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手を差し伸べてくれる人
家族がみているからとたまたま目にした番組で、新たな気づきを得ることは、意外と多い気がする。そしてわたしの統計では、そのような番組の出演者は、マツコデラックスさんが多い。
なかでも、半年前くらいに見た「マツコ会議」の一場面が印象に残っている。
その日はゲストに、星野源さんが出演していた。マツコさんと星野さん、二人だけの会話をのぞき見しているような回だった。ふたりだけの秘密の時間で、彼らはお互いの共通点である「遅咲きでブレイクしたこと」について、話していた。ふたりとも、メディアやテレビで名前を知られるようになったのは、30歳の少し前だったと記憶している。
マツコさんは、自分はいまの道に進むきっかけをくれた人がいるという。だからその人にとても感謝していると。そのあとにマツコさんが話したことが、わたしの中の名言集にかき加えられたのだ。
マツコさん:
人生の変わり目って、手を差し伸べる人がいる。
絶対に光っている手がある。
(中略)
それをつかむ勇気を常に持っていてほしい。
星野さん:その手1回逃しちゃうともう来ない。
マツコさん:来ないね。
(中略)
差し伸べられる手はスゴい小さな事だったとしてもある。
それはみんなも信じて
そういう目で見てほしい周りの人を。
未来でそういう人に出会うことがあるといいなと思ったから、脳内名言集に登録をした。
これが、つい先日ようやくわかったような気がしたのだ。
きっかけは、前の会社にいたときにお世話になった方とご飯をたべたときのこと。わたしの前職は、シェアオフィスに事務所があった。なんの変哲もないビルの7階だったが、壁をはさむと違う社名を名乗る人たちが仕事をしていて、自分の事務所から一歩そとにでると、共有部で英語がとびかっているような環境だった。
そこのシェアオフィスの管理を担当している事務局の方と、ご飯にいったのだ。その方は母親と同じくらいか、少し上の女性で、在職していたとき、たまにしか顔をださなかったのにも関わらず、とても気にかけてくれた方だった。わたしが会社をやめることを伝えると、「今度ゆっくりご飯にいこう」とLINEを交換してくれたのだ。
わたしは転職先をきめてからご飯をお誘いした。すると、「どうしてるか気になっていた」というメッセージと共に、こころよく承諾してくれた。
中華料理屋さんでジョッキ片手に乾杯をしたあと、すぐにわたしの進路をくわしくお伝えした。その方はふむふむと聞きながら、肯定の相槌を何度もしてくれた。それだけで本当にうれしかったのだが、わたしが話し終わると、次の会社の競合となりそうな会社やサービスを教えてくれた。うれしかった。こんなにも親身になってくれる方がいるのかと、こころが温まった。その帰り、わざわざ1,000円札を両替してガチャガチャを回してしまうくらい、わたしの気持ちはホクホクしていた。
家にかえって冷静になったとき、冒頭のマツコさんの話を思い出したのだ。「手を差し伸べてくれる人」とは、きっとこういう方のことをいうのかもしれないなと、悟った。あの言葉を、やっと体感できた。
ただ一旦このことに気づくと、実はその方以外にも、自分の周りにはたくさんの「手を差し伸べてくれる人」がいたことに気がついた。
まだ何者でもないわたしのことを、血のつながりもないのに、こんなにも気にかけてくれる方がいる。それって本当に奇跡のようなことだと思う。
これからは、一度逃すと二度とこないと言われている「差し伸べてくれた手」にいち早く気づいて、積極的に大切にしていきたい。まずは金曜日、ご飯にいってくれた"あの方"に、転職してからのはじめの1週間について報告してみよう。