見出し画像

#03 - 若いときの目標設定😉

何を実施しても先輩SEに敵わない年代の時、そう、いわゆる新人の時ですね。
皆さんは、どんな目標設定を立てて仕事をしていますか、またはしていましたか?
若い頃の私はとても負けず嫌いな性格だったので、なんとかして先輩たちを見返してやりたいと強く思っている時がありました。その時に何を考え、行動に移し、達成につなげたかを綴ってみます。

新人時代のジレンマ

入社したばかりの新人の頃は、当たり前ですが重要な仕事を回してもらえません。その上、先輩達は皆忙しく構ってももらえませんでした。時折、仕事が割り当てられると、分からないことだらけなので、先輩のところに聞きに行きましたが、けんもほろろの対応で叱られることもしばしばありました。

「そのくらい、自分で調べろよ。忙しいんだから邪魔するな。マニュアルなら本棚にたくさんあるから」
「・・・わかりました。すみませんでした」 (心の中は「ちくしょう!」でした)

今と違い、先輩達は親切に教えてくれなかった時代でした。仕事で必要な知識は黙っていても身につきませんでした。皆さんはどうですか?
当時は、インターネットも存在していないのでWebで調べるなんて夢のまた夢の様な話でした。というより、ないのが当たり前の時代。頼りになるのは、市販の本とメーカーのマニュアル、そして先輩達が残してくれた実績のあるプログラム群でした。学ぶということに関しては、本当に効率は悪かったと思います。その代わり、時間をかけて悩んで学ぶことになるので、確実にスキルとして身についていったと思います。

活路を見出すために

何とかして先輩達の鼻を明かしてやることはできないのだろうか?
まだまだ一人前には程遠い新人でしたが、そんなことを考える毎日でした。

そんな時、さらに追い討ちをかけるような指示が先輩から来ました。

「次の仕事は、これ。仕様書をよく読んでプログラム書いて!」
「わかりました。。。」

当時は、COBOL言語であれば特に問題なく操れるようになっていました。
ところが仕様を確認していると、これはプログラミングできないのではと感じ、また何か言われるのかなと思いながらも先輩に聞きました。

「これ、COBOLでは書けないと思うんですけど。。。」
「ん、どこにCOBOLで書くなんて指示がある?」
「へっ」
「ちゃんと表紙を確認したのか?」
「い、いいえ」
「ほら、(指をさして) 言語は、ASSEMBLER って書いてあるだろ」
「・・・あの、ASSEMBLERはまだ勉強してないんですけど」
「マニュアルは棚にあるだろ。最初から投げ出すなよ! 納期だけは守れよ!」
「は、はい。頑張ってみます。」

その時の仕様書には、確かにASSEMBLERと記述されており、ビット単位の操作をする箇所が記述されていたのです。ビット単位の操作はCOBOLでは実現することができません。(工夫すれば何とか実現する方法はありますが、保守を考えると王道ではありません。)

ASSEMBLERとは、コンピュータに最も近い言語であり、人間にとってはあまりわかりやすいとは言えない言語です。こちらに簡単な説明がありますので、リンクを掲載しておきます。https://e-words.jp/w/アセンブラ.html

困りました。どうやら先輩は、簡単なASSEMBLERのプログラミングの仕事を私に回してスキルを付けさせようとしたみたいだったのですが、流石にちょっとだけ途方に暮れましたね。しかし、ここでめげている訳にはいきません。マニュアルを引っ張り出して、プログラミングするには、まず何から書かなければいけないのかというところから学習しなければなりませんが、その辺りは、先輩達が書いたプログラムをコピーして、何の処理かわからないまま、複数のプログラムで同じように記述されているロジックを流用しました。後々わかりましたが、そのプログラムが稼働する際に基点となるアドレスを宣言して使うためのレジスターを決定するという内容でした。(Assemblerを知らない人にとっては何の事という話なので読み流してください。)

その後、学習というより、他の仕様で作成されたプログラムを見ながら部品を組み上げて依頼されたプログラムを作成し、四苦八苦しながらテストまで実施することができました。作ってしまえば小さなプログラムでしたが、当時は必死になってましたね。もちろん、先輩達に何度も聞きに行きましたけれど。

当時は、こんな感じで新しいことにも挑戦させられていた訳です。
なので、余計に先輩に早く追いつきたいと思う様になりましたね。

具体的な目標設定

しかしながら、早く追いつきたいと思っているだけでは何も変わりません。具体的にどうやっていけばいいのだろうと考え、達成した時のイメージを考えようと思いました。

今は、私が先輩にイヤイヤながらではありますが、教えてもらいたいことを聞きに行っている状態です。毎日とまではいきませんが、かなり高い頻度で聞きに行って、その大半は嫌な思いをして戻ってきている状態です。

