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記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
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ただただメモリーズオフ〜それから〜を語る

※このnoteにはメモリーズオフそれから及びその他メモリーズオフ作品のネタバレを多く含んでいます。メモリーズオフそれからをプレイ後読むことを推奨します。

また、後日それからをプレイした事がない方に向けてネタバレなしで紹介する記事も作成予定です。やった事がない方はそちらを読んでプレイ後是非見に来てくださいね。

「かけがえのない想いを乗り越えて」
ピース!ワンオタです。上記はMemories Off〜それから〜(以下それから)のキャッチコピーです。
今回もキャッチコピーを基準としてプレイ感想と考察をただただ語っていきたいと思います。プレイ環境はメモリーズオフヒストリアでPS5に4のディスクを読み込ませプレイしています。


共通√

「最初から好きじゃなかったの」この言葉からそれからは始まります。主人公の鷺沢一蹴は卒業間近の高校3年生、付き合っている彼女である陵いのりから別れの言葉を告げられ物語は幕を上げます。

・過去の登場人物

想君と同じように立ち絵が用意され過去のキャラが登場します。2ndからはほたると静流、想君からはカナタとトビーが登場します。立ち絵で登場するキャラはかなり各シナリオで活躍するので見てて全然嫌な気持ちになりませんでしたね。特に想君組はシナリオの核と言ってもいいほどでとてもよかったです。想君の静流と小夜美はマジでなんだったのか。

花祭果凛√

「心を、空白にできたらいいのに」

・出会い

果凛との出会いは一蹴が働くカフェならずやに常連として来る所から始まります。お嬢様かつモデル業もしているので高嶺の花というイメージもありますが、プライベートなのにファンサービスしたりなど人当たりもいいという性格も持ち合わせています。そんな完璧に見えるお嬢様りかりんは同じくモデルであるカナタとバイト仲間であるのんちゃんと知り合いであり、母校が同じということで仲良くなっていきます。

カフェにリムジンで来る超お嬢様キャラですが、気の置ける友人の前では年相応の話言葉であったり態度を取る二重人格のように性格を持っているキャラになります。今までのメモオフではカナタに次ぐ職業モデルキャラですね、音緒を忘れてる?だって音緒はカナタに勝てないと思ってやめちゃったしノーカウントで。まさかこのお嬢様設定が後々大きなキーワードになるのを今はまだ知らない。

・会話を楽しもう!

カフェ編は基本的に日常会話が多いです。挙げるとキリがないですがほたるや静流や信も多く出てきますし、カナタにのんちゃんもいるということで会話に困りませんし、いのりの事を考えているとき以外は基本的に明るいのがカフェ編の特徴かなと思います。バイトをしている時はいのりの事を考えなくていいので時間が解決してくれる、そのような暖かさを感じますね。りかりんクリニックを受診したりみんなで遊園地に行ったりして楽しみましょう!ただちょっとだけ言いたい。ほたる、一蹴にいのりのピアノをやめさせないようにするのちょっと頼みすぎや。あとカナタはいのりをカフェに連れてくるな、お前ショーゴが音緒と一緒にならずや来たらちょっと気まずいやろ。一蹴の気持ちも考えてやってくれ。

・りかりんちゃん防衛隊

いつまでもカフェで日常会話をしていたいですが、りかりんがストーカー被害で困っているという話をのんちゃんから聞いて「りかりんちゃん防衛隊」を結成します。何度か一蹴の部屋でストーカーを待ち伏せますがなかなか現れずジイヤと話をしたり、りかりんと深い話をしてストーカーを待ちます。そして遂にストーカーが来て窓に石を投げられ玄関の前まで来ることになり全員で逃げ、ジイヤによりストーカーは捕まりましたとさ。ストーカーを一緒に撃退したこの一体感や絆を一蹴は友達の繋がりだと考え、大切にしたいと考えるのでした。

ここら辺から一気に物語は進みますね、一蹴が友人としての繋がりであったり絆を大事にしたいというこの想いから進むと思うのでいいイベントだと思います。ジイヤはジイヤなりに考えりかりんの事を想い、りかりんの仕事に対しての姿勢や努力についての考えも知れる部分だと思います。

ヒール履いてたら終わる

・出会いは偶然ではなく必然

ストーカー撃退後、のんちゃんと出かけていると事故の話になります。一蹴が幼いころに事故をした時の車はのんちゃんの父親が運転しており、そこにのんちゃんも乗っていたと。一蹴はのんちゃんが自分をバイトに誘ったのも何か意図があるのではと考え始め、りかりんに相談します。りかりんは母親が施設の出資者であることから事故の存在は知っていたがその被害者が一蹴とのんちゃんであるとは知らないと言います。しかし一蹴は疑心暗鬼になっておりあまり信じられないのでした。

なかなかに厳しいですね。のんちゃんへの罪悪感と友人関係は何か打算があって自分に近づいてきたのではないかと勘繰り、一蹴の心はボロボロです。この後にメンタルをやられた一蹴がストーカー事件の時に感じた一体感を取り戻したいがために2度ほど無理やりお茶会を開くのは見ていて心が痛みますね。いのりに振られてやっと新しい居場所を見つけたのにそれが崩壊しそうになっていますし、仲がよさそうに見えてもそれは表面上でしかない。雅の言葉を借りるなら「この世は全て偽りでできている」と言われてもおかしくないと思います。

・いのりとの別れ

カフェ組にはいのりと縒りを戻すイベントがない代わりにいのりとの別れのイベントがあります。アメリカに行くことになったいのりと海岸で最後の会話をし、いのりにサヨナラを告げ次へ進みます。

ここ本当に好きなんですよね、別れのシーンはとても大切だと私は考えているのですがかなり高得点です。別れるシーンはシリーズで言えば2ndと想君があると思いますがかなり上位に入ってきます。三角関係の女の子を振るのと付き合っている(いた)女の子を振るのではレベルが違いすぎる。

いのりの人は変わっていくという部分も好きですが特に一蹴の気持ちを表した文章が好きです。涙は思い出を想い出に変えるためのスイッチという表現とりかりんとのんちゃんの事を忘れていのりのためだけに泣いたという表現は何にも変えられない素晴らしい文章。いのりと別れるためにしっかり「さよなら」とだけ告げて聞こえもしない飛行機の音を聞いた瞬間に言えなかった過去としての言葉を吐きだすのもいい。いのりは会話の中で居場所を見つけたんだね、以前みたいに問いただす目をしていないと言っていましたが一蹴はまだ踏ん切りがついていないんだと思います、まだこの段階ではりかりん達の事を大切な友人としか思っていないと思う。確かにいのりの言う通り新しい居場所を見つけつつありますがそんな簡単に人は忘れられないですよ、振っている立場なら分からなくもないですが振られた側は忘れてる振りをしてるだけです。でもその振りが結果的にいのりを助けている訳ですから一蹴によく頑張ったと言いたい。短いですが本当に好きなシーン。

