で暗転するの大好き
右、左、右(0.5歩)です

ジョンへのしっかりとした謝罪をするシャーロックを見ると親心になる…
マイクロフト兄さんへ「俺はあいつとは違う」って言ってはけて行く時のジョンの誇らしげな顔見るとニヤけてしまいます
マイクロフト兄さんの煙草の吸い方セクシーすぎて大好きです…吸い方ひとつであんなにセクシーに見えるんですね


221Bに戻ってきたシャーロックにハドソンさんの口パクの「おかえり」は効く(頭痛肩凝り胃痛何にでも効く)


ウィリアムが221Bを訪ねるシーン
大楽は談笑してる感じがでていてダラム大学をシャロが訪ねた時の雰囲気に似ている気がしてエモかった
あの時はシャーロックの方が訪ねて行ってたね
ウィリアムになぜ犯罪卿が僕なら良いと思った?と聞かれた時の「そんなんダチだからに決まってんじゃん」のシャーロックの言い方が公演によって違うんですけど、大阪ではちょっと怒った感じだったのが大楽ではすごく優しい言い方になっていて…至極当然のように言っちゃう感じが大好きでした


ウィリアムの手紙読んだシャーロックが同じ気持ちだったんじゃねーか!からの『俺はお前を逝かせねぇ』ソングで激しく踊ったアンサンブルさんが、次の街に炎が燃えあがったことを知らせにくる民衆になって息切れてるのがナチュラルに急いで伝えにきた感じが出ていて最高

ボンドソロからのアイリーンへの変化がわざとらしくない、かつ声をすごく変えているわけでもないのにアイリーンになる瞬間がわかるのすごいなぁ
アイリーンになった瞬間に鳴り出すヴァイオリンの音色で『アイリーンはホームズ側』の人物なことを再認識して泣きそうでした
貴族お嬢ちゃんと市民お嬢ちゃんの友情にも泣いちゃうので、ここらへんはずっと泣き顔になってました


アンサンブルさんだけで火消しをするシーンしっかり時間を使ってやられていましたがもっと!もっと見せて!!!って毎回思ってました
モリミュが見せたかったのはこれこれ!ここだよ!!!って思います
フレッドが歌うとき貴族と市民がスローになる演出、メロディも合わせて天才の演出すぎる


ルイスソロの歌詞を覚えてるうちに書き出したんですけど、読み上げるだけで辛くて苦しくなりました
受け入れて生きる決意をするルイスを表現するダンサーさんの激しめのダンス(兄さんトルネードと呼んでいます)があれくらい力強い決意という表現なのかなぁ
「誰か1人でも自分を認めてくれたらそれだけで人は生きていける」
似たようなフレーズのことをシャーロックもジョンとの曲で歌ってるんですけど、敵対意識強かったシャーロックと似たようなことを歌っているのエモです

ルイスソロからのウィリアムチームの「生きよう」でしっとり目になってからの閃光の音からテンション高めの音楽になるの緩急が良すぎて感動する
観客がまさにタワーブリッジの対決を見に来た観客になるの好きすぎて苦しいけど、ウィリアムの劇の一員になれて心から嬉しいです
あと『ついに現れた犯罪卿〜闇と光が今ここに』をアンサンブルだけで歌ってるの死ぬほど好き


橋にかかってる布は場面によって死への誘いに見えるし炎にも水にも川にもなる
橋落ちシーンで布(死への誘い)が最後全てなくなるところ天才

舞台上の表現ではあるけど死霊から抜け出して自分からシャーロックの手を掴んだウィリアムは原作そのままの表現というより、ミュージカル憂国のモリアーティとしてのウィリアムって感じがして大好きです

500億回言われてるけどラスト全員曲でコーラス「ここは大英帝国」なの好きあまりに好き

ちょっと偏ってるような気もしますがもっと色々好きなところはあります…ありすぎて困る。
今回特に演出面が本当に本当に好きです。緩急の付け方というかタイミングのようなものが。


ある程度色々な舞台を観てきましたが、モリミュを観劇趣味の最後にして良いくらい美しい舞台でした。
この先も結局観劇は続けますけど、モリミュほど美しい舞台には二度と出会えないんだろうなという気がしています。
でも生きてさえいれば、いつか再び同じくらい美しい舞台に出会えるかもしれないという希望を持って、この世界を生きたいなと思います。

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