僕とMOTHER2 - その3
MOTHER2を買った日は、
夜も遅くなり遊べずだった。
翌日、学校から帰ってすぐに遊んだ。
学校の授業はうわの空だった。
当時の僕は鍵っ子。
家に帰ると誰もおらず、馬の世話をしに行っていた祖父が帰ってくるまでは、一人で過ごしていた。
赤いパッケージからソフトを取り出し、スーパーファミコンに差し込んでスイッチを入れた。
読めない英語に赤黄色のドットが散りばめられた、謎の画面が目に映る。
今思えばなんでもない、ギーグが帰ってきたぞの画面であるが、当時の僕は怖い印象を受け、この画面が表示されないように、次からはボタンを連打していた。
データファイルを選び、キャラクターに名前を付ける。
確か主人公には自分の名前をつけ、女の子には当時好きだった子の名前を付けた記憶がある。
メガネのジェフにはリオの名前を、ぷーはもう一人の仲が良かった友達を付けたかな。
チビと好きなものはそのまま。
当時飼っていたペットの名前にしようと思ったが、人名みたいだし、メスだし、猫だしで止めた。
そうして登場人物を身の回りの人間で固めていったのだ。
これがもしファンタジーならそんなことをしないで、それっぽい名前にしていたことだろう。
現代が舞台なのだから、勇者や魔法使いみたいな名前は似合わないのだ。
しかしそこは小学生、かっこいいもので当時かっこいいと思っていた、波動拳を付けたのだ。
PKハドウケン、なんとも言えない感じである。
キャラクターネームを付けるこの画面。
ここ音楽が気に入った。
この曲はここでしか聴くことができない。
中には一周する前にすべて決め、
糸井重里の「おっけすか?」を聞くことになる人も多いと思う。
僕は数ループ聴いて、オッケーを押した。
いよいよMOTHER2が始まった。