・りかりんの気持ち

写真集がなくなったことを励ますためにりかりんがレッスンをしている現場に3人で行くことに。りかりんは努力をしている所を見られたくない、素である自分は誰にも知られたくないと語りますが、カナタの一言により喧嘩をすることに。後日一蹴はりかりんを呼び出し話をするとりかりんは一蹴を好きになってはいけないと語ります。それは戒めで、つばさちゃんと一蹴が抜け出したのを大人にチクったのは私であり、それで事故は起こってしまったと。その時からりかりんは自分の事が嫌いなり、一蹴に酷いことをしたから好きになる資格はないと語ります。

りかりんに家まで送ってもらうとのんちゃんと一蹴の家の前で鉢合わせします。のんちゃんはりかりんと一蹴はお似合いだから一蹴の事が好きというのをやめにするね!と語り、りかりんは同情しているつもりかとブチ切れ殴ります。

カナタの正論がりかりんの心を抉る。まあでもカナタは超超売れっ子モデルだからりかりんとは違う考えを持っていると思いますよ。想君でも映画にドラマにモデルもしてるしそれからでは上記に併せて歌手にもなっている超有名芸能人に比べてりかりんはまだモデルとしては2流で、写真集がなくなったらショックを受けるほど仕事を選ぶような立ち位置になっていないと思います。まあそんなりかりんもいくら高校時代の友達と言えどカナタには劣等感を抱いているのではないでしょうか。カナタはりかりんを下に見ることはないと思うけど一方的にりかりんが思うのは十分ありえる立場だと思います。
話は変わり、これで何故つばさちゃんを外に連れ出した時にバレたのかというのが分かりましたね。嘘つきいいいいいいい、ヨナ・バシュタも鳥になってしまいます。ただこれ告白するタイミングだけで考えると完璧なんですよね、りかりんの異常なまでの努力はここから来ていたと分かりますし一度カフェで相談してきたときにわざわざ一蹴の悩みの種を増やす意味もないですから。というかあそこで真実を話していたら一蹴は引きこもってるはず。

これはのんちゃんが悪いよ、どう考えても。一蹴の事を好きでいることをやめるなら一蹴のみに伝えるべきですし、なんならガチで好きだったのかという考えの方が強い。一蹴やりかりんがどう考え悩んでいるかをのんちゃんは知る由もないですがあまりにも空気読めてなさすぎるし、りかりんが一蹴の事を好きだと分かってやっているならどう考えても自分をバカにしていると思われても仕方ない、のんちゃんの想いは素晴らしいけれどタイミングが悪すぎる。

グーパンじゃないだけマシかも

・りかりんではなく、果凛として

修羅場後、一蹴は居場所が終わってしまうかもしれないことに悩んでいましたがカナタの助言もあり、誰かを傷つけるかもしれないけど前に進むことを決めてりかりんに告白しに行きます。友達としてではなく特別な人として好きだと告白し二人は付き合うことになります。そして一蹴はのんちゃんへのケジメとしてならずやを辞めることに。その後は恋人らしくイチャイチャしたりカナタが昔好きだったけど振った話など聞いて過ごします。

良くも悪くもカナタらしいところが見え、そう思うとカナタはショーゴには弱さを割と見せてたんだなあと思いました。やはり告白はストレートに言うのがいいですね、普通ならこの付き合って終わりなところをそれからは更に山場を用意しているのがとてもいい。あと一蹴もケジメをつけてならずやを辞めるのもいいですし、のんちゃんの回答は100点満点すぎる。付き合ってイチャイチャしてるときはひたすらフラグを立て、いのりの別れの意味を考えさせられるような会話が展開されていきます。果凛√(いのりを添えて)みたいな感じ。

・ジイヤからの忠告

果凛と付き合いイチャイチャし、幸せの真っ只中にいるところへジイヤが部屋に訪問してきます。話の内容はまとめるとお嬢様の邪魔だから別れろということです。お嬢様は立ち止まってしまった、これまでの努力を無駄にさせるつもりか?といい、鵜呑みにしてしまった一蹴は果凛へ別れを切り出します。いのりと同じように「最初から好きじゃなかった」と伝えて。

こいつのことについてはまとめで書きますがとにかく酷い。まず果凛に話を通してから果凛と一蹴が一緒に考えるべきことなのに果凛に無断で言うのは卑怯。果凛は好きな人に素の自分のままでいいと言われ救われたからもう過剰な努力をする必要なんてないんですよ、逆に今までの努力は一蹴にそう言ってもらうためにやっていたみたいなもんです。しかもこいつ過去の話を知っていてこれだから余計にたちが悪い。果凛の人生は果凛に選択させてあげてほしい。

別れの部分は大変素晴らしく、いのりの言葉を使うのがとてもいい。好きだけど別れなくてはいけないという、いのりの追体験をすることでいのりの行動の意味をプレイヤーに考えさせるのが上手だなと思います。果凛√はまだ続きますがここが一番好きな部分ですね、やっぱりいのりから離れることが出来ない。

・オーディションジャック、そして

果凛と別れ、果凛に関する情報は全てシャットアウトしていましたが信に最後を見届けるぐらいしろとノートPCを渡されます。オーディション自体に果凛は出ており、果凛の自己アピールの番になり「好きな人がいます」とオーディションジャックを始めます。嫌いな自分を変えたくて努力をしていたけれど弱い自分も好きだと言ってくれた人がいた、その人のおかげで気負わない努力をすることができるようになり強くなることが出来たと言います。その後お茶会メンバーで会場に行き、ジイヤに謝ってもらって果凛と恋人に戻ることができ、物語は終えます。

ええ話や、一蹴の家にお茶会メンバーが迎えに来るのが特にいい。俺はこういう話が見たかったんやと心の底から思います。この後一蹴が鷺沢家に行って自分の将来について考えるのもいいよね、一蹴も果凛も共に成長できたのが嬉しく思います。

りかりんCGで一番好き

・BADEND

果凛と別れ、葛西陽心のオーディションに出ないとBADENDです。果凛と会わなくなり半年が過ぎたところで雑誌のインタビューを見るとかけがえのない友達が~と葉夜のGOODENDと同じ文章が流れ、また4人で再開できるという少しながらの希望を持たせてくれて終わります。

BADだけど希望を持たせてくれるEND。ここから4人で友達には戻れると思うけど付き合うのは難しいのじゃないかな。カナタは1流モデルでりかりんは2流モデルで終えそう。

