171 イナイチ (2024.7.13@下北沢Daisy Bar)爆速で時代を駆け抜ける彼らを見逃すな!<いま注目したいアーティスト②>
はじめに
こんにちは、オンガクノヲトと申します。
ライブハウスで感じた感動を、直接その場に来られなかった人たちにも伝えたくて、noteを始めました。前回の記事には予想以上に多くの方々に読んでいただき、心から励まされました。本当にありがとうございます。私が感じた感動をひとりでも多くの人に共有することで、アーティストの魅力が広まり、彼らの音楽活動を後押しする力になればと思っています。
さて、第2回目の<いま注目したいアーティスト>でご紹介するのは、ライブを心から愛するアーティスト、171(イナイチ)です!
魂に響き渡り、何度聴いても新たな感動をもたらしてくれる彼らのライブの素晴らしさを、ぜひ皆さんにも味わってほしいと思っています。
1.171について
京都から神戸につながる国道171号線のことを地元の方々は「イナイチ」と呼んでおり、その名前がバンド名になっているのには、理由がありました。
メンバーは、Gt./Vo.の田村晴信、Dr.のモリモリ(リーダー)、Ba./Vo.のカナの3人です。
田村さんとモリモリさんは高校時代の軽音部、田村さんとカナさんは大学時代の軽音部の同期という間柄で、田村さんとカナさんは神戸大学出身、モリモリさんは同志社大学出身という高学歴バンドです。とはいえ、音楽で成功するかどうかは、学歴とはまったく別の話です。今やバンドマンが高学歴であることにそれほど驚かなくなりましたが、171の音楽が今注目されつつあるのは、彼らの絶え間ない努力と、時代にマッチした音楽的センスの賜物なのかもしれません。彼らの音楽は情熱だけでなく、創造力が溢れていると感じます。それが、私たちファンの心を掴んで離さない理由のひとつだと思います。
2.Fukaseさんのツイートに驚愕!
2024年6月26日、SEKAI NO OWARIのFukaseさんがX(旧Twitter)で、
「バチくそイケてる。」(Fukase)
と171の音楽を絶賛しました。170万人以上のフォロワーを持つFukaseさんのこのツイートのインパクトは、計り知れないものだと思います。これを見たFukaseさんのファンからは、
といったリプが300件以上、さらにいいねが1.4万件以上ありました。
正直なところ、私はそのツイートを見た瞬間、「うわっ、ついに見つかってしまった!」という驚きと同時に喜びも入り混じり、複雑な感情が胸に押し寄せました。
これまで小さなライブハウスで演奏を続けてきた171が、まさか一瞬にして100万人以上(たぶん!)に広く知られることになるなんて、夢にも思っていませんでした。
さらに、Fukaseさんは自身がパーソナリティを務めるラジオ番組「SEKAI NO OWARI “The House”」(TOKYO FM 毎週[土] 22:30-22:55)の7月20日に、次のようにコメントしています。
いかがでしょうか?
低音が体の芯から響くベースのイントロに始まり、激しくかき鳴らされるギターリフが加わる「インターセクション」。
1番のAメロは、Gt./Vo.の田村さんがその力強い声で言霊を響かせ、2番のAメロでは、Ba./Vo.のカナさんが繊細ながらもパワフルな歌声でストーリーを紡ぎ出します。
それぞれが異なるメロディを持ちながらも、互いに掛け合っていくその構成は、まるでDNAの二重らせん構造のように見事に絡み合っています。要するに、二人の声とメロディが絶妙に交じり合い、最高のハーモニーを生み出しているってことです!
さらにサビでは、
(Vo.田村) ターミナル駅 人混みの中
(Vo.カナ) 違和感を見つけて心が
(Vo.カナ) 剥がれてくのを待っていたくない / (Vo.田村) 誰かが来るのを待っていたい
(Vo.田村,カナ) もう少し試したい!
異なる個性がぶつかり合い、サビでひとつに溶け合って昇華していくその瞬間、聴く者の心は震え、深く共鳴していく魅力があると思います。
3.ついに東京ワンマン開催決定!
2024年4月27日、ファンにとって待望の瞬間が訪れました。
171は、2nd EP『Life Size Life』を6月にリリースし、その記念すべきワンマンライブを7月13日(土)に下北沢Daisy Bar、7月20日(土)に京都GROWLYで開催すると発表しました。このニュースが届くや否や、ファンの間には歓喜と興奮が広がり、SNS上でも熱い反応が次々と寄せられました。
特に東京でのワンマンライブは、171にとって初の試みであり、関東圏のファンはこの知らせを心待ちにしていたに違いありません。チケットは発表後、かなり早い段階で完売しました。これは、171の音楽がどれほど多くの人々に愛されているかを改めて感じさせる出来事となりました。
4.そしてついに東京ワンマンの日!