閃きました。

今とは逆に先輩達が私のところに聞きにくるような状態を作ることができれば、その領域だけに関しては「先輩を追い越した」と判断できる状態になるんじゃないかということです。しかし、どこにそんな領域があるんだろう。。。

そんな時に、新しいパッケージソフトであるSASを使う機会が訪れたのです。
このこと自体は、#02-SAS日本上陸、業務アプリ改善に利用 で記述していますので参照してください。
新しいものに挑戦すれば、先輩達に遅れをとることはないのでいい機会でした。まして、先輩達は普段の仕事も忙しく、新しいことには消極的でした。結果的に、私だけが学ぶ時間を作ることができたのです。

これでターゲット領域も決まりました。あとは、目標達成までの期間ですが、まずは1年と設定しました。

目標 : 1年以内にSASというパッケージを利用できる様になる  
   (その後、SASでの仕事がきた場合は、先輩は私に聞きにくることになる)

その後、SASを応用した仕事の発注が増えていきました。そうすると学習していなかった先輩達からは、まず勉強会を開いてくれと頼まれました。その後もSAS関連の仕事が入るたびに先輩達が内容確認のため、私のところに聞きにくる様になったのです。「やったー」という感じです。この領域に関しては、私がパイオニアになれたという満足感と開放感を感じたのを覚えています。もちろん、先輩達が私に接していた時のような態度はできないので、親切丁寧に教えたことは言うまでもありません。(笑

この経験を実感したあと、遠い未来の目標より、数ヶ月から1年程度の目標を立てて実現していく方がモチベーションも保てると思いました。

達成したときの爽快感

自己満足かもしれませんが、自分で目標を立てて計画し、達成したと言う事実は自信にも繋がりましたが、とてもスッキリした爽快感も同時に感じたのです。これは、その後のモチベーション維持に大いに役立ちました。

同時に、すでに追いつけないと思っている領域であってもその領域を細かく分ければ目標設定できるかもしれないと考えました。

プログラミングでは、コーディング標準や共通ロジックなどの利用が推進されていました。しかし、時間の流れとともに、標準が陳腐化することは否めません。と言うことは、その標準はなぜ標準として定義されたのかということを調査して理解しておけば、何が変われば標準を変えなければならないのかということがわかってきます。意外と誰も疑問に思わない領域でした。のちに、この領域もターゲットにしました。その時に派生したことでもありますが、コーディング標準の規定の中には、利用禁止の命令なども存在していました。これは当時のコンピュータの能力とも関係がありました。ということはコンピュータが問題なく対応できる様になれば使える様になるのかもしれないと思ったわけです。小さいことかもしれませんが、使ってはいけない = 覚える必要がない = ほとんどの人が知らない ことだったので、これもすぐには役に立たないかもしれません。しかし、将来への投資としては意味があるかもと思い学習したこともありました。 

一度この爽快感を覚えてしまうと、次から次に実施したくなってきました。言葉はよくありませんが、まるで何かの中毒になってしまったように、楽しくて仕方なかったのです。先輩達が照れ臭そうに私に聞きにくる顔を見るのが。。。
きっと、ドヤ顔で対応していたのでしょうね、私は。(笑

後々の判断基準

その後、システム開発の仕事を続けながら、人が着目していないような内容を見つけて対応する提案なども実施していきました。業務全体とかシステム全体といった範囲ではお客様や先輩には敵いませんが、その中の一部で過去に実装されたままの部分とか保守が起こっていない部分とか、変化していない運用ルールなどを見つけることが楽しくもあり、お客様に貢献できることでもあると確信しまた。

つまり、自分自身が興味を持って取り組んで満足する仕事は、お客様にも貢献ができているという基準が自分の中に出来上がっていきました。

自分が満足できない仕事の結果では、お客様に満足してもらうことはできない。
まず自分自身で担当している仕事に興味を持って楽しむことが重要だ。

こんな基準が自然に自分の中にでき上がり、そのために先輩に追いつき追い越すということで日々の仕事を楽しみに変えていっていました。単純な仕事の依頼でも、なぜその仕事をする必要があるのかということを考えると面白くなることも多いのではないでしょうか?
ぶつかることを恐れなければ、新しい提案もできるかもしれません。時間は過ぎていくだけなので、後悔しないように上手に時間を使っていきたいですね。

思い起こせば、負けず嫌いで、がむしゃらに前進するという性格がベースになっていたかもしれません。現在は仕事をリタイアして、静かな毎日の中で経験を文字にすることを楽しむ生活なので、この頃には戻れません。若い時の特権だったかもしれません。若かりし自分にエールを送ると同時に飛躍したいと思っている皆さんへも「文字によるエール」を届けたいと思います。

いいなと思ったら応援しよう!

松浦 照葉 (てりは)
よろしければチップによるご支援をお願いします。皆さんに提供できるものは「経験」と「創造」のみですが、小説やエッセイにしてあなたにお届けしたいと思っています。いただいたチップは創作活動費用として使わせていただきます。