1.02 Weekly Report Vol.627
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1.DELTAの目線 ~ロッテ・大塚明コーチが今季も優れた判断力を発揮。12球団走塁力チェック~
スピードは野球の華である。ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平が日本人初の「40-40」(40本塁打40盗塁)を達成し、さらに前人未到の「50-50」に到達せんというニュースを日々チェックしているファンも多いのではないだろうか。大谷が盗塁数を伸ばした背景には、MLBが試合をより面白くするために行った盗塁増を狙ったルール変更があったように、走塁はスリルと緊張感で試合を大いに盛り上げてくれる。
セイバーメトリクスにおいて、走塁が持つ影響力は打力や投手力に比べて決して大きくはない。しかし、走塁の影響力は決して無視できるものではないのも事実だ。リーグで最も走塁指標が良いチームと悪いチームの間には、実に40得点前後の差が付く。もちろん走塁の力だけで勝つことはできない。しかし、そつなく走塁をこなせず、走塁が足を引っ張るようであれば、そのマイナスはとても看過できないものになる。
今回は2球団の走塁指標から、走塁力について分析していく。走塁でアドバンテージを持っているのはどの球団なのか?あるいはどの球団が走塁によって足を引っ張られているのだろうか?
今回用いるのはwSBとUBR、そしてそれらを合算したBsRという3つの走塁指標だ。
①wSB:平均的な走者に比べて「盗塁」でどれだけ得点を増やしたか
②UBR:平均的な走者に比べて「盗塁以外」でどれだけ得点を増やしたか
③BsR:①と②の合計値。総合走塁指標
wSBでもUBRでも、重視されているのは「いかにアウトにならずに、それでいて先の塁にどれだけ進めるか」ということ。走塁はまずアウトにならないことが肝要だ。例えば2022-24年のNPBにおいて盗塁の得点価値は0.164点、それに対し盗塁刺は-0.323点。盗塁刺の影響度の方がはるかに大きいことがわかるだろう。成功率が高くなければむしろ得点を減らしてしまう。それくらい走塁でアウトになるというのは避けるべきなのだ。そしてアウトを抑えた上で、どれくらい進塁を積み重ねて走塁貢献を残していくか。これがBsRを稼ぐ上で鍵を握ってくる。
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