下北沢Daisy Barといえば、クリープハイプをはじめ、多くの大物アーティストが巣立っていった歴史あるライブハウスです。この場所は、2024年春にオープン19周年を迎え、現在もなお下北沢のミュージックシーンには欠かせない存在として、多くのアーティストやファンに深く愛されています。
7月13日(土)、171の東京ワンマンライブがここで開催されるとあって、期待に胸を膨らませたファンたちが集まりました。下北沢Daisy Barの入口には、長い待機列ができ、その光景は171がいかに多くの人々に愛され、期待されているかを象徴しているかのようでした。
この日、下北沢Daisy Barは単なるライブハウス以上の意味を持っていたのかもしれません。
ここでのパフォーマンスが、171にとっての新たなスタートとなり、ファンとの絆をさらに強く結びつける場所であることを誰もが感じ取っていたと思います。
この日の特別な夜が、忘れられない思い出となり、多くのファンの心に深く刻まれることを願わずにはいられません。下北沢Daisy Barは、また新たな伝説の一夜を、その歴史に刻みつけようとしていました。
5.爆音で盛り上がる準備は出来た!
フロアに足を踏み入れると、ステージはすでに完璧にセットアップされていました。その準備された空間には、いつでもライブが始められる期待感が漂い、まるで静かな嵐の前のような緊張感が感じられます。
次々と入場してくるファンたちの熱気は、フロア全体に広がり、下北沢Daisy Barの空気を押し上げるように温度と湿度を急速に高めていきました。ここにいるファンの心がひとつになり、期待と興奮が渦巻く中、全員が息を飲んでその瞬間を待ちわびていました。
そして、ついにメンバーがステージに姿を現すと、フロア中に大きな歓声が沸き起こり、その音は一瞬ですべての空間を満たしました。歓声とともにその場の空気が燃え上がるように感じられ、ファンの心をひとつにする大きなエネルギーが生まれたように感じます。
これから始まる特別なライブへの期待が、胸を熱くさせるとともに、ここに集まったすべてのファンの心に深く刻まれる感動の時間の始まりを告げていました。この瞬間を共有できる喜びと、これから始まるワンマンライブに対する高揚感が、会場全体を包み込んでいました。
[お断り]
MCはライブ中のうろ覚えなので、内容が間違っていたらすみません!!
<冒頭MC:田村さん>
「国道171号線から参りました、171(イナイチ)と申します!」
(フロアから大きな歓声が上がる)
「僕らがワンマンを企画したのは、去年(2023年)8月、アルバム『マイ・セカンド・カー』を出した時のツアーファイナルを京都のLive House nanoでやらせてもらったんですけど。実はその時が最初ではないな、と思っていて。まだコロナ禍だった2021年1月に、京都に新しくできたライブハウスに当日クルマで向かっていたら、スタッフさんからの電話で『イナイチさん以外のバンドがキャンセルになりました』って連絡があって・・・・・・」
「僕ら1組だけで、お客さんはなんと0人だったんです」
(えっー!)
「配信でひとりだけ見てくれたんだけど、それがどれだけ嬉しかったことか。たったひとりでもライブを見てくれていた、ということがね」
「本日、下北沢Daisy Bar、ソールドアウトです!!!」
(再び大きな歓声が上がる!)
「ここに150〜160人(?)来ていただいたんですが、みなさんひとりひとりの重みを僕らはあの時に感じているから、それはもう絶対に忘れたくないし。終わってからみなさんが『楽しかった!』って思って帰ってもらえるように。イナイチです、よろしくお願いします!!!」
歓声が上がると、1曲目「GO GO リトルカブ」のイントロが流れた!
激しいカッティングのギターリフを奏でながら田村さんは、
「うおおおおおおおおおおー!」
そこにカナさんの極太なベースサウンドが加わり、フロアが爆音で盛り上がるスイッチが一気に入った。
「やばっ、めちゃくちゃ気持ちいい〜〜!」(あくまで個人的な感想です←)
続いて2曲目「タイムカプセル」に突入。
「いつかこの街に本当の永遠を!!」
という歌声がフロアに響き渡ると、その瞬間、何人もの拳が天高く突き上げられました。
<MC:田村さん>
「みなさん『Life Size Life』EP、もう聞いていただけましたか?」
(歓声が上がる!)
