ストーリーの普遍性とは?
僕は小説家でもなければ、シナリオライターでもない。
けれども、ストーリーを創造するために学んできたことがある。
このnoteは映像でストーリーを語ろうとしている人、もしくはすでに映像制作をしている人たちへ、僕が学んできた「ストーリー」の定義、「ストーリー」を開発・創作するための共通言語を体系化することである。
ストーリーを戦略的に活用するための理解として、3つのテーマを分解して説明していきたいと思う。※主に映画作品の分析も交えていくつもりなので、作品を観ていない方は、事前の作品視聴を推奨する。
1 ストーリーの基本構成とは?
2 テーマと世界観を語る上で知っておきたいこと。
3 機能するキャラクターとプロットとは?
ストーリーを語ることの目的を改めて注目してみよう。
我々はストーリーを語る上で無意識に使っている目的がある。大きく分けると3つになる。
意志を伝える。
感情を伝える。
情報を伝える。
この3つの要素には喜怒哀楽がある。
映画やドラマ、歌(詩)には喜怒哀楽を使って、ジャンルを特定したり、
バランスをとりながら、ストーリーの形が作られる。
野球の野村克也監督が残した名言がある。
意識が変われば行動が変わる
行動が変われば習慣が変わる
習慣が変われば人格が変わる
人格が変われば運命が変わる
ストーリーの役割にも流れがあり、我々は無意識にその役割を日常の行動習慣の中で使っていることがある。
ストーリー(物語)=ヒストリー(歴史)
HISTORY:HI STROY
歴史(時間)の流れとして、過去、現在、未来があり、創作としての物語には英雄(ヒーロー)の歴史がある。
我々はストーリーを作る行為の上で、意識するべきことがある。このnoteもどれくらいの人が読んでいただけるかわからないが、読者の存在があり、そのコンテンツ(内容)には普遍性(多くの人々の印象や共感を得る)を意識することで、人を喜ばせたり、自分を喜ばせたりすることができる。
他人を喜ばせることは難しいが、自分を喜ばせることは簡単なはずだ。しかし、最近は自己肯定感が失われつつある。クリエイティビティーもこのバランスが欠けると創造性は失われていく。
自分に自信がなくなってきている=クリエイティビティの喪失
「自己肯定感」とは自分が自分であることに満足し、価値ある存在として受け入れられること。いわば私たちの人生の軸となるエネルギーだ。
そこで、やはりストーリーを考えること、書くことは今の時代において最も大切な行為である。その内容がどうであれ、人に伝える意志が変わり、行動を変えることに繋がるのだ。今の閉塞的な壁を壊して、新しい世界へ足を踏み入れることは勇気がいることだが、決して不可能ではない。英雄の旅には多くの罠や敵が立ちはだかり、行く手を阻む。「男はつらいよ」ではないが、英雄は実は辛いこともある。
ヒーローズ・ジャニーから学ぶ三幕構成
『神話の法則』ではジョーゼフ・キャンベルの神話研究を元に
ヒーローズ・ジャニーのコンセプトを解説しているわけだが、三幕構成を大きな人間のドラマの元型として、ストーリーを定義している。
三幕構成の基本
ストーリー:はじめ(Begining)、なか(Middle)、おわり(End)
これはギリシャの哲学者アリストテレスが詩学の中でも、劇の構成として基本の原型を定義している。はじめ、なか、おわりの型と同様に、「能」の芸能書を書いた世阿弥の「序・破・急」「守・破・離」が創作方法の型として今でも受け継がれている。
では、すでに皆さんがご存知の日本には「起承転結」があるではないかと思われるかもしれないが、前回のはじめの紹介でも書いてはいるが、正解でもあるけど、正解ではないということ。
確かに「起承転結」を三幕構成に合わせると以下のようになる。
起 = はじめ
承 = なか
転結 = おわり
しかし、世界において三幕構成が生まれ、
なぜ、アリストテレスは三幕構成なのか?
この先は有料コラムになるが、なぜ、『リング』『呪怨』はリメイクされ、ヒットしたのか?三幕構成との関連性はどこにあるのか?興味を持って読み進んでみたいと思う方は、一読いただければ幸いである。
人間の行為・営為は、はじめ・なか・おわりである。
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