給特法/教職調整額4%が決まった時代に戻れないのか? ~昭和ノスタルジア~
以前にも掲載した「教育公務員エグゼンプション」
学校の先生の給与体系の説明に加え、行政職に比べて教育職は優遇されているよ。というPRが加えられています。
ただ、優遇とはいっても実態に見合ってないというのがここ数年の議論なんですが……
昭和23年の時点で長時間労働な先生
この資料にくわしいですが、昭和23年の時点で
「教員の給与については、勤務の特殊性から、1週48時間以上勤務するものとして、一般公務員より一割程度高い俸給が支給されることとなった」
とあります。
同時に、「教員に対しては超過勤務手当は支給されないこととされ」ています。
この当時の労働基準法に定める週の労働時間は48時間ですが、
先生はそれ以上に働いてるよ。という状況があったんですね。
そもそも、勤務の「特殊性」ってなんだろう?
文部科学省の「教職調整額創設に当たっての考え方等について」という資料にはこう書いています。
具体的に何かという例が書いていないのが残念ですが、続けてこう書いています。
これは昭和46年の人事院の説明をもとに書かれた資料のようです。
専門的な知識や技術を有する→自発性、創造性による運営 という論旨が今一つピンときませんが、とりあえず昭和の頃からずっと教育現場は先生の自主性で支えられていたんだなあということがわかります。
昭和46年に給特法制定。ほんとに残業8時間?
その昭和46年に本日のテーマである給特法が制定され、教職調整額4%も設けられることになりました。
当時の教員の超過勤務時間は平均で月8時間ほどだったことから、それぐらいの残業代が給料4%だよね。ってことでした。
その、月8時間というのはにわかに信じがたいのですが、
月に24日勤務するとして(昔は土曜も仕事)、
一日20分残業しただけの数字です。
つまりほぼ定時で帰らないと達成できませんが、
本当にみんなそうだったのか…?
まあ確かに、昭和に学校の先生をしていた両親は
確かに片道30分弱の職場から6時までにはだいたい帰宅していたので
無理ではない数字かもしれませんが。
ならば昭和に回帰すればよいのではないか?
だから、給特法改正の議論はもちろんですが、
職場環境を昭和の頃に戻せば済む話じゃないのかな?
例えば授業時間数はどうでしょう?
昭和43年小学校学習指導要領で、
小学校6年生は年間1085時間。 あれ。意外に多い。土曜の分か?
現在の指導要領では1015時間。ちょっと減っています。。
学習指導要領の内容ですが、
定量的な変化で説明できないので印象でしかありませんが、
昔のぺらぺらだった指導要領の冊子に比べて
今のやつのほうが分厚い気はします。
また、トータル時間数では増えていないものの、総合的な学習の時間や、
英語、それに「特別の教科」として道徳が加わり種類が多くなったという
事実はあります。
一方で、給特法制定当時の
小学校の学級編制は45人。
現在の定員35人です。
丸つけの数は減っているはずなのに……
このように、
制度面で客観的に見ることのできる数字は良化しているものもあります。
ただ、不登校の件数が過去最多 というニュースもあり、 https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241031/k10014625011000.html
増大している教育課題は確かにあります。
昭和への戻り方
パソコンもあるし便利な時代になったはずなのに
どうして残業は増える一方なんだろう?
結局わかりませんでしたが、
昭和40年代に先生をしていた方がもしまだご健在なら、
一度話をうかがってみたいものです。