
“投高打低”の代償 NPBで野手は年々稼げなくなっている
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ここ数年、NPBでは投高打低が極まっている。2018年シーズンに4.32点を記録した1試合平均得点は、昨季3.29点にまで低下。これはあの低反発球が使用された2011-12年シーズンに匹敵する水準である。現在のNPBは極端な“投高打低”環境で試合が行われているのだ。得点の少なさを、退屈に感じているファンもいるかもしれない。
ただこうした得点減少はエンタメ性という観点でファンにとっては重要な一方、チームの視点に立つとそこまで重大さを感じにくいかもしれない。確かに得点が入りにくくなると成績に変化は生まれる。しかしそれによってチーム間の力関係に大きな影響が出るわけではないからだ。ボールが飛ぶようになっても飛ばなくなっても、強いチームは強く、弱いチームは弱い。こうしたことからチーム関係者としても、得点環境の変化が死活問題とは感じられないかもしれない。
しかし実はこれは関係者、特に選手にとっては死活問題である。なぜならこれは選手が稼ぐお金に直接響いてくるからだ。
異常な投高打低環境にある現代プロ野球。打者が投手についていけていないわけではない
まず本題に入る前に近年の得点環境についておさらいしておこう。

前述したように昨季の1試合平均得点は3.29得点。2018年には4.32得点だったが、わずか6年で1試合1得点以上減少する事態となった。これは低反発球が使用された2011年、2012年シーズンの3.28、3.26点に匹敵する数字である。
これほど得点が入らないプロ野球は1950年代まで遡ることになる。最も得点が入らなかったのは、1956年の3.18得点。昨季はこの水準に近づいていた。ここ数年のペースでさらに得点が減るようなら、今季はプロ野球の歴史上最も得点が入らないシーズンになるかもしれない。
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