・果凛√まとめ

果凛はお嬢様。ゲームの中、プレイヤー側どちらにもそんな印象を持たせてくれるキャラですが実は裏ではめちゃくちゃ努力しており、それは幼少期に一蹴を妬みからチクったことによるトラウマからで、嫌いな自分を変えるためにひたすら努力をしていたという過去を持つ人になります。もはや強迫観念に近いレベルの努力をしていましたが素の自分を好きだと言ってくれた人のおかげで背負わない努力をすることができるようになったという成長がみれるシナリオでした。とても面白いですし、付き合った後に最大の山場があるのが本当にいいですね、付き合った後による行動でいのりの意図をプレイヤー側に考えさせるのは構図としてとても素晴らしいと思います。

個人的に思うのが悪役を演じたのが何故ジイヤだったのかという事です。お嬢様系の付き人は基本的にお嬢様の味方ではないのかという想いが私の中にあります。こういうのって普通は親が言うもんじゃないんですかね?花祭家として名を恥じぬようにしろ!と。あれ?どこかで見たような話ですね、そうです果凛√と雅√って実は話の本筋が似ているんですよね。ただしそれはヒロインが直接言われているか言われていないかで大きな差が出ます。果凛はシナリオでも言っていますが両親ではなくジイヤにしか言われていません、ジイヤの独断ですから。その点雅は違って老害に色々言われて悩み雅自身から駆け落ちをしたいという自主性も見ることが出来るし、いのりと復縁するというイベントもあります。雅√が好きな部分はそこなんですよね、言い方は悪いがどうしても雅√が上位互換に見えてしまう。

そんな果凛√ですが個人的に夜のお茶会グループをもっともっとフル活用すべきだったのではないかと思います。果凛√は友人関係を経て異性としての魅力を感じ付き合うという現実的なシナリオです。雅√との一番の違いはそこで、嫌われていることによる会話ではなく、純粋に友人としての他者の意見があったりと友情が見られることが多くあり、ストーカーに関する部分などで一蹴が言うように一体感や絆が強調されています。ですがシナリオは変わっていくことを強調し修羅場があったりと友情関係は物語が終わるまでは結構崩壊気味です。そうなるともう基本的には一蹴と果凛だけで問題を解決していかなければなりませんしちょっと勿体ないような気がします。ですので私はお茶会メンバーとジイヤで協力してストーカー以外に何かみんなで戦える困難を一蹴と果凛をベースにして果凛を応援して欲しかったと思うのが私の感想です。ほんまなんで敵に回っとんねん、おまえ。

りかりん可愛いよね、シナリオ無しで人としてのみを見るのであればそれからで一番付き合いたいキャラ。私は明るい性格のキャラにかなり弱い、唯笑やかおる然り巴然り静流然り...

藤原雅√

「ようやく、初恋をしたところなんですからね」

・出会い

雅との出会いは教室からです。受験勉強をするわけでもなく自由登校なのに律義に学校に来ている雅を気にするところから始まり、一瞬目が合っただけでジロジロ見てたよな?と言いますし落としたであろう扇子を届けたらそれは捨てたんじゃカスと言われるし団子をもらって美味いといったらこの程度で美味いってロクな物食べてないと言われます。挙句の果てにはお前が学校に来とるのは別れた恋人に未練があるから登校しとるんやろ?とまで言われます。そんな雅ですが薙刀部に所属しており薙刀部を巻き込んで物語は進んでいきます。

普通ならジロジロ見てたよな?以降は話しかけないレベル。一蹴はよく頑張っとるよほんまに。今までのメモオフでここまで冷たい人間いました?詩音や鷹乃や沙子が代表的なツンデレキャラですが・・・そう思うと沙子がいました、あれはヤバいです。まだまともに会話できとるだけ雅のがマシかも知れない。一回この4人で会話してほしい、誰が一番最初に会話を切り出すかな?私の予想だと鷹乃。

・老害登場

ある日学校へ行く際、校門の前で雅が怯えきって体が震えている状態で誰かと会話しているのを発見します。放っておけないと思った一蹴は軽口で声をかけその場から雅を救出します。

ここかなり短いんですが超ターニングポイントなのであげました。ここのいいところは選択肢で雅に「何も訊かない」が正解なところです。一蹴の自分が知られたくないこと、訊かれたくないことはあるから人に訊かないようにしているという人間の良さがにじみ出ていますし雅もそこに惹かれたんだろうなと感じることができるのでとても好きなシーンですね。教室に2人だけというのも最高。

・恋人(仮)

ある日雅は制服を隠され、さよりんと一蹴は一緒に探すことに。雅は手伝わなくていいとキレながら言ってきますがそれでも探すのを手伝うと焼却炉の中にあるのを発見します。同じ薙刀部の木瀬歩がよかったね~と言うと雅は木瀬をぶん殴ります。木瀬達が隠したという証拠はありませんが態度を見ると明らかです。木瀬達はお前はそんなんだから友達も出来ないんだ、友達が欲しくないじゃなくて出来ないの間違いだろ?それに恋人も出来ないだろ?と煽ると雅は恋人ぐらいいる!といい一蹴を指差しこいつが恋人だと言います。全員がびっくりする中一緒に帰り、一蹴は雅のお見合いを断るために卒業までの間偽装の恋人になることになりました。

制服隠されるほど嫌われていますがこれで木瀬達と普段どんな会話をしてるか分かりますね。大前提として雅の日頃の言動自体をいじめていい理由にはなりませんが何を言っても罵り、謝りや礼すら言わないのはそもそも人間としてどうなのか?というのが頭にあります。それに言いたいのは一緒に探してくれているさよりんと一蹴に対する態度は流石にない。さよりん達も一緒に探しますよ(笑)みたいな煽っている訳でもなく真剣に助けたいと思って探しているのに邪険に扱うのはよくないなと思います。まあ制服を探してウロウロしている無様な姿を見せたくないという考えもあると思いますが礼ぐらいは流石に言ったほうがいい、本当に。恋人になる所も雅らしさが出てますね、めちゃくちゃ上から目線。雅って自分のこと可愛いとは思ってそうよね、絶対に口に出さんと思うけど。

・恋人とはこういうものでしょう

恋人(仮)として付き合うことになった二人は恋人らしい事をします。お弁当を作ってきて友達や恋愛について語ります。恋愛に幻想なんて抱くから傷つくし真実の愛なんて存在しない、友情や家族愛もそうで何かしら打算が含まれている、だからこの世の全ては偽りで出来ていると語ります。

