若おかみは小学生!について

という事で映画若おかみは小学生!を観てきました。

一緒に観てきた友人との考察や見所だと感じた部分を綴り、観た人の中でまたこの映画について考えるきっかけになればと思います。要は堅苦しい感想です。
文章の読みにくさは御容赦ください。

・おっこ達が事故に遭う場面
車から放り出され車の屋根に落ち助かる。
→なぜウリ坊が居たのか。
車内での会話から察しするに春の屋にかかってきた両親の電話からおっこ達の後をつけて来たため助けることが出来たのでは。
→なぜウリ坊が見えたのか。
ウリ坊は一度死にかけたからと発言していましたがそうなると後半の展開に?となってしまいました。一時的なおっこの心の死により見えるようになったのでは。
また美陽がおっこのこれからを心配するシーンがあり、木瀬との出会いで立派になったと認めたた場面と繋がっている。
→神楽には華の湯温泉の起源を表している。(詳しくはパンフレットに載っています)それを知ったあと山犬のアップからあの事故に繋がるのは個人的にゾクッとした。

・おっこが両親を亡くしたことに関する描写
→電車のシーンで親子連れに微笑む
両親と見た神楽のシーンでは無邪気で、何度も繰り返された言葉に少し呆れているといった小学生らしさが現れている。両親を亡くしたばかりなのに微笑んだことで、両親の死を受け入れられていないという自然な描写と感じた。
→鈴鬼がプリンを食べていた事が分かった時の一言
そうだよね。という頭でわかっているけれど心は追いついていない事をよく表している。

・年齢による頬の色の違い
→峰子は薄いブラウン、おっこは赤っぽく、子どもらしくコロコロと変わる、母は優しいピンクといったところにこだわりを感じた。

・ピンフリこと真月との言い合いの場面
→テレビシリーズのネタバレですが真月のアップになる瞬間に写っている左下の男の子がおっこに元気な子だなと好意を抱く。そのきっかけとなった一部がこの言い合いだったことを表しているのかなと考えた。

・あかねが泣き出した場面
→きっと康さんのオムライスはとても美味しかっただろつ。しかし自分の知っているオムライスとは味が違うはず。より母親が亡くなったことを痛感し、そして旅館の暖かい気遣い、母親と食べたケーキの思い出に声が震え、感情が溢れたところが心を打った。そして鳥が飛び立つシーンとともにあかねも飛び立つ。

・真月について
→映画を観ただけでも休み時間にレストランメニューについておさらいしていたりイルミネーションがもたらす樹木への影響の配慮、おっこに相談された際の料理本の正確な付箋だけでなく、奥行きを考えた鯉のぼりの設置順や鯉のぼりが落下した時に出た第一声が安否な事(お客様第一の姿勢が染み付いている)、神楽について沢山調べた事が伺える。
→ピンフリと言っている同級生や同級生の親も秋好旅館や真月の事を認めているのはこういった弛まぬ努力からだろう。
真月は姉を亡くしている。その事から当初は周囲の大人達は同情や哀れみを持って彼女に接したのではないか。"可哀想な跡継ぎ"を払拭するため、そして春の湯温泉が大好きなことから今の素直じゃない努力家真月が生まれたのでは?またおっこと神楽で言い合いになる時の子どもに配膳されるのも気を使うという発言は実体験から来ているのかなと。
→若おかみとして未熟なおっこに苛立つがお客様への姿勢を見て考え方を変える柔軟性も魅力的だ。部屋に飾っている美陽ちゃんの写真が姉への優しい思いを感じさせる。またおっこが訪ねてくる時は急いで本を読むふりをしている部分が素直になれない様子をよく描いている。

・グローリーの描写
→グローリーは今作で3つの顔を出しています。商業メイクでのミステリアスな雰囲気、すっぴんでのワイルドかつ無邪気さ、デイリーメイクのお姉さん。顔によって性格を少し変化させているのがとてもいい。

・おっことお買い物へ向かう場面
→マスコットに苦しそう。と声をかけていたが、大事なマスコットを握りしめることでおっこの心の苦しさを表しているように感じる。そしてようやくおっこは両親についての思いを述べる。こうして少しずつ受け入れる準備が整い、心の回復によりウリ坊達が見えにくくなっていったのではないか。屋根に落ちた冒頭から屋根が開くオープンカーに乗るところもリンクしているように感じる。

・その他の描写で好きなところ
→眼鏡の屈折により目が4つになるところ。また一番最初の老夫婦が老眼鏡として色眼鏡をかけているなど拘りを感じさせる。
→レストランの説明をしている真月のスカートが椅子でよれ、またふわりと戻るところ。これはきちんと服を調べていないと出てこない描写である。
→真月が一瞬だけ覗いた運動場でのドッジボールの様子、廊下は走るなと注意を受けている学生の姿がよく磨かれた廊下に映っているところ。
→ウリ坊達がだんだん見えなくなっている神社や温泉など神聖な場所でないと見えなくなっているところ。しかしウリ坊達は見えなくても聞こえなくてもずっと声をかけ続けていたところ。
→EDの際真月をおぶっている絵があるが、あれは山道で足をくじいた真月を温泉で癒すシーンを入れたかったが尺の問題で入らなかった絵だそう。(監督談)
→ビンカンバンジージャンプもパンフに載っている歌詞を見れば映画の内容とリンクしている。
→ おっこが買い物でのファッションショーに登場する衣装は青い鳥文庫の着ていたものばかり。当時の読者さんから募集した衣装デザインもあったそうで当時の読者を大事にしている。またブランドのひとつがAOITORI FACTORYという仕掛けも。
→おちゃめなシーンではウインクしがちなキャラクター達が可愛い。
→おっこが若おかみ宣言をする時のひょうきんなポーズ。おばあちゃんとアルバムを見るシーンをよく見るとウリ坊も同じポーズをしている写真がある。
→最初の神楽シーンでクラスメイトに声援を送る女の子達が映り、引っ越した先で同じクラスとなり、最後の神楽ではおっこ達に声援を送っているのが良かった。両親も見守ってくれて、更に愛してくれている人達が増えている。おっこは一人じゃないことを表している。

旅館の仕事を手伝う中で本当の意味で1人じゃない事を改めて実感し、心が癒され若おかみとして成長し心が回復したおっこ。それを見届けたウリ坊や美陽達は安心して天に昇れただろう。
そうでなければ今までのように見えなくても聞こえなくても声をかけ続けていただろう。

映画尺の問題もあるだろうが、そう感じた。

最後に、個々の感じ方はそれぞれ違うだろうがこういった考察をしました。読んでいただきありがとうございました。
令丈ヒロ子先生&亜沙美先生、監督やスタッフの方々並びに声優さん方、素晴らしい作品をありがとうございました。
#若おかみは小学生

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