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あきらめてよかったこと。

北海道で仕事をするにあたり、ひとつ決意したことがある。それは婦人科に通うことだ。

生理の前、わたしは廃人のようになってしまうことが多い。なにをするにも、崖から飛び降りるくらいの気合が必要になる。集中力は5分ともたず、ずっと眠い。なにもできない自分にまた落ち込む。この悪循環にはまると、もう抜け出すことができず、わたしはただじっと、はやく時が過ぎるのを待つしかない。

けれどもホルモンバランスのせいにするのは、逃げだと思っていた。だから普通に仕事もしていたし、締め切りを遅くなってしまったときには、だらしないからなのだと自分を叱った。

でももうやめた。生理前の落ち込みにはむかうことを、あきらめることにした。

友人によると、婦人科にいけば自分の症状にあった薬をもらえるという。ベッドで動けず自暴自棄になっているとき、スマホで札幌にあるクリニックを予約したのだった。

予約完了メールが届くと、ちょっとだけ涙がでた。もっと早くこうしておけばよかったのに、とまた自分を責めた。

数日たって思う。いいあきらめだった。処方してもらう薬が効かなかったときのことも考えて、これからは1か月のうち、10日はないものとしてスケジューリングをしてみよう。

あきらめたことで、これまで考えもしなかった対策が浮かんでくるから不思議なものだ。

試合中の野球部ような声で、自分がわたしに向かってさけぶ。

「ナイス、ギブア~ップ!」

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今日のテーマは『かく、つなぐ、めぐる。』に投稿されたはんださんの記事にちなんで、「いい意味でのあきらめ」でした。


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