お弁当のシーンは雅の考えそのものが聞ける大事な所ですね。自分以外は信じる事が出来ないし人間関係なんて全部偽りだと考えているようです。クリアした今なら言えるんですがめちゃくちゃフラグ立ててますよね。これは雅の成長物語ですからね、最初は何も知らない方がいい。こういうのって幼少期から青年期にかけて形成されていくのだと思うんですが雅は人と喋る経験があまりにも少なかったんじゃないかなと考えます。上記にもあげましたが過去のツンデレキャラの詩音、鷹乃、沙子はみな重い過去を持っていますが雅は持っていなく、どちらかと言うと現在進行形です。人格形成時に避けられないトラウマが発生していないのであればそれはただの教育ミスです、だからどう考えても老害が悪い。あれだけビビるということは教育方針も父母に決定権はなくどうせ老害が決めてると思うのであいつさえしっかりしてくれれば雅もめちゃくちゃ明るいりかりんみたいなお嬢様になってたと思います。

・デートに行きますよ、鷺沢

ある日、一蹴の携帯に電話が入りデートに行くぞと誘われ指定された場所に行くと茶会の場所で着物姿の雅が出てきます。どうやら実家は呉服店で着物をよく着るらしく、着物姿を褒めるとデレます。その後老害に一蹴を紹介しますが老害は不機嫌にオメーの家柄はどこだとか聞いてくるので耐えられなくなり二人で逃げ、その後デートとしてマリンランドに行くことになります。

やっぱ老害。雅もこんなクソ老人なんて薙刀でボコればいいのにな、まあでもこのカップルは老害がいないと成立しないのである意味必要なんですよね。そんなゴミの話は置いといて、ここで好きなのは一蹴が手を握り続けて気持ちが落ち着いたら手を振り払われるとこです。雅は老害をこれでもかという程恐れていますが基本的に孤独なので誰かに慰めてもらう経験はかなり少ないと考えられます。その震える手を握ってあげる一蹴の男気いいし握っている時何も話さないのがいい。師匠への対応は基本的に沈黙、それが正しい答えです。マリンランドは笑った、師匠も楽しそうでなにより。ここからかなり親しくなり普通の会話も出来るし呼び方も名字じゃなく名前呼びに変わりだんだん親しくなっていくので見ていて楽しい。

守りたい、この笑顔

・一蹴、薙刀を覚えなさい

薙刀部恒例の先輩追い出し会にて木瀬のペアと勝負することになったので薙刀を覚えなさいと雅は言い、しかも負けられないと語ります。俺は素人だぞ、無茶言うなと一蹴は言いますが私も最初は素人でしたよと雅は語り薙刀の練習が始まります。指導は厳しく、朝から晩まで練習し怪我を手当して貰ったりしながら練習は続き、ある日雅の門限である時間に間に合わない時間まで練習をしてしまい、更には雪まで降って絶体絶命になります。尋常じゃないレベルで怯える雅に一蹴は簡単に諦めるなんて言うな!といい通りがかったさよりんに自転車を借りますが雅はポンコツなので自転車に乗れませんでした。仕方がないので後ろに雅を乗せ足が痛む中ギリギリ雅を家に送ることができました。

一蹴があまりにもかっこよすぎて薙刀の練習の部分忘れてしまうレベル、師匠は師匠に向いてないでしょ。そんなことはどうでもよくて一蹴の男気ですよ、最高です。助けるのに理由はいらない、一度でいいから俺の事を信じてみろよってこんなん全員惚れるよ。いくら雅が高飛車で性格が悪くても一蹴相手にはデレデレの可愛い女の子に変身ですよ。いのりもこんな男気ある一蹴だから付き合ったんだろうな(告白はいのりから)ちなみに薙刀の試合は負けます。

・ヤバいデート

薙刀のご褒美としてデートに行くことになった一蹴。洋服で登場しゲーセンに行き甘いものを食べに行き展望台に行くというデートをします。展望台で雅は薙刀のご褒美として一蹴のおでこにキスをして、一蹴は偽りの恋愛関係ではなく真実の恋愛関係にしてもいいのではと考えるのでした。

ここね、好きなんですがいかにも雅!という感が出てて当時者の一蹴は散々ですが第三者で見ると笑ってしまうんですよね。まず何故か遅刻をしてきますし、デートの行き場所なんざ殿方が決めるものだろ!と序盤で言われます。そしてゲーセンに行くと仕方ないから占い機やってやるかといい偽りの恋人に最高の評価って所詮機械だなと言い、あんみつを食べに行きいのりと一緒に来たことがあることを知るとキレます。展望台はまあ多分キスするのに緊張してた可愛いポイントだと思うので目をつぶりましょう。本当に雅が出てますね、何喋ってもキレるやん。でもね、嬉しいことも言ってくれますよ。「あなたがよく行くところにいってみたいです」こういう言葉嬉しいですよね、あなたの好きなものに興味があるから教えてほしいと言ってるのと同じですから。もっと一蹴にそういう言葉を言ってあげてくれ。

・恋人関係解消

卒業まで継続する偽りの関係もあと少しになってきたころ、木瀬歩から雅と男が写っている写真が送られてきます。騙されてるから親切に教えてくれたらしい(大嘘)ショックを受けた一蹴は次の日学校を休むのですが心配して雅が家まで来てくれます。そして元カノのエプロンを使い料理をしてくれ、一蹴は雅に告白をしようとするのですが、雅は卒業後に結婚が決まっている許婚がいるから無理、そしてこの関係も終わらせようといい去るのでした。それでも諦めきれず雅の家に行くのですが老害に邪魔され、雅も雅で許婚を愛しているのでと言い、一蹴は諦め家に帰るのでした。

写真を送ってくるまでは普通に会話をしたりしてたのに何故こうなるのか。雅は老害にビビりすぎ、しかも自分で籠の中の鳥と客観的に見れるのにこれですから。一蹴が普通に可哀想ですね、家まで行くのが本当に健気。でも雅の良さというのはここですよね、今までの性格の悪さのお陰で本当に一蹴とは遊びだったのでは?と一蹴には思わせることが出来ますから。プレイヤーには無理でしょ、だってギャルゲーなんだから。

・初恋

雅に振られて数時間後、公園でいのりと扉を見かけ一蹴は「藤原さんとは何もない!」と言いいのりと縒りを戻します。しかしいのりと過ごしていても雅のことが頭から離れません。そんな罪悪感を持つ一蹴の元に雅がやってきて許婚の元から逃げてきたと、この世の全てが偽りであると思っても自分の心に宿る想いは偽ることができない、一蹴のことが好きになってしまったと語ります。そしてこの偽りだらけの世界でたった一つ真実はあるのだと知るのでした。

