僕とMOTHER2 その9 オフ会編
8月上旬のある日、カービィ系のチャットである話題が挙がった。
月末に千葉で開催されるイベントに行きますか?というものであった。
このイベントというのは、任天堂が開催していた商品の展示会で、その名を「ニンテンドースペースワールド」という。
スペワという略称で呼ばれていた。
このチャットメンバーでも全員が知っているわけではなく、なになにそれ?といった具合だった。
そして、行く人が居ればオフ会をしませんか?と。
オフ会という単語を始めて目にした。
オフ会とは、ネットではなく現実世界で会うというもの。電源をオフにして会うからオフ会だよと教えてもらった覚えがある。
今も昔もイベントで都合を合わせるは変わらず、チャットメンバーとニンテンドースペースワールドで会うことになった。
オフ会会場はニンテンドースペースワールド99、8月28日、千葉の幕張メッセである。
実は、元々スペースワールドには行くつもりだった。
この記事をわざわざ読んでくれるMOTHERな人ならピンとくるかもしれないが、ニンテンドースペースワールド99ではMOTHER3の試遊ができたのだ。
各種雑誌でたまに情報が出ていたMOTHER3、遊べるのなら遊ぶしかない。
もう1つ目的があった。
それはスマブラの大会だ。
当時、ニンテンドー64で発売されたスマブラでしこたま遊んでいた。チャットをしている時も、話に乗らないときはスマブラのスコアやタイムアタックをしていて、いい記録がでるとチャットに打って話題にしていた。
※ほぼ日の現地レポート、写真を見ると懐かしさがこみあげてくる。
時は進み、8月28日の千葉。
とうとう当日を迎えた。
自力で群馬から出たことが無かった僕は、色々な方法で時刻表を調べた。
今みたいに気軽に調べることなんてできず、当時時刻表を掲載していた個人サイトにたどり着き、両毛線沿線から高崎を経由して東京で乗り換え、海浜幕張までの時刻表を調べていた。
始発で出ても開場時間は過ぎることがわかり、オフ会メンバーには遅刻することを伝えていた。
駅に着くと駅員がおらず、呼び出しボタンを押すとおじさんがでてきてくれた。カーテンが閉まっていたから、本当は時間外だったんだと思う。駅員のおじさんに目的地を伝えると、普通の切符とは少し違う「都区内・りんかいフリーきっぷ」を教えてくれた。普通の往復切符なら5000円ぐらいだったはずだが、都区内・りんかいフリーきっぷは一部区間が乗り降り自由で、往復切符より安かった。
目的地以外に寄り道するつもりはなかったが、安いのであれば買うしかなかった。
今回の旅は、友達と3人で向かった。
1人は同じチャットにいたメンバーで、もう1人はスマブラ仲間だった。
片道2時間半、ゲームの話をしたり、受験の話をしたりしていた。
上野で一旦降り、山手線で東京へ。死ぬほど長い通路を歩いて京葉線に乗り換えた。動く歩道を歩いたのもこの時が初めてだった。
1時間もしないで海浜幕張に着いた。
少し歩くとニンテンドースペースワールド99の看板が見え、くぐった。
この時、とてもドキドキしていたのを覚えている。
初めての場所、初めて会う人、そしてMOTHER3である。
待ち合わせはイベント会場の入り口から少し入った場所。駅着の時間を予め伝えておき、大体の時間で待ち合わせをした。
全員が初めて会うことから、各々が服装を伝えていた。
自分は黒い靴、色の濃いジーパン、白いTシャツで行くよと告げていた。
みんなの服装とか特徴は紙にメモをしていた。携帯電話なんてまだ持ってもいなかった。
エスカレーターを降りて左手に進むと、メモと同じ人たちが見えた。
恐る恐る話かけると、チャットのメンバーだった。
声を聴いたことも初めてで、すごく新鮮だったことを覚えている。
周囲にも同じようなグループが散見された。確かにいい機会だと思う。
自己紹介を済ませ、一緒にスマブラブースの列に並んだ。
カービィ系チャットと先に述べていたが、チャットではスマブラの話をしていることが多かった。ホームページが星のカービィメインというだけで、チャットではもっぱらスマブラなのだ。
結果は2回戦で敗退だったと思う。
残念な結果だけど、友達と会えたので満足だった。
チャットメンバーとは一旦別れ、MOTHER3のブースに並んだ。
こっそりとした話だが、どちらかと言えばメインはこちらだ。
フリントを操作してブタマスクをひっぱたく、そんな試遊台だったが、お蔵入りしてしまったDD版を遊ぶことができたのだ、今思えば遊んでおいてよかった。
MOTHER3の開発は難航していた。確か元々はSFCだったけど、64DDへプラットフォームが移り、公表されたサブタイトルも3回くらい変わっていたと思う。
キマイラの森、奇怪生物の森、豚王の最後、こんな変遷で、試遊台は豚王の最後だったと思う。
MOTHER3の試遊を終えて、チャットメンバーと合流、そのまま会場の隅で談笑したり、イベントブースを見て周った。
閉場前に別行動をしていた地元の友人合流し、チャットメンバーに別れを告げて会場をあとにした。
帰りの電車では、お互いにどこで何をしていたのかを話してたが、上尾を過ぎたあたりでみんなうとうとしていた。
でもなんか、はっきりと眠くはならなかった。
今回の体験がそうさせたのだろうと、今になって思う。
帰宅してテレホーダイが始まると、チャットに入った。
今日会ったメンバーがみんないて、わいわいとチャットをしていた。
自分もそこにまざり、わいわいとして一日を終えた。