投手は「K/BB」よりも「K-BB%」で評価しよう
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知名度の高い投球指標「K/BB」が抱える欠点とは
セイバーメトリクスはその歴史の中で、従来とは異なる評価方法を多く生み出してきた。その代表例が投手の評価方法だ。代表的な投球指標として「FIP」が挙げられる。FIPと同じように「K/BB」もセイバーメトリクスの指標として認識している人も多いのではないだろうか。K/BBの計算式は以下だ。
K/BB=奪三振数÷与四球数
K/BBは奪三振数を与四球数で割るだけのシンプルな指標だ。運に左右されやすい被打球のイベントを考慮せず、投手の奪三振、与四球のみに焦点を当てて算出される。たとえば「200奪三振、50与四球」という成績を残した投手は200/50=K/BB4.00となる。与四球を出さず奪三振を多く奪える投手は、ランナーを出す機会も少なく優秀であるのは想像できるだろう。かつてNPB、MLBで活躍した上原浩治(元レッドソックスなど)が驚異的な数値を記録したこともあり、馴染みのある指標としてK/BBを扱っているファンも多いのではないだろうか。
だが、セイバーメトリシャンはこのK/BBという指標を重視していない。それは「奪三振数を与四球数で割る」という計算上、分母となる与四球の数値に強く依存してしまうという欠点を抱えているためだ。極端な成績ではあるが、以下の表1の投手A、投手Bの成績を比較してみよう。
投手Aは奪三振数100、与四球数1。それに対する投手Bは奪三振数100、与四球数2。成績は与四球数にひとつ差があるだけだ。これだけで防御率や失点数に大きく差が生まれるとは考えづらいだろう。与四球数がわずかに投手Bのほうが劣っているが、ほぼ同じ投球内容であると多くの人が考えるはずだ。
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