ワンピースは実在するみたいに言うやん。いのりは一蹴のために嘘をついていたらしいです。これも伏線ですね、まあそれは置いといて。雅の独白がいいんですよね、過去を話して現在も話してその経験からこの世は偽りのものしかないと自分の中で確証があったのに、一蹴と出会ったことによって偽りではなく真実もあるという事を知ったというのがいい、成長ですよ世界を知ったんです。その辺のヒロインが言うのではなく雅が言うから説得力もあるし重みが違う、とてもいいシーンだと思います。

一蹴は二股をかけてしまうことになりますが、この二股は責めることは出来ないと私は考えています。何故なら雅と偽の恋人の時はいのりと別れていたし、いのりと縒りを戻した時は雅との偽の恋人関係が終わった後で何一つ不誠実なことをしてないからです。例えば雅を好きになったけど振られてしまうかもしれないからいのりをキープしていたとかだったらダメだと思いますけど、今の一蹴の状況で責めるのは厳しいのではないでしょうか。むしろ一蹴は二人の女の子を好きになってしまっている最低なやつだと自分で思うくらいなので責めようがないんですよね。全ては雅のタイミングが悪い、一蹴の告白受けてこの時に駆け落ちを提案してればこんなことにはならなかったでしょう。

この状態でいのりの事は流石に言えない

・いのりとの修羅場 

あの後一蹴は同じ日にいのりにデートへ誘われるわ、雅に駆け落ちを打診されるわでパニックになりますが雅の駆け落ちは夜なのでとりあえずいのりのデートに行くと雅と鉢合わせ修羅場が始まります。雅は泣きそうになりながら「あれは真実ではなかったですか?」と一蹴を問い詰め何も言えない一蹴の代わりにいのりが「やめて!一蹴を苦しめないで」と庇うのでした。雅は泣きながらその場を後にし一蹴といのりは教会へ行きます。

気まずすぎるだろ、これ雅といのりって会話したの初めてですよね。そこに老害もいるという最悪な状況。でもいのりも頑張って雅を攻撃するんですよ、本当は大人しくて自己主張をあんまりしないのに一蹴を取られたくないから仕方なく雅を傷つける言葉をかけます。雅も一蹴の罪悪感を駆り立てるためにあの夜の話をしますし現場はグチャグチャ。一蹴そのうち泣いてしまうやろ、というかなんか喋ってくれ。

・いのりとの別れ、そして

教会でいのりは語ります。またここで一緒にお弁当を食べたい、またここで修復作業をしたいと。そして一蹴はいのりと別れ雅の事が好きだと決断します。いのりの最後のわがままで抱きしめ合い、さよならを告げて雅の元へ向かい、駅で雅に会うことはできましたが雅の様子は昔出会った頃に戻っていました。「この世界はやはり、偽りに満ちている」雅はそう言い去ろうするところをいのりと別れてきたと一蹴は言いますが雅は信じようとせず卒業式まで会えなくなってしまいます。

ここは縁√の時の別れより悲しい気がしますね。やっぱり教会は卑怯よ、いのりと一蹴の想い出が詰まりすぎてる。告白をして付き合いを始めた想い出の場所で別れるってそんなこと・・・って感じです。いのりはやっぱり一蹴が好きなんですよ、一蹴が好きだからこそ別れたくないと駄々をこねず一蹴を見送るんです。この後一人で家に帰るいのりの事を考えたらもう何も言えない、もうピアノを弾く意味もないですし、鼻もつまめないし、料理を作ってあげることもできない。これ雅√だよね?

・卒業式

卒業式当日、答辞を言うために壇上へ上がり話始める雅。答辞が終わった瞬間、一蹴は壇上へあがり雅へ「雅が好きなんだ、信じてほしい、オレは君を愛してる」と伝え卒業式を抜け出し本当の恋人になり、物語は終えます。

浜咲の伝説がまたここに誕生しました。完璧に2ndのほたると一緒ですがいい物は何回やっても感動するもんですね。ただこれ卒業式なんでいのりもいるんですよね、いのりどんな気持ちでこれ見てるの?頼むからアメリカに行くか体調不良で休んでてくれ。こんなの見たら絶対ひきこもりになるよ。

やっぱ卒業式っていいよね

・NORMAL END

一蹴が教会で雅ではなくいのりが好きだと言ってしまうとNORMAL ENDになります。一蹴は本当に好きなのはいのりだということに気づき、いのりの元に戻ってくるのを約束し雅に謝りに行きますが約束をした浜崎駅にも現れず家に行っても会えずいのりのピアノ発表会に行くことになり、そこで雅から手紙を貰うことになります。そこには一蹴への感謝が記されており私は自由になるとのことでした。数年後成人式の日にいのりの元へ振袖が一蹴の名前で届きます。一蹴はそんな覚えがないのですが振袖をよく見ると雅が話していたデザインと同じで、どこかで着物デザイナーをしているのだと考えるのでした。

いいEDだと思います。雅はこの世界は偽りだけではないと知ることができ失恋も経験することもでき藤原家から脱出することもできたのでいいと思います。そりゃ一蹴と結ばれるのが一番ですが一蹴の気持ちはいのりに行ってしまっているので仕方ない。手紙の内容はかなりよく、出会った当初からは考えられない程綺麗な文章で一蹴の事をしっかりと想っているというのが伝わってきます。可愛い子には旅をさせよという言葉がよく似合うEDだと思いますね、老害の教育は全否定です私は。

・BAD END

一蹴が教会で雅が好きだともいのりが好きだとも言えずに決断できないと言ってしまうとBAD ENDになります。NORMALとは違い卒業式でやっと会うことができました。答辞を言う雅を見ていると雅は「希望抱かなければ絶望を感じることもなかった」と言い途中で式から逃げてしまいます。一蹴は後を追いますが話すことはできずそのままになり、物語は1年後へ。街を歩いていると偶然配偶者と歩く雅を見つけ声をかけますが完璧に無視され物語は終えます。

何事においてもそうですが大切な場面で決断できないというのはやっぱりダメですね。卒業式の時に雅を追ってしまったため、いのりとは付き合ってはいますがギクシャクした関係というのもリアル。雅はこれから先の人生を、この世の全ては偽りであるという嫌な成功体験を元に生きていくと思うと悲しいですね。

・雅√まとめ

完璧です、これでメインヒロインになれないのかというレベル。ツンデレというかツンツンツンデレと言っても過言ではないヒロインでありこの世の全ての人間関係は偽りであると考えている捻くれた思考の持ち主です。ですが一蹴と仮の恋人の期間を過ごしだんだんと真実の愛という物はあるのだと気づく雅の成長ストーリーですね。山場も多く、無駄なシーンがかなり少ないのでやめるタイミングをいつも見失っていたのがいい想い出です。特に薙刀の帰りに自転車で雅を家まで送るところからは本当に面白い、上げて落とされいのりも参入して心はズタボロです。

