見出し画像

「投高打低でもよいではないか」はなぜよくないのか

本記事は野球データサイト1.02が毎週お送りする有料メルマガの一部を個別販売したものです。データサイト1.02、メルマガへのご登録はこちらから
https://1point02.jp/op/reg/mailreg.aspx


最近DELTAでは得点環境に関する記事を多く公開している。2月13日に公開したDELTAアナリストの宮下博志による記事では、近年深刻化する投高打低が投手のレベルアップによるものかどうかを検証。現在の打低が選手の能力以外の原因で発生しているものだと指摘した。

また、2月26日発行・1.02 Weekly Report Vol.599の本コーナーでは、打球の管理についてMLBが行っている施策を紹介。MLBがボールの反発係数や抗力だけではなく湿度も管理し、ボールの飛び方を調整していることに触れ、NPBでも同様にボールの飛距離に関する数値を把握しておくことが必要ではないかと指摘した。

これらの記事はいずれも投手有利・打者不利の環境を懸念する内容のものでもあった。これに対して別に「投手有利の環境であっても良いのではないか」と考える人もいるのではないだろうか。確かに、手に汗を握るようなロースコアの接戦を好む人にとっては現在のNPBの環境が心地よいものに感じるかもしれない。では、そのようなファンが多いのであれば投手有利な環境のままで良いのだろうか?

実はそういったファンが多いからといって「投高打低」の環境が持続するのは好ましくない。こうした環境は実は選手のプレーレベルに悪影響をもたらすリスクがあるのだ。今回の記事では極端な投手有利の環境が及ぼす悪影響について、過去の事例を振り返りながら論じていきたい。

ここから先は

5,296字 / 2画像

¥ 200

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?