【練習場のマーケティング】施策を作るための顧客分析(来場者数分析編)
練習場運営では見る数値がたくさんあります。でも、見るだけで次のステージに上がるための数値ではないのもあります。ここでは、次のステージに上がるために欠かせない顧客分析について説明していきます。
1.顧客分析ってなに?
「彼を知り己を知れば百戦あやうからず」
孫氏の兵法書にある通り、「彼を知り」、つまりは顧客を知ること。その上で、顧客に対して己の武器を作り、サービスを構築していく。
顧客を知る方法が顧客把握です。それは、性別・年齢・地域と言ったボールベンダー形式のデータを保有していない練習場でも何となく感覚で分かるものです。
顧客分析とは、それより一歩深く顧客を知るために来場数・打球数・顧客タイプまで追って数値から顧客像を洗い出す作業です。
2.顧客を俯瞰的にみる来場者数分析
今回は来場者数に焦点を絞って、練習場の出入りを俯瞰的(大きく広く)見る方法を説明していきます。
総来場者数の構成は
新規顧客+継続顧客ー流出顧客 となります。
継続顧客と流出顧客って聞くことがない単語ですね。ですので、それぞれの顧客の意味ととある練習場の月次データを掲載してみます。
データはその地域のものなので、あなたの練習場より高い低いはあまり気にしないでください。大切なのは、あなたの練習場が今どこにいるかを作り対策を練ることです。
1)新規顧客
はじめて練習場に来ていただいた顧客
この図は、ある1年の新規顧客者数の推移を表したものです。
複数年でのグラフを用意し、比較・検証すると、その年の天候要因、外部要因なども含んだ分析が出来るようになります。
マーケティングの世界では、新規顧客を獲得する事は、既存顧客を維持する事よりも5倍のコストがかかると言われます。
このグラフから、新規顧客を獲得するには、どの時期に行うのがいいのか、わかりますか?一般的に、新規顧客を増やす施策には、「折込チラシ」や「WEB広告」などが挙げられます。この話はまた別の機会に。
2)継続顧客
いつも来てくれる顧客。
WEB業界では、ユニークユーザ数とも言われ、決まった期間内に来場したお客様の数を表す数値です。期間内なら、同じお客様は、何度来場されても1人とカウントされます。
新規顧客と同じように、1年のうちの盛り上がりは、5月、10月である事がわかります。ゴルフシーズンだね、ということが分かります。
継続顧客を増やすため、何をしましょうか?!一般的には「クーポン券」「サンキューレター」などが有効です。
3)流出顧客
練習場から去って行った顧客
ゴルフ練習場だけでなく、全てのサービス業で一番大事な事が、流出顧客をどれだけ減らせるかです。
なぜなら、流出顧客数が0の場合、顧客者数は減ることを知りません。新規顧客がいる限り、常に増大、常に拡大していきます。流出顧客数を減らすことが、売上の拡大、ビジネスの拡大に直結するのです。
今回は流出期間を1ヶ月とします。つまり、先月来場していたお客様の内、今月に1度も来場されなかったお客様を1とカウントします。これはかなりシビアです。もしかしたら、翌月には戻ってくることもありますから3か月・6ヶ月も作るといいでしょう。
流出顧客を減らす・戻すには、「アンケート」「カムバック割引」「誕生日月来店促進」などなど。
また、流出してしまった顧客を取り戻すのには、かなりの労力が必要です。流出してしまう前の予防として、最新来場日を追っておき、適当な施策を打つこともとても大事になります。
3.顧客分析から次の施策を作る
今回は顧客を俯瞰的に見ました。練習場の出入りを見ることでどの月に何をすべきかの対策を打つ手掛かりになりますね。
上記にも施策案を出しましたが、多分ほとんどの練習場でやっていることです。施策を実際にやっているスタッフの中に、なんでこれをやっているの?という中で作業的にしているのも事実。
4.目標となる数値を決める
大切なのは、目標値を決めることです。現場のスタッフだって、やる意味が分かれば、創意工夫をしてくれます。上がった下がったの一喜一憂をみんなで共有できれば、いい雰囲気の中運営できますよね。
そうなったら、売上って自然と上がっていきます。運営は生き物です。ただ数値分析をしたから上がることは絶対にないと言っていいでしょう。
5.まとめ
顧客分析の中では、俯瞰的(広く大きく)見る方法のひとつである、来場者数に焦点を絞ってみてきました。これからの施策立案には、このような数値を見ることで説得力ある施策が打ち出せるのではないかと思います。