2024/9/23の日記。人それぞれの「ちゃんと聴く」の話
・「ちゃんと聴かなきゃ……」って話を最近身内でよくしているのだけれど、「ちゃんと聴く」が指している状態ってきっと人それぞれかなり違うよなあ、というようなことを考えていた。
・たとえば私の場合は、1曲を単体で1時間以上ループで聴くとか、そういう。単純に聴いている時間の嵩が高い状態を「ちゃんと聴いている」の核だと無意識に思っていると思う。でもこれって、別に時間の嵩が高いとなにがよくなるという話が出来るわけじゃない。単に、私がいちばん最初にボーカロイドを好きになった頃、よくそういう聴き方をしていたのをなぞっているだけだったりする。
・「歌詞をそらで言えるようになる」「歌詞解釈を試みる」「ノートに歌詞を写経する」等の歌詞重視のパターンもあるだろうし。「歌メロを歌えるようにする」「歌い口を歌詞にペンで書き起こす」等の歌重視のパターンもある。「カラオケ採点で高得点を出す」「収録された音ゲーでAPを取る」等、愛を記録で表現するパターンもあるだろうし。「作者の既存曲を全部巡回する」「作者の過去ツイートを読み漁る」「fanboxの解説記事を読み込む」等作者のパーソナルを知ることが曲の理解に繋がると感じているパターンもある。「うちわを作る」「楽曲イメージアクセを作る」「ファンイラストを描く」等のファン的活動こそ核だと思っている人も居るし。「耳コピしてオケを作ってみる」「弾いてみたや叩いてみたをやる」「コード分析をする」「使われてるシンセが何か探しに行く」等のアプローチも当然あると思うし。「周辺ジャンルを聴きに行く」「その曲がどの曲に影響を受けているか・ジャンル内の立場を見に行く」等で、ジャンル理解が進まないと曲単体では評価が出来ないというタイプの人も居る。
・皆は「この曲、ちゃんと聴かなきゃいけない」と思ったとき、どういうアプローチを取りますか?
・まあ、そう。かなり人によって違うだろうなあ、とふと思ったんです。同時に当然違っていていい。私は別に「〇〇さんと比べて私はこの曲の歌詞を聞いていない/ジャンルも分からない/ギターフレーズが聴けていない/etc./から、私はこの曲をちゃんと聴けていない。もっとちゃんと聴かなきゃいけない…」とか思わなくていいはず。
・↑いや、思ってもいいか。向上心は大事だ。全部やれるなら全部できたほうがいい。
・↑すぐこうなる。よくない。「向上心が大事」とか「全部できたほうがいい」なんていかにも正しいらしくて丸め込まれそうな内容を自分に押し付けるのはやめた方がいいぞ。
・↑たんに「ギターフレーズが聴けていない」のであって、「ちゃんと聴いていない」わけじゃない。「ちゃんと聴かなきゃ…」という焦りは多くを産まないので、「ギターフレーズをちゃんと聴いてみたいな…」くらいにしておくのがあらゆる点でいいはず。
・「おれはギターフレーズを全く聴いていないが、歌詞解釈をめちゃくちゃ深くやっているのでそれで良い!おれの核はここだから!!」というのも、当然アリなんだよな。というかその方が好ましいまである。
・あなたの核はどこですか?あなたは「ちゃんと聴く」とき、なにをやりますか?というアンケート動画が作ってみたいな、とかも思ったんだけれど。これを「私は何も出来ていない…愚か……音楽が本当に好きならあれもこれも出来るはずなのに……」みたいな視聴感想にならないように作るの、かなりバランス調整が大変そうだな…。
・「人それぞれで良い」は当然、「私は皆が出来ていることが出来ていなくても、皆と比べて劣っていることにはならない」に繋がるのに、どうしてか人それぞれの様々な良さを並べてみたときに、「全部が出来る必要がある」と感じてしまうことがあるわね。
・だから、なんだか漠然と「ちゃんと聴かなきゃ…」とか思っちゃうのかもな、最近。ほんとはそんなんじゃなくて、おれは単に曲を聴く時間を増やした方がいいです。考えなくていい、聞いてるだけの時間を。
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