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1.02 Weekly Report Vol.644

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1. DELTAの目線 ~西武・外崎修汰コンバートの妥当性を考える~

昨季パ・リーグ最下位に沈んだ西武。オフには西口文也新監督の就任をはじめ、鳥越裕介氏のヘッドコーチ就任、新外国人選手のタイラー・ネビン(前アスレチックス)獲得など、チーム再建に向けた動きが活発化している。特に西口監督がどのような采配を見せるかについて、多くのファンが関心を集めるところだろう。

そんな西口監督は、すでに今季の新たな起用構想をいくつか明らかにしている。そのうちのひとつが、チームの正二塁手・外崎修汰の三塁手へのコンバートだ。

守備位置のコンバートは、チームの戦力を最大限に引き出すため、有効になりうる方策のひとつだ。補強に多額の資金を費やすことなく、既存選手の適性を見極めた起用法を行うことで、チームの勝率を高めるポテンシャルを秘めている。では、外崎の三塁コンバートは西武にとってどのような影響を及ぼすだろうか。この起用は妥当な判断だと言えるのか。チームの選手層や各選手の特徴を振り返りながら考察してみよう。

外崎のコンバートは“単体であればアリ”

まずは外崎のコンバートについて理由を考えてみよう。西口監督は外崎のコンバートについて「大いにある」と言及しながらも、その直接的な理由については明らかにしていない。ただ、これについては外崎の状況からいくつかの推測は可能だ。

もっとも大きな理由として考えられるのは年齢による負担の軽減だ。外崎は現在32歳。長年西武のレギュラーを担ってきた選手だが、ここ数年の成績はゆっくりと下降線を辿っている。

レギュラー定着以降の外崎の成績を見てみよう。外崎のキャリアハイは2019年。この年はwRC+で130、WAR6.1を記録するなど、リーグを代表するレベルのパフォーマンスを見せた。この年に限らずこの前後の年ではWAR3.5を稼いでおり、全盛期にあったと言える。

しかしそこからここ4年ほどはやや成績が低下傾向にあるのは否めない。昨季は127試合に出場するなどまだまだ元気なところを見せたものの、wRC+(リーグの平均的な打者を100とした打撃傑出度)は102と平均クラス。総合評価WARも2.7と、レギュラーに定着した2017年以降では2番目に低い数字を記録した。wRC+130、WAR6.1を記録した2019年のような活躍は期待しづらくなっており、今後も成績の下降は続くことが予想される。二塁はプレーに関わる機会も多く、守備負担も大きいポジションだ。比較的守備機会の少ない三塁にコンバートすることで外崎の負担を減らそうとする起用は、理にかなっているように思える。

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