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ビシエド降格はデータ的に妥当か?/広島のバントが減少。監督の方針なのか、状況が少ないだけなのか
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貧打に苦しむ中日がビシエドを降格。データに傾向は見えていたのか
4月12日、驚きのニュースが入った。開幕から得点力不足に苦しむ中日が、主砲ダヤン・ビシエドの登録を抹消したのだ。ビシエドはここまで32打席に立ち、打率/出塁率/長打率が.281 /.281/.344。確かに長打は出ていないが、極端に悪い結果ではない。立浪和義監督によると、登録抹消期間は大幅な打撃フォーム改造の期間に充てるようだ。となると抹消期間は長期にわたるかもしれない。
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報道にもあるように、ここまでビシエドは打点0。今季は走者なしの場面ではOPS.789と好結果が出ているが、走者ありでは.385、得点圏では.000と、チャンスで結果が出ていない。これも降格の要因としてあったのかもしれない。
ただ降格という措置はよほどのことだ。表向きの打撃結果には見えないが、そうしなければならないほどにビシエドの状態が悪くなっていたのだろうか。兆候は見えていたのだろうか。データで確認していきたい。
まず不調時に変化が起きやすいスイングの判断、見極めといった分野をつかさどるPlate Disciplineデータを見ていく。状態が悪い打者はボール球を過剰にスイングしてしまったり、コンタクトできていなかったりと、例年と傾向が異なるデータが出ることも多い。
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まずスイング率だ。例年ビシエドのスイング率は50%弱。リーグ平均が45%強の数字なため、やや積極的なスイングがビシエドのスタイルだ。これについて今季の数字を見てみると、49.5%。例年とスイングの頻度は変わっていない。打撃を崩す打者というと、過剰にスイングしたり、できなかったりと、アプローチを崩すパターンもある。しかし、このデータを見る限りそうではなさそうだ。
ただ同じ頻度でもボール球によく手を出しているということがあるかもしれない。ボール球スイング率を見てみよう。例年のビシエドの値は32.0-33.0%ほど。そして今季の値は32.8%。こちらも変わっていない。スイングする・しないの見極めについて異常は見られていないようだ。
それでは投球にコンタクトできるかはどうだろうか。
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