そもそも何故雅がこんな捻くれた思考を持ち、自己中心的かつ人の気持ちを考えずにズバズバ意見を言うのかというと老害の教育が原因です。雅ははっきり言えば悪い意味で子供であり、高校3年生時には形成されているはずの人を想いやる気持ちであったり協調性は皆無です。普通は幼少期から対人関係の失敗を経て人との付き合い方を学んでいくのだと思いますが雅はおそらく老害の教育であまり人と話す機会がなくひたすら勉強と稽古をしていたと考えられます。それが原因で対人関係での経験が少ないまま大人になってしまったので、これを言ったら傷つくかな?怒るかな?というライン(人の気持ち)が分からず言ってしまうのだと考えます。そのため雅が精神的に子どもだと暗示するものとしてお弁当が子どもが好きな物ばかり入っていたりメリーゴーランドで一番の笑顔を見せているのではないでしょうか。

あと思ったことで雅は2ndの良いところを全部詰め込んであると個人的に思います。ほたるのように大胆な告白をするという大きな見せ場はありますし静流のように成長の物語でもあります。またいのりと復縁し二股になりますし、何より家庭環境がつばめに似ているというのもあります。そう考えると雅は2ndの良いところ取りであり、1本のゲームの面白いところを1つのシナリオにまとめたらそりゃ面白いよねというシナリオだと感じました。ただ唯一過去の話がかなり少なかったかなと感じます。駆け落ち提案した時の生贄の話だけかな、ここは実際回想で見たかったんですよね。老害へのビビり具合であったりだとか、許婚との会話が見たかったなと思います。それ抜きでもめちゃくちゃ面白いので全然いいんですけどね。
自分の好きな2ndの良いところばかり詰め込んである、だから私は雅√が好きなんですよね。

野乃原葉夜√

「これからは私のこと葉夜って呼んでね」

・始まり

のんちゃんとの始まりはバイト先の先輩という関係が出来上がっているところから始まります。基本的にはりかりんと同じようにカフェでの日常会話が多く、りかりんやカナタとのやり取りを見てみたりのんちゃんワールドを考察してみたり秘密サークルを楽しみましょう。りかりんちゃん防衛隊の時にもあるバスルームに寝ぼけたのんちゃんが入ってきて胸の傷を見るところから大きく話は進み始めます。

・のんちゃんの深夜徘徊

ストーカーを撃退後、のんちゃんが気になってくる一蹴はのんちゃんがバイト後にどこへ急いで行っているのか気になるようになります。なかなか行く場所を教えてくれないのんちゃんですが半ば無理やりついていき病院の前で父親を待っていると知ることになります。こんな深夜に女の子がひとりでいたら危ないと考えた一蹴は、のんちゃんへの罪滅ぼしもかねて一緒に待つのを手伝うと決めたのでした。

プレイ済みの状態でここをするとこんなにも辛いのか。一蹴が「一緒に待つよ」と言った時の葉夜の気持ちはどんな気持ちだったのか。黒い気持ちが湧きだしそうだけど抑えていることを考えると胸が痛い。

・物語は核心へ進む

りかりんとの修羅場の後のんちゃんの元へ一蹴は行きます。のんちゃんは「みんなが幸せでニコニコ笑ってほしい、ピースなんだよ」と言いますがそのためにのんちゃんの笑顔がなくなったら意味がないと一蹴は言い、告白をして結ばれます。その後付き合った二人は相変わらずお父さんを待ち続けますがどうもおかしいと思った一蹴はのんちゃんに内緒でこっそりと病院へお父さんに会いに行くことを決めます。

これどういう気持ちで告白を受けているんでしょうか、本当にお父さんの代わりと一蹴を見ているのかまだ出てきてないけど黒い気持ちを持ってはいけないからとりあえずOKしてるのか。一度プレイしてから見直しても分からない、内心ではどう思っているのか本当に知りたい。病院に行くところは・・・まあここから地獄は始まりますよね。

・現実として

一蹴は病院に行き野乃原先生に会わせてくださいと伝えますが亡くなっていないと伝えられ、家に行くと母親が出てきて全てを知ることになります。お父さんはあの事故で亡くなっていてのんちゃんはそれを認めようとせず、いつか帰ってくると思い込んでいる、母親が何を言っても聞こうとしないと知ります。母親に連れられ秘密基地に入ると、そこにはお父さんに宛てた手紙であったりお父さんとの想い出の品がたくさんありました。手紙には一蹴と出会った時の事がかかれており、事故の人だと知りつつ声をかけ、父親と約束をした黒い気持ちを持たないようにするというのを守るためだったと分かります。

いきなり激重にならないでくれ頼むから、なんとなく分かっていたけどね。母親もだいぶ疲れている所を見ると大変なんだなというのが凄く伝わりますね、そりゃ父親が亡くなったのは受け入れないし家でのんちゃんワールドを毎日聞かされたらそうなってしまうよね。そんな感じで気分が落ちている所に手紙のシーンが来るのですがここが本当にキツイ。葉夜は父親が亡くなった原因が一蹴であることを知って声をかけてきてかつ、黒い気持ちを持ってはいけないと約束したからニコニコで接しているという事実を知ったらゾッとした。いつ後ろから「一蹴君」って呼ばれるかとビクビクしてたし言われたら多分チビってたと思う。

・のんちゃんのためにできること

のんちゃんの秘密基地を見た一蹴は、のんちゃんに前へ進んでもらうには黒い気持ちを持って貰い自分が憎まれるようにしなければならないと考えます。そのために秘密基地にある想い出を全て燃やすと決意し母親に了承を得てカナタに手伝ってもらいます。

エグすぎる、こんなに人の心をズタボロにしていいのか。迫真のCGも相まって本当に心が痛いし進まなくていい!というのんちゃんの叫びも辛い。実際過去に縋って現実を無視して生きていくのと無理矢理現実を見せて生きていってもらうのってどっちが幸せなんですかね?そりゃ私も含め他人からすれば現実は見た方がいいと軽く言えますけどのんちゃんはかなり重症ですよ。その後の黒い気持ちを吐くのんちゃんも見るの辛い。

これ見てカナタはどんな気持ちしてるのか

・秘密はもうない

物語はのんちゃんの想い出を燃やしてから半年が経ちます。あの後引っ越しをした一蹴は家で一人自分の誕生日を祝っていると誰か訪問者が訪れます。それはのんちゃんでカナタにも住所を教えてないのに自力で一蹴の住処を探し当てたとのことです。嬉しさと同時に罪悪感が出てくる一蹴は「オレは、のんちゃんと一緒にいていいの?」と尋ねます。そうするとのんちゃんは「これからは私のこと葉夜って呼んでね」と言い過去は想い出になり二人は再度結ばれるのでした。