「EPといっても、CDは79分間音楽を入れられるので、アルバムとサイズ的には変わらないんですよね。それならいっぱい曲を入れろよ! っていう話なんですけど、迷惑じゃないですか。そんなにいっぱい入れたら(笑)」
「いま、僕たちの音楽をいろんな人たちが聞き始めてくれているみたいで、ホント感謝しています。でも、新譜より旧譜の再生回数の方が多い事態になっていて、ちょっと焦ってます。みなさん新譜を聴いてください(笑)」
「今日は、僕たちがこれまで歩んできた歴史をみなさんに体験してもらおうと思って、曲をいっぱい用意してきました。楽しんでください!」
新譜『Life Size Life』から、3曲目「 EIGHT BEAT SEASON」。
この曲は、何の予定も立てないまま、夏がただ過ぎ去っていく焦燥感を見事に表現しています。まるで、手の中から逃げていくような時間の切なさと、それに抗おうとする葛藤が、そのまま音楽に詰め込まれている気がします。
「今日はワンマンなんで、いつもなら絶対やらないって曲もやります。これからはそのゾーンに入ります」
4曲目「六甲シティ」
5曲目「 終演です」
6曲目「 自己解決」
7曲目「 ダンス」
8曲目「 懐古」
メンバーはこれまでの道のりを振り返るように、一音一音に心を込めて演奏していました。その音はまるで彼らの歴史を語るようで、ここにいたファンもともに歩んできた道のりを感じ取っていたように思います。
<MC:カナさん>
「新しいEPに入っている曲、私が歌っている『紡(つむぎ)』を、今日初めてライブで披露します!」
(歓声が上がる!)
「いま、もし私が死んでも、この曲を聴けば私という人間を理解してもらえるかな? と思えるような。このまま遺書にしてもいいと思える曲を作りたかった、という想いがありました」
9曲目「紡」
「♫見上げた時に、私がここに 生きてきたと分かるように!」
田村さんの熱く力強いボーカルは171の魂を感じさせる魅力のひとつですが、カナさんの繊細で女性らしい歌声もまた、バンドの大きな魅力の一部です。この二つの声が重なり合うツインボーカルの美しさは、171ならではの特別なものであり、聴く者の心を深く揺さぶると思います。
10曲目「ネットスター」
11曲目「暮らし」
12曲目「Passengers」
13曲目「衣替え」
14曲目「レンチキュラー」
15曲目「くらげのブルース」
<MC:田村さん>
「みんな行けるかー、行くぜ行くぜっ! インターセクション!」
ついに来ました! フロアからはさらに大きな歓声が上がりました。
16曲目「インターセクション」
17曲目「さよならパッソくん」
18曲目「ドライブの終わり」
<MC:田村さん>
「僕が通っていた小学校は、僕のおじいちゃんも通っていたんです。おじいちゃんは今年92歳になるんですが、彼が小学校1年生の時に学校ができたんです。でも、この小学校は再来年に廃校が決まっているんですね」
「この小学校の出身で一番有名なのが、尾崎亜美さんという方で、かつて『オリビアを聴きながら』という大ヒットソングを作った人なんです」
「子供の頃は名前ぐらいで、どんな曲を作った人なのかはまったく知りませんでした。でも、大人になってから『オリビアを聴きながら』を聴いたら、めちゃくちゃ素晴らしい名曲だと気づいたんです。歌詞の1番と2番で名残惜しさを表現しておきながら、2番のサビで感情を爆発させるという」
「尾崎亜美さんが、どこにでもある、誰もが経験するような別れをテーマにしていながら、誰にも真似できない曲を作ったことは、地元の誇りだと思っています。『オリビアを聴きながら』のあの1曲が、私の小学校の存在を証明しているだけで、十分だと思っています」
「でも・・・・・・、もう1曲あっていいかなと思って作ったのが、『ヒットソングシーズン』です!」
19曲目「ヒットソングシーズン」
演奏が終わり、次がラストの曲であることが宣言されると、フロアの熱気が溢れ、まるでエネルギーが渦巻くような雰囲気になりました。ここでファンのボルテージは限界を超え、まさに爆発寸前の盛り上がりに。全員がひとつになり、感情の高ぶりはピークに達したように感じます!
