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北海道の滝上にパワースポットができたって知ってる?

北海道の滝上にパワースポットができたって知ってる?

その場所の名前は「ふくらい家」。お寺でもなく、光る洞窟でもなくて、ゲストハウスだ。ここに来たら、強制的に明るい気持ちになってしまう。そんな不思議な場所が、北海道に誕生した。

ふくらい家に行くことになったのは、同じ職場で働いている谷さんが一緒に行く人を募っていたからだった。谷さんは、ふくらい家のオーナーの友人。ぜったいに楽しそうだったので、わたしも行くことに。

到着すると、そこはコンクリートの四角い建物。外にはソフトクリームののぼりが立っていて、入口の窓からオレンジの光がこぼれている。

興奮して映り込んでしまった

扉をあけると、オーナーが出迎えてくれた。

「わー!遠かったでしょー!」

そう言って奥から出てきてくれたのは、オーナーの井上みなみさん。なんといっても、みなみさんが最高なのだ。まずは声が大きい。わたしなんて、食堂で目の前にいる相手にも飛沫防止のパーテーションに遮られて声が届かないというのに、みなみさんの声の飛距離は推定2mほど。ゲストハウスの奥からでもはっきりと届いた。

呼びかけてくれた谷さんとみなみさんのナイスショット

そして、みなみさんはたぶん暑がりだ。この日、わたしは長袖の分厚いブラウスを着ていたが、みなみさんの服には袖がなかった。夜になって、もう一枚マウンテンパーカーを羽織ったけれど、そのときにもみなみさんはずっとノースリーブのままだったから驚きだ。

実家である井上牧場の牛乳を使ったソフトクリームを作るみなみさん(ノースリーブ)

そんなみなみさんは滝上のご出身。就職で東京に上京したあと、Uターンをして今は滝上で暮らしている。お父さんが井上牧場という牧場を営んでいて、みなみさんはそこを手伝ったり、滝上で仕事を受けられるように妹のあみさんとクリエイターユニット「Casochi」をつくり、活動したり。

そんなみなみさんが「ふくらい家」をつくった理由は、滝上の滞在時間を伸ばしたいからだという。もともと滝上には宿泊施設がなくて、通過されてしまう町だったのだとか。ないものを ない と諦めるのではなくて、自分の手でつくってしまうのだから本当にすごい。みなみさんのそういう溢れるエネルギーが、きっと体温にも表れているのだろうな、などと思った。

そういえば、みなみさんのお子さんにも驚かされたんだった。末っ子のサンちゃんは、まだ1歳くらいだというのに、どんな大人に抱っこされても絶対に泣かない特殊能力をもっていたのだ。この日初めて会ったわたしにも、抱っこする権利を付与してくれた。もちもちの肌につぶらな一重。ああ、なんて可愛いの!

向こうに行きたそうなご様子……

ところで、ゲストハウスに来たときから思っていたけど、ここは大人の多い学童のようだ。わたしが訪問した日は、みなみさんや、みなみさんのお姉さんのみゆきさんのお子さんがゲストハウスを右往左往。「子どもたちのことはゲストハウスに来たみんなで見守る」という感じがとっても素敵だった。

トウモロコシを片手に
なにやら会議中

もちろん、ゲストハウスの居心地は抜群だ。1階の奥にはリビングがあって、床にすわったり椅子にすわったりして、思い思いに過ごすことができる。みんなが靴を脱ぐからだろうか。その場にいた人たちと、なんだか親しくなったような気分になるから不思議である。

下駄箱もあるけど、みんな脱ぎ散らかしがち。

2階と3階は居室スペース。わたしはシングルベッドが2つ置いてあるお部屋に泊まった。ほかにも押し入れのような個室もあって、そこはとっても青い猫型ロボットの部屋みたいなのだ。彼の気分を味わってみるのが年内の目標だ。各部屋には奈良美智さんの絵が出迎えてくれるのも嬉しいポイント。

階段下にもいらっしゃった

各階にはマンガや本が置いてあるから、もし雨で予定がうまくいかなくても、雨が止むまでマンガ喫茶のように過ごすことだってできて心強い。

夜までみんなとしゃべって、睡魔とぎりぎりまで戦って悔しがりながら眠った。とろとろと起きると、みなみさんが朝ごはんをつくってくれるという。なんという贅沢なの……。おしゃれで美味しいパンと目玉焼き、それから井上牧場の牛乳をいただいた。ここは天国? そう錯覚してしまうほど優雅で幸せな朝だった。

これはクロックムッシュというのかな

みなみさんがつくる陽な空間で、小さい子どもたちにメロメロになって、夜までみんなと談笑して、とびきり美味しい朝ごはんをいただいて、わたしはすっかり元気になった。実は、ふくらい家に泊まる前の日にちょっと落ち込むことがあったのだ。この2か月くらい前から、わたしは新しい会社に入って文章を書く仕事をしていたのだけど、どうやら自分の実力が求められているものに達していないと気づいてしまった。まさに、ふくらい家に行く前日には、残業をして書いた記事をはじめから書き直すことになった。ライティングスクールに通ったことがあったって、みんなが知っている会社に入れたからって、わたしの文章力は、及第点には届いていなかった。その事実を受け止めるのに一日では足りず、もやもやとした気持ちのまま乗り込んだ、滝上行きの車だった。

それがどうだ。このゲストハウスに来てからは、そんな自分でもちゃんと楽しめている。ここにいる間は、落ち込んでいることを忘れてしまったほどに、だ。帰ったらもう一回、アドバイスをもとに書いてみよう、そう思えるようにもなった。

おじぎをしているわたし

そうしてふくらい家は、わたしのとってのパワースポットになった。落ち込んでいても、自然と元気になれる魔法の場所だ。ふくらい家に行くだけでも最高だけど、最近ではみなみさんが井上牧場の芝生で音楽イベントもやったり、お洋服屋さんやドーナツ屋さんが出店したり、オープンしていないとは信じられないくらいのイベントを定期的にやっているから、もっと楽しいはず。行くときには、宿泊の予約も忘れずに。

ゲストハウスアンドリビングふくらい家
​〒099-5605
北海道紋別郡滝上町栄町
fukurai.house アット gmail.com
​運営:Casochi合同会社

予約はこちらから👆

みなみさんのTwitter
https://twitter.com/mi73_nan

写真
はらちゃん
https://www.instagram.com/inakaworks/

なっちゃん
https://www.instagram.com/natsuminike/

ありがとうございました!

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