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【SS】忍びの里 #毎週ショートショートnote

10/30-11/5  お題 音声燻製 410文字


北欧の山間に広大な忍びの里がある。忍びの里と言ってもその存在が隠されているわけではない、24時間常に煙が立ち上っていて、あたかもここが我々の里だと主張しているよな村だった。村の周りには大きな森があり、その森では侵入者を識別するための目に見えない煙が常に立ち上っていた。

何も知らない侵入者は、森を通る時に目に見えない煙を吸い込むことになる。煙を吸い込んだ侵入者は一様に全員が甲高い声に変わってしまうのだ。その効果は3時間。村人は見知らぬ人と会った場合は必ず声を掛ける。それに対して返事をしないか甲高い声だった場合は侵入者とみなして捉えられるか殺されてしまうのだ。

村人たちはこの仕掛けを知っているので、森を通る時は濡れたタオルで見えない煙の侵入を防いでする。この仕掛けを村人たちは音声燻製という隠語を作り呼びあっている。

この方法により、村人の生活は守られ数百年という歳月を過ぎた今でも周りから隔絶された世界で生き続けている。

410文字


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松浦 照葉 (てりは)
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