20曲目「グレーゾーンの私たち」
「♫ここまま あなたを愛して 全て上手くいくはずだったのに!」
「♫いまさら そんなこと言わないでよ!」
曲が終わると、余韻を残し、メンバーはステージを去っていきました。
「アンコール! アンコール!」
フロアからのアンコールに応えて、メンバーたちは再びステージに登場しました。歓声と期待が渦巻くその場所で、彼らの存在がいっそう輝きを増したような気がします。メンバーらは軽く挨拶を済ませたあと、
<MC:田村さん>
「みなさんロックの黄金時代っていつだと思います? ロックの黄金時代やロックの聖地などなど、いろいろ浮かんでくると思います。ちなみに、僕のこのギターアンプは、1976年イギリス ロンドンのメーカー製なんですね」
「僕にとって1976年のイギリスはとても特別な場所で、大好きなパンクロックバンド、セックス・ピストルズが1枚目のシングル「アナーキー・イン・ザ・U.K.」を発売した年なんです。セックス・ピストルズは、1975年11月に結成されたので、デビューの翌年ということになります」
「その2年後の1978年1月14日、アメリカツアーのサンフランシスコ、ウィンターランド公演後にボーカルのジョニー・ロットンが脱退を発表し、バンドは実質的に解散したんですね。活動期間はわずか2年3か月で、唯一のファーストアルバムだけを残したまま」
「ジョニー・ロットンが脱退後に残したとされるコメントは、日本ではロック史上最も有名なコメントだと思いますが、
『Rock'n Roll is dead.(ロックンロールは死んだ)』
って彼は発言したんです」
「でも本当にそうだったのか、ロックは本当に死んだのか? みなさん、どう思います?」
「“ロック全盛期”とスマホで調べれば、セックス・ピストルズのウィンターランド公演のライブもYouTubeで見ることができます。それだけでなく、1970年代のロックフェスや1996年のフェニックスロックフェスなど、さまざまな時代のロックを楽しむことができます。そして、どのロックンローラーたちも「俺たちが全盛期だ!」「俺たちがロックの黄金時代だ!」とイヤホン越しに語りかけてきます」
「でも、そうでしょうか? みなさんはそんな過去の言葉に捕らわれず、流行ってもいないこんなカスみたいなバンドのライブを今日見に来たんでしょ? イヤホン越しに誰がどれだけ叫んでも、ここにいるひとりひとりには絶対に勝てるわけない!」
「僕も『イヤホンの中にしかロックの全盛期がないんじゃないか』って、何度も思いました。でも、そんなところにはやっぱりないんです! ロックの全盛期は、自分の中にしかない!!!」
En. 「俺の見たピストルズはスマホの中」
フロアは熱気が充満し、そこにいるファンの心が鼓動するように誰もが音楽と一体となっていました。171の音楽と完全に融合し、心の奥底から湧き上がる感情に身を委ねる中、「この瞬間が永遠に続いてほしい!」という願いが、ライブの魅力を一層燃え上がらせたように感じます。
終演後、フロアは大歓声に包まれ、全力を出し切った171のメンバーはまさに輝きに満ち溢れていました。ファンと一体となったあの瞬間は、忘れられないほど美しく、すべてが光り輝いて見えました。
ありがとう、イナイチ!
もうすべてが最高でした!
6.終演後の物販には長蛇の列
大規模なライブハウスではなかなか体験できないことですが、小規模なライブハウスでは、終演後に物販コーナーでアーティストと直接触れ合う貴重な機会があります。今回のワンマンライブでも、メンバーたちはきっと疲れているにもかかわらず、ファンとの交流の時間を大切にしてくれました。
物販に待機するファンは、下北沢Daisy Barの外にまで続く長い列を作り、私も40分ほど待ちました。ですが、その順番を待つ間もワクワクして、何にも代えがたい大切な思い出となりました。
その際、田村さんが「終電の時間が迫っている方は優先いたします」と待っている人たちに優しく呼びかけてくれました。その思いやりに、ファンへの深い愛情を感じました。
7.タワーレコードでもCDが買える!
7月下旬から、タワーレコード渋谷店、タワーレコード梅田NU茶屋町店で、171のCDの取り扱いがスタートしました。気になった人は店頭でチェックしてみてはいかがでしょうか。
171のライブは、ストリーミングサービスやCDでは味わえない迫力ある音圧に圧倒されます。その場でしか感じられないライブならではの生々しい力強さが、心に深く響きます。
また、ステージ上のパフォーマンスとは異なり、物販では普段のメンバーの素顔を垣間見ることができるのも魅力といえます。
171の音楽に興味があるけれど、まだライブを体験したことがない方がいれば、ぜひライブハウスへ足を運んでみてみませんか。
彼らが有名になってしまってからでは、きっと後悔しますよ!←
171の今後のライブ予定
・8月18日(日)「開国ロック」(神戸VARIT.&RINKAITEN)
OPEN 13:00 / START 14:00 adv¥3,500(+1D)
・8月25日(日)「Shimokitazawa SHELTER pre. Dawn」(下北沢SHELTER)
OPEN 12:00/START 12:30 adv¥2000/door¥2500
・9月1日(土)「ナノボロ2024」(京都Live House nano他)
一般:前売 4,000円 / 学割:前売 3,000円(一日券の場合)
・10月6日(日)「TONIGHT TOUR」(新栄CLUB ROCK'N'ROLL)
OPEN 17:00 / START 17:30
前売 3,000円 / 当日 3,500円(ともに+1ドリンク別)
(ライブの詳細は、171ホームページを参照してください)