北海道に住んで1か月、個人的気づきを3つほど。#かくつなぐめぐる
結局どこにいたってたのしいのかも
北海道に来てから、テレビの情報は他人事になった。番組で放送されていることの大半は、東京のことについてだからだ。おいしそうな最新スイーツやおっしゃれなカフェ、きびしい残暑や台風情報が流れていたって、真剣に耳を傾けなくなった。
逆に、今まで無関心だったものが自分ごとになった。ネットで買い物をするときだ。
「※北海道・沖縄は別途送料がかかります」
送料の欄に小さく書かれたこの文言を、目を細めて入念に確認するようになった。わたしのような買い物中毒な人間は、きっとこのスキルを真っ先に習得する。
2つとも小さなことだったが、この出来事がわたしに北海道に来たことを実感させた。今まであったものがなくなると喪失感をいだく。そこには、月に何度か電話をしていた友達と、いきなり連絡が取れなかったような寂しさに似ている。
けれどこの寂しさは、新しくできたたのしみで埋まり始めてきている。
テレビでやっていないからと、身近な人たちに、おいしいお店や洋服屋さんの話を聞くようになった。行きたいところリストが、少しずつたまっている。
それから、ネットで買い物をするときも。
北海道まで無料で商品を届けてくれるお店を無条件で好きになっちゃうし、そんなに送料が高くなる理由をたしかめに、札幌から本州まで車を走らせてみたいと思うようになった。
そうやって考えれば、結局どこにいたってたのしいのかも。
ダイエットは明日から
わたしは自分が思ったより、食わず嫌いをする人間だった。とくに海鮮類。
海がない県に住んでいたこともあって、新鮮さで味が左右されそうなものは本能的に避けていた。
そして北海道に来て1か月、わたしはホタテと牡蛎を克服した。あまり食べた記憶もなかったので、すきになるのは簡単だった。
好物が増えてしまったのもあって、こっちに来てから1キロ太ってしまった。この調子でいくと、1年で12キロ太ってしまう。
きれていた体重計の電池を変えて、いざ……!
自然な北海道民になるため特訓中
「サツエキ」
こっちに住んでいる人は、札幌駅のことをみなそう呼ぶ。さっぽろえき、略して「さつえき」だ。小さかった「つ」は、大きくして読むらしい。
そしてサツエキから出る特急列車のことは、「JR」と呼ぶ。JR線に乗るのは、旅行や出張などの遠出をするときだけなのだ、たぶん。
札幌の中心を移動するときには、主に地下鉄を使う。雪がよく降る地域ゆえ、地下道が発達していてこうなっている。
まとめると、札幌駅から特急列車に乗ることは「サツエキからジェーアール」だ。
なんだか宇宙人みたいだ。これが流暢に言えたとき、わたしは一人前の北海道民になる――。