きのこの山とチョコきのこ
韓国には’きのこの山’にそっくりなお菓子、’チョコソンイ’があります。直訳すると、’チョコ松茸’となりますが、松茸に限定するのはなんとなくこのお菓子の雰囲気に合わないように思えるので、ここでは’チョコきのこ’と訳しています。’きのこの山’と’チョコきのこ’何か違うのかな?という素朴な疑問から食べ比べてみました。
食べ比べてみてどっちが好きか?の結論としては、’きのこの山’でした。
理由は、
チョコレートが美味しい(商品裏の説明を読んで納得しました。カカオの濃いチョコレートとミルクチョコレートが二層になっているそうです。)
包装のディテールで楽しい時間を過ごせた
ウェブサイトで商品の歴史やこだわりを知ることで応援したい気持ちになった
ことが挙げられます。
それでは、それぞれの商品について見ていきたいと思います。
商品概要
商品名:きのこの山
発売:1975年
製造・販売:株式会社 明治
重量・価格:74g・150〜190円
ウェブサイト:
商品名:チョコきのこ(海外商品名:チョコボーイ)
発売:1984年
製造・販売:ORION
重量・価格:36gx2個セット・約100円
ウェブサイト:
どちらも、クラッカーとミルクチョコレートのハーモニーがおいしいお菓子ですが、韓国のチョコきのこはきのこの山の約9年後に発売されたようです。価格はチョコきのこが少し安いようです。
見た目の違い
両商品ともに柄(エ)に対して斜めに傘を被っているが、チョコきのこの方が傾きが大きい
傘の表面の波状がきのこの山の方がほんの少し深い
チョコきのこには傘の表面の波と波の間に三角形の折り込みマチのような模様がある
どちらもパッケージのイラストのように傘(カサ)に対して柄(エ)が真っ直ぐに入ってはおらず、斜めに傘を被っていました。傘の表面の波の模様がきのこの山の方がやや深く、一方チョコきのこの方には波と波の間に三角形の折り込みマチのような模様がある点が目で見た目の明らかな違いでした。また、柄のクラッカー部分は、焼き色やほんの少しだけ傘に深く刺さっていたりするばらつきが両方に見られました。
味の違い
原材料は砂糖と小麦粉の他、植物油脂、乳糖、ショートニングなどの各種食品添加物で似たような構成ですが、書かれている原材料名自体は違うものもあり日本語と韓国語の違いなのか、異なる原材料なのかはもう少し勉強が必要なところです。
味はというと、ほとんど同じですが、二つを交互に食べると微妙な味の違いは感じられました。(どちらか一方だけを食べてどちらであるのかを言い当てようとすると相当難しいなと思いました。)
私が感じた違いは次のような感じです。
きのこの山のチョコレートの方が味わいに深みがある
きのこの山の方がクラッカーが香ばしい
チョコきのこの方が後味が少しだ油脂っぽさが残る
包装の違い
きのこの山の方は、
外装は発売当初から続くのどかな里山の雰囲気の背景イラスト
蓋を開けると、美味しさへの期待をさらに盛り上げるメッセージ
内側の袋にも色が使われていて可愛い
点が特徴だと思います。
一方、チョコきのこの方は、
・外装は林と家とチョコボーイのイラスト
・箱の裏側は普通のグレーの紙
・内側の袋も普通の銀色の包装に単色印刷(ロゴが小さい面が上を向いて入っていた)
が特徴です。
価格が低い分、チョコきのこの包装の方が簡素で必要最低限という印象を受けました。韓国ではコンビニ商品に消費者が包装よりも安さを求めるのかもしれません。(百貨店の包装は過剰包装が多いので)
きのこの山を食べ終えたとき、このメッセージが出てきて感動してしまいました。このディテールで一気にきのこの山の方が好きになりました。
ウェブサイトの違い
きのこの山は特設サイトが用意されていて、商品の歩んできた歴史やテレビ広告、たけのこの里との投票についてなど盛りだくさんな内容で構成されています。一方、チョコきのこは簡素な製品紹介ページが一つあるだけです。オリオンの主力商品ではないので仕方ないのかもしれませんが、オリオンの主力商品であるチョコパイやマーケットOの製品ページもさほど充実した内容では作られていませんでした。
オリオンだけでなく、韓国では企業や個人ブランドのウェブサイトがあまり充実していない場合が多く、個人的にはとても不便に感じています。企業の公式ウェブサイトが個人の生活に何か影響があるのか?と思われそうですが、企業が公式に出している情報であるという安心感のある情報が容易に手に入らないというのは情報検索の手間が余計にかかるので、不便ですね。
代わりに韓国では掲示板の集合体であるコミュニティ文化が生活に深く入り込んでいて、企業のウェブサイトではなくコミュニティで情報を得るというのが普通のようです。私の感覚からすると、企業の公式的な情報ではなく一般の人たちが書き込む情報を信じるのには抵抗がありしましたが、企業の公式情報より消費者の情報の方が信頼できる場合もあることは経験としても十分に理解できるし共感できます。でも、消費者発信の情報は信頼できる情報源を探すのに手間がかかるし、外国人にはさらに難しいと思えるのです。そんなこんなで韓国ではすっかり情弱な人間になってしまっていて困ったものです。
ちなみに、ここまで書いてきてめちゃくちゃきのこの山が好きな人みたいになっていますが、私はたけのこ派です。
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