
韓国_映えるお菓子のお店
最近、デパ地下(@ソウル)や若者に人気の街(例:ソンス、三清洞など)に行くと、雑誌やレシピ本の写真やイラストから切り抜いてきたようなビジュアルの焼き菓子の並ぶお店がとても多いです。華奢で洗練されたビジュアルではなくて、今さっきそこで作って持ってきましたよというような手作り感の漂う素朴でナチュラルなビジュアルであることが多いと思います。
ここ数ヶ月の新規出店ブランドの場合、かわいいイラストやキャラクターを店頭ディスプレイに使用していることも多いと感じます。そして、それなりの繁盛店には目を引くフォントを使って作られたロゴがきちんとあります。
写真みたいな焼き菓子 x かわいいオリジナルキャラクター x 目を引くデザインフォント
ソウルでは”写真みたいな焼き菓子 x かわいいオリジナルキャラクター x 目を引くデザインフォント”を持つお店が次々とできては消えて行きます。一言で、流行っています。
流行には元ネタ(提供者がインスピレーションを得た経験なども含む)があるはずで、その元ネタを知った上で消費したいと考えるたちなので、少しですが調べてみたことをまとめてみたいと思います。
ソウルでの”写真みたいな焼き菓子 x かわいいオリジナルキャラクター x 目を引くデザインフォント”に影響を与えたのは、2017年オープンの大繁盛店である”Knotted"であるように思います。
Knotted
”Knotted”は、
イラストのようにかわいい大きなドーナッツ x クマのキャラクター(シュガーベア) x インスタっぽい手書き筆記体のロゴ
が特徴のドーナツ屋さんで、2017年のオープン以来人気が続いていて、店舗数は続々と増えています。2022年現在ソウルの人気エリア、チェジュ島など若者の集まる街に店を構えています。
・アメリカで学生時代を過ごしたオーナーが、手で持って食べられるよう立ててサーブするアボカドがたっぷり入ったハンバーガーで成功し、ケーキ屋さんであるKnottedを創業
・アメリカで食べられるようなクリームがたっぷり詰まったドーナツ発売し大ウケしドーナツをメインに提供するようになる
・若い女性画家(Slowsoaster)を起用したオリジナルキャラクターも人気に
・Knottedオープン当時の2017年にはインスタで手書きのフォントが流行っていたが、ロゴにはその感じを採用
・Knotted店舗はどこで何を撮ってもかわいい写真が撮れるドーナツ屋さんだからか、今も店頭は順番待ちの行列ができている
Knottedのキャラクターはスマイルマークと”シュガー・ベア”というオリジナルキャラクターですが、”シュガーベア”はイ・スルロさん(Slowsoasterブランドを運営)という若い女性アーティストとのコラボレーションで作られたものです。このアーティストはKnottedとのコラボで一躍有名になりましたが、Knottedコラボの前から梨泰院のセレクトショップでのイベントが好評など若い女性ファンを持っていたアーティストでした。若者に人気のある若いアーティストとの絶妙なタイミングでのコラボがKnottedの成功の一因であると言えますが、後発のお店がKnottedのように人気を牽引するような強力なオリジナルキャラクターを持つのは簡単ではないですね。新しさとユニークさがないと、キャラクターとしてはなかなか人気を得られないからですが、そう言うキャラクターを作るのにはお金もかかるし、お金をかけても成功するとは限らないですからね。
Slowsoaster
それじゃあKnottedの元ネタは何かなぁといくつかの記事を読んでみると、Knottedの創業者はアメリカでの経験をベースにお店を作ったと色々なインタビューで答えています。なるほどアメリカの西海岸の方にスマイルマークをシグニチャーとする繁盛店があったりするんですね。直接影響を受けたかどうかはわからないですが、センスの良い人って直接見たり聞いたりしていなくても、影響を受けるというか情報のアンテナがそういう流行り物を受信するものだと思います。
写真みたいな焼き菓子 x かわいいオリジナルキャラクター x 目を引くデザインフォントで気になっているお店が東京にもあります。まだ行ったことがないですが、コロナ後東京に行けるようになったら絶対に行きたいお店です。アメリカンヴィーガンクッキーのお店”ovgo B.A.K.E.R”。
ovgo B.A.K.E.R
お店や創業者の方については下の記事に詳しく載っていました。
ovgo B.A.K.E.Rの見本となるお店であると言及しているお店