一人でやるよりみんなでやった方が絶対ええよって話
私は放課後、小学生(1年生〜6年生)を預かる仕事をしている。
先日、部屋に飾っていた「鬼滅の刃」のイラストを欲しいという子がいた。
一人、欲しいと言ったらそれにつられて、私も、僕も、と続いた。
「これはみんなの物だから、あげられないよ」
で話を終わらせてもよかったのだが、せっかくの機会だと思い、チャレンジ企画を始めた。
「じゃあ、今月の目標を決めて、頑張れたらもらえる、ということにしよう!」
欲しがった子は、とても元気が良い子(コミュニケーションが激しすぎて大人を殴る、口調が荒い、あばれるくん)が数名入っていたので、これを機に、教室での過ごし方を考えて欲しい、という私の思いもあった。
チャレンジ企画
・一人ずつチャレンジカードを用意
・教室を利用した日、帰る前に一日の振り返りをする。
というもの。
良かれと思って始めたが、次の日他のスタッフの方から「モヤモヤを感じる」とのご意見をいただいた。
・学校と違って、毎日来る子、来ない子の差はどう埋めるの?
・振り返りはどの時間に、誰が担当するの?
・目標が簡単すぎて、(例えば元気よく挨拶をする)それだけ守ればいいと思っている子にご褒美をあげるのはおかしくない?
などなど。
そこで気付いたのは、
「ここは学校じゃない」
ということ。
小学校で担任をしていた時、同じように、支援が必要な子に対して「がんばりカード」を個別に作っていたことがあった。
全部頑張る。
は難しい(大人だって嫌だ)から、
今週はこれ!
と一つに絞って一緒に頑張ろう!と取り組んでいたことがあった。
例えば、
「朝のうちに連絡帳を書く!」
朝の用意に時間がかかりすぎて、連絡帳を書き忘れ、休み時間に書いていることが多かった子。
「牛乳を飲む!」
アレルギーではなく、飲めないわけではないが、飲まずにこっそり捨てる子。
と、それぞれ本人と目標を決めて、毎日帰る前に振り返り、シールを貼る、という取り組みをしていた。
でもそれができたのは、学校だったからだ。
学級をつくるのは、担任で、学級の方針や子どもとの関わり方は担任が考えて、進んでいく。
もちろん、周りの先生に助けてもらうこともあるが、基本、担任の判断。
だから、自分がこれをやりたい!子どもたちにはこれを頑張ってほしい!こうなってほしい!というのは、自分一人で決めて、進めていけた。
ところが、放課後は違う。
担任がいるわけではなく、放課後のスタッフは、みんなのスタッフ。
いわば、みんな担任。
(保育所みたいな感じなのだろうか?教室に複数先生がいる、みたいな)
方針も、子どもへの関わり方も、教室の約束も、みんなで決めてきた。
だから、他のスタッフの方がモヤッとしたのは、
今までみんなで積み上げてきた放課後なのに、私が一人で、独断で、企画を始めたからだ。
今までみんなでやってきてるのに、なんであなた一人でやろうとしてるの?
と、
言葉には出さなくとも、きっと、そんな思いが湧いてきたから、モヤッとしたのだと思う。
学校教員の経験は、子ども対応や、保護者対応、掲示物作りなどに生かせることも多いけれど、学校とは違うんだってことは改めて頭に入れておきたいと感じた。
あと、学校とか放課後とか関係なく、私は今まで「周りと一緒にやっていこう」という気持ちが薄かったことにも気付いた。
教員時代も、困った時や、学年、学校全体で動く時以外は、一人で仕事を進めていた。
だから、残業しまくり、休日出勤しまくりで、、
「なんで、こんなに仕事ばっかりしてるんやろう。もう!学校ブラック!!」
て不満マックスになって。
でもよく考えたら、それって自分が引き起こしてたことだったんだ。
もっと周りを頼ればいいんだ。
自分にしかできない仕事って限られているんだから、誰がやってもいい仕事はどんどん人にお願いする。
何か考えがあるなら、相談して、みんなで決めていく。
その方が一人で考えるより、絶対いい。
一人でやると、自分の価値観に偏った考えで固まっちゃうけど、色々な価値観によるアイディアを寄せ集めたら、ぐんっと幅が広がる。
今回のことがきっかけで、気付けたことがたくさんあった。
ありがたい。
まとめ
・学校と放課後の違いは、担任制とみんな制(みんなが担任、みたいな?)
・一人でやるより、みんなでやった方がいい