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1.02 Weekly Report Vol.647

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1.DELTAの目線 〜ニールは源田にどれだけ救われていた? ゴロ投手×堅い内野の相乗効果はどれほどか〜

よく「このチームは内野守備が優れているから、ゴロを打たせるタイプの投手が活きやすい」という言説が語られる。内野守備が優れていれば、ゴロがアウトになりやすくなる。であれば、ゴロを多く打たせる投手はよりアウトを奪いやすくなり、失点が減少するのではないか、という論理だ。これ自体は納得がいく話である。

実際、この“ゴロ投手×内野守備の相乗効果”は単なる俗説というわけではなく、セイバーメトリクスを好む人たちの間でも一定の効果があると語られがちな言説だ。しかし、この相乗効果が実際にどれほどのものかわかっている人はあまりいないはずだ。防御率にして1点レベルで変わってくるものなのだろうか。そこで、今回はその効果を検証するために、具体的なデータをもとに計算を試みた。果たしてゴロが多い投手と内野守備の相乗効果はどれほどのものなのだろうか。

とにかくゴロを打たせたニール。とにかくゴロを捌いた源田

近年この「相乗効果」で最も有名になったのは2019年のザック・ニール(元西武)と源田壮亮率いる西武内野陣の組み合わせではないだろうか。当時の彼らがいかに相乗効果を生み出しやすい組み合わせだったかを見ていこう。

まずは源田だ。いまさらここで語るまでもないが、源田の守備力は極めて優れている。近年こそやや衰えが見えはじめているが、当時の源田はまさに全盛期。2019年の源田は1169.1イニングで遊撃の守備につき、UZR20.8を記録した。これは平均的な遊撃手が同じだけ守備についた場合と比べて、20.8点分失点を減らしたことを意味する。これは2位の京田陽太(中日)に約7.8点差をつけ断トツであった。

2019年遊撃UZRランキング
源田(L) 20.8
京田(D) 13.0
中島(F) 12.7
大和(DB) 5.1
田中(C) 1.9

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