のんちゃん呼びから葉夜呼びに変わるということで間接的に過去を乗り越える事が出来たのだと分かるのがいいですね。実は私は最後の最後にどんでん返しで一蹴がやられてしまうと思っていたのですが杞憂に終わってほんとによかったなと思います。あと何気に最後の最後はりかりんで締めるのが面白い。確かに喧嘩したまんまやったね。

メガネない方が可愛いやん

・NORMAL END

カフェで果凛√を進めつつ最後に葉夜を選択するとNORMALENDに行きます。葉夜と付き合うことにはなりますが肝心な部分には踏み込むことはできずに鷺沢一蹴ではなく葉夜の父親の代わりとして過ごしていくことを選び物語は終えます。

これ普通に葉夜的にはBADENDじゃないのかな。結局過去に囚われたまま何も前に進めずにいるだけで現状維持。父親の代わりになったと言っても病院の外で待つのには変わりなし。付き合っていると言っていいか分からんけど付き合えとるから一応BADではないのか

・BADEND

相談する相手をカナタではなく信に相談をするとBADENDになります。葉夜は一蹴を許すことができず、一蹴を恨み続けることで物語は終えます。

これ結局信を選んでも繋がらずカナタに頼むことになるんですよね....個人的にはまだマシな終わり方やし一蹴も望んどる気がする。

・葉夜√まとめ

重過ぎる。葉夜√は基本的にりかりんと話が被りまくっているのですが最後の最後で超激重なシナリオになるという特性を持ってますね、プレイ後に一番最初に思ったのは前半はのんちゃんワールドで頭を使い、後半は憎悪や想いが濃厚すぎて胃もたれする1時間だったということでした。めちゃくちゃ恨んでいるのにニコニコ接してくるのはちょっと怖い。

りかりんの時と同じですが、愛するが故に自分が悪者になるといういのりの追体験が出来るシナリオになります。りかりんは正直ジイヤが戦犯なんで口に出した言葉で言えばりかりんですが、想いで一番いのりの気持ちに近いのは葉夜√になると思います。ただいのりと想いが一緒であり悪者になると言っても荒治療にも程があると思いましたね、これで自◯したり一蹴を◯害しに来てもおかしくないですし、受け止めて前向きに生きていけるのは奇跡に近くないですか?いのりが一蹴に別れるという行動すらせずいきなりアメリカ行くレベルでしょこれ。

そんないのりと同じような行動を取った一蹴は何も言わずに引っ越しひっそりと暮らすのですが本当に偉い、後述するのですがいのりと一蹴ってやっぱ似てるんですよね。誕生日の日に一蹴の部屋を突き止めて葉夜が来るのですが、私はここで一蹴はやられるのではないかとビクビクしてました。葉夜と呼んでほしいという事で父親が亡くなったのを受け止めて前に進めたのだと思いますが、あの後どのような事があったのかカナタなどから教えて欲しかったなと思います。物語的には思い出す必要はないですがプレイヤーとしてはあの後葉夜はどんな気持ちで前向きに乗り越える事が出来たのか見てみたかったなというのが唯一の懸念点ですね、まあ幸せならOKです。

鷺沢縁√

「手....ゼッタイに離さないでね?」

・始まり

縁は一蹴の血が繋がっていない妹になり、その事実を知っているのは一蹴と鷺沢両親のみになります。いのりに振られた一蹴を励まし、もう他の女にお兄ちゃんを任せられないという理由で縁は妹として一蹴を励ますところから物語は始まります。

なんていい子。改めて見ると共通√での縁ってギャグ要素が多めなんですよね、その割にBGMがエグいぐらいに切ない。ただこれ一蹴が縁の気持ちに気づいているから本気にさせないようにわざとギャグ路線に導いていると思いますけどね、一蹴も一蹴で鷺沢の両親に気を使うと思いますし妹として大事にしているというのは本当だと思うので。また縁も縁でおそらく一蹴さえ幸せならそれでいいんだと思います。最初から叶わぬ恋だと理解していますしいのりと一蹴のことも本気で応援していたんだと思うとなんて切ないのでしょうか。

・妹の告白タイム

縁が同級生のイケメンに告白され断る所を見てしまった一蹴。縁が断った理由としては好きな人がいるからと言い、その人はときどきいじわるだが優しくてカッコよくて縁をグングン引っ張ってくれる人だそうです。一蹴に見られていた事を知り恥ずかしがる縁ですが結構告白されるみたいです。ただ縁は一途なので好きな人は振り向いてくれないけどずっと好きでいると決めたので告白は全て断っていると語るのでした。

縁√前半に言えることなんですが基本的に一蹴の事が好きだと匂わせる会話がめちゃくちゃ多いんですよね。匂わせ会話と言えば2ndの巴とイナケンの友達として過ごしているけれど異性としてめちゃくちゃ見てみますよみたいな匂わせ会話があると思うのですがあんなの比べ物にならないです。あの人達はもうお互いの答えが決まってる状態なのに匂わせ会話しますからね、縁と一蹴は縁の一方的な匂わせなんで少し違うと思います。

・初めてのデートと過去

縁とデートに行くことになった一蹴、マリンランドに行ってもゲーセンに行っても最終的には星恋の丘に行きます。さよりんから聞いた星恋の丘の伝説を話し、話の流れは縁の好きな人の話になります。縁には好きな人がいて、その人が自分のことを好きになってくれるなら全てを失ってもいいと一蹴を見つめながら語り、くふふ〜♪縁がしてるのは許されない恋なんだと言いその恋が叶うように流れ星を見にきたと言います。

その後一蹴のコートに入りながら過去の話をします。一蹴と縁は昔鷺沢父に連れられ祭りに来ていたが父と逸れてしまい、縁は泣いていました。一蹴は星恋の丘で錠前を買い、自分達の名前を書いて絶対に手を離さないと約束し縁は元気になりました。縁が大切な宝物として持っていた鍵はその時の錠前の鍵だと言うのでした。

とてもいい、物語が一気に進んだ気がします。星恋の丘での言葉はもう告白だと思いますけどね、ただ名前を出してないのでどれだけでも言い逃れが出来る訳ですがこれを告白と捉えない男はいないと思います。一蹴の行動を見て思うんですが異性として好意があるからコートの中に入れって言ったんですかね?普通ならコートを貸すぐらいじゃない?コートの中に入れたせいで雰囲気も相まってキスしそうな流れになってるし。そう思うと縁って最初から最後まで覚悟決まってるよね。

ここでキスすれば物語は終わる

・縁の部屋で

ある日バイトをしている一蹴の元に泣きながら電話をしてきた縁、心配になり鷺沢家に行くと飼い猫のメリッサが自転車に轢かれてしまったとのこと。すぐ動物病院に連れて行きメリッサは無事だったのですが動物が大好きな縁は動揺を隠せず、それを心配した一蹴は実家で一泊していくことになります。流石に一緒の部屋で寝るのはよくないと考えた一蹴は自室で寝ようとしますが縁は自分が眠るまででいいから一緒の布団で寝てほしいと伝え一蹴はそれに応えます。そして遂に縁は一蹴を兄としてではなく異性として好きだと伝えるのでした。

何も言えねえ、あまりにも良すぎる。ここのシーン好きすぎるんですよね、縁の気持ちを考えたら心が痛い。よく告白の表現として、友人関係から告白をしてしまったら友人関係が終わってしまうから出来ないなどがあると思いますがそれの比にならないほど重いし覚悟が違う。ただただ縁は自分の一蹴への想いが抑えきれなかったんですよね、それは自分が困っている時に助けてくれたという一蹴の事を好きになった過去の経験と今回メリッサを助けてくれた事がリンクしたからだと思います。想いを抑えきれなくて今まで匂わせて星恋の丘でははっきりと言えずに言葉としては濁していた告白を、今度はしっかりと名指しの言葉として伝えるのは見ていて切ないです。

言葉として出してしまった以上後戻りは出来ないけどキスという行動をしてしまえば兄妹としてのラインを超えて禁忌を犯すことになってしまうため、せめてもの愛情表現として指にキスをするという行為が切なさを爆発させています。縁も分かってるんですよ、口へキスをしてしまえば全てが終わってしまうことぐらい。ただ想いを伝え指にキスまでだったらギリ許される、一蹴と縁の二人の秘密として次の日から仲のいい兄妹として戻ることは可能なギリギリなラインを攻めたなと思います。

大変素晴らしいです、感情表現の限界だと個人的に思いますし心が揺さぶられ抉られますしほんとに何も言えない。しかも縁の部屋の出来事って文章量が別に多い訳ではないんですよね、短いのに内容が濃いから短時間で頭と心を破壊してくる。ただただいい。あとここに選択肢がないのも本当にいい、邪魔なんかしないでくれ頼むから。ここの世界は縁と一蹴だけのものであってほしい。

言葉はいらない

・いのりとの修羅場1

ある日ほたるからいつも通りいのりがピアノを辞めるのを説得してくれと頼まれ、その際にいのりの忘れ物として別れる前に渡した第二ボタンを渡されます。一蹴はまだいのりは自分のことが好きだと考え、その予感は的中しいのりと縒りを戻します。

縒りを戻し、一蹴の部屋で料理をしながらイチャつく2人の元に合鍵で縁が入ってきます。縁はどうして...?と言い、いのりは私たち元に戻ることが出来たの!と嬉しそうに話します。硬直する縁にいのりは「(彼女として)不合格かな?」と言いますが縁は「ゆかりは不合格にもなれない、失格だもん」と言い逃げ出してしまいます。一蹴は追いかけ追いつきますが、縁はあの夜気持ちが通じ合ったと思ったあの出来事はただのうぬぼれだったのか?と問いかけ「いつか離すつもりなら、手なんか握らないでよ」と言い泣きじゃくる縁を家に送り届けるのでした。

こんな修羅場1なんて書かせないでくれ、ただでさえ心が痛いのに。これ何が辛いかっていのりに悪意は全くなくて、たんたんと事実を伝えるだけで縁が傷つくことなんですよね。いのりは一蹴と縁が血の繋がっていない兄妹なんて知る由もないですし、鍵を返して欲しいというのも別に変な話ではない。縁はいのりに鍵を返す訳ですが、この鍵を渡すという行為は錠前の鍵とかけてあると思います。錠前の鍵は兄妹としての絆で一蹴の部屋の鍵は恋人としての絆と読めるのでないでしょうか。

「いつか離すつもりなら手なんて握らないでよ」
この台詞は正しさしかありません。縁の覚悟を甘く見て縁の告白は普通の告白とは違うという事を理解できていなかった一蹴が悪いです。基本的に私は一蹴の事が大好きな人間ですが流石にこれは一蹴が悪いし一蹴だけ血が繋がっていないと知っているのはアンフェアな気がします。じゃあ一蹴が俺たち血が繋がっていない兄妹なんだ!と言えばよかったのか?というとそれは私は違うと思うし絶対に言ってはいけないと思います。それを言うのは鷺沢両親の役目であって一蹴が言うべきことではない。難しいけどもっと縁の立場に立って欲しいですね。

・真実を知った縁

修羅場の後、傷つけてしまうため縁との連絡を完全に断とうとしますがメリッサの容体がおかしいという事で仕方なく縁と会います。しかしこれは縁が一蹴に会いたいがために無意識にメリッサを傷つけていたということが分かり、一蹴への想いが大きすぎたため精神疾患にかかってしまいます。

後日、雪の降る寒い日に縁は行方不明になり探しにいくと星恋の丘にいるのを発見します。縁はトビーに一蹴と本当の兄妹ではないと教えてもらったそうで、兄妹としての絆である錠前を外し兄妹である事をやめて1人の女の子として一蹴と接する事を決めました。

メリッサの一大事なら助けに来てくれるという僅かな成功体験に縋るのは見ていてキツい、しかも動物が大好きだという描写をしまくってからのこれはメンタルやられる。というかこんな悲しい名前呼びイベント今後ないでしょ、雅ですらもうちょいイチャイチャしとるぞ。

・いのりとの修羅場2

数日後、アパートの前で修羅場が始まります。縁は「いのり先輩、一蹴さんと別れてもらえませんか?」と言い泣きながら一蹴への想いを爆発させます。いのりも負けておらず「わたしはあの頃から、ずっと誰よりも一蹴の事が好きだよ!」と言い最終決定権は一蹴に託されました。最終的に一蹴は縁を選び絶対に手を離さないと誓って縁と結ばれるのでした。帰宅すると手紙が置いてあり、いのりは最後にピアノの演奏会を見に来てほしいと伝えます。2人はいのりの演奏会見に行き、その後再度星恋の丘に恋人として錠前を付け、流れ星を見て物語は終わります。

修羅場2ということで1ではいのりのサンドバッグになっていた縁ですが、今回はしっかりと反撃をしていのりを傷つけ別れさせるために喋っています。2ndの巴でもそうなんですが、女性達が主人