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手相占いがきっかけでお笑いの養成所に通った話

「あなたは芸人に向いている」

占い師にそう言われたとき、正直「へぇ、そうなんだ」くらいの感想だった。でも、その占いの結果について友人とカフェで話しているうちに、ふと思い出したのだ。いつか会社を辞めることがあったらお笑いの養成所に通おうと、心の片隅でぼんやり考えていたことを。

中華街の手相占いで「芸人向き」と言われた手

本気で芸人を目指していたというより、お笑い好きが高じて、養成所という場所に強い興味があった。当時はまだ会社員。でも、所属している部署の雲行きはあやしく、将来への不安を感じていた。「いつか」は、もはや「もうすぐ」になりかけていた。

そんな中、養成所について調べていて見つけたのが、タイタンの学校・カルチャーコースだった。(いまはもう無いコース)社会人向けのコースで、週に一度90分の授業を受けられるというカリキュラムは、当時の私にとってまさに理想的だった。すぐに資料請求をした。

その頃、わたしはすっかり蒲田の街の魅力に取り憑かれていて、「ここで学んだことが、蒲田での活動に役立つかもしれない!」と、謎の使命感に燃えていた。

個別説明を受けてから入学を決めたものの、その後の世界は大きく変わった。コロナの影響で開講が延期になり、入学する頃には会社を辞めていたのだ。まさかこんな形で「いつか」が来るとは…。

会社を辞める前にインナーカラーを入れていた

漫才、コント、演技、企画。いざ講義が始まると、その刺激的な内容に胸が高鳴った。

そして、大田区つながりの相方・まゆさんと運命的な出会いを果たす。漫才の授業では「階だん落ち」というコンビを結成し、蒲田愛を炸裂させた漫才を披露。それは、いまでも大切な宝物だ。

初舞台はおそろいの「Kamata」Tシャツ

講義では自分の考えたアイディアを発表する機会が多く、人前で話す度胸がついた。

講義で学んだことを書道で表現した

何より、忘れられないのは、同期たちの存在だ。様々な職業を持ち、底抜けに明るい彼らとの出会いは、わたしにとって大きな救いとなった。

「会社員でいられなかった自分はおかしいんじゃないか」と落ち込んでいた時期もあったけれど、彼らといるうちに、そんな考えは吹き飛んだ。「何だっていいじゃないか!」と前向きに思えるようになったのだ。

最後の講義で、学長の太田光代社長と直接話す機会があった。思い切ってそのことを伝えると、光代社長はやさしく微笑んでこう言ってくれた。「みんな、自分がどこかおかしいんじゃないかって思うけど、そんなことないですからね」その言葉に、思わず涙がこぼれた。

占い師の一言、そして大好きな蒲田の街。この二つの要素が重なり、お笑いの養成所の門を叩いた。芸人にはならなかったけれど、タイタンの学校で過ごした時間は、間違いなくかけがえのない経験だ。

そしてことしの大晦日、同期だった広瀬さんがお笑い番組「おもしろ荘」に、なんとハッスル女王として出演するという!

いつも周りを明るく照らす、太陽のような存在の広瀬さん。これは、絶対にリアルタイムで見届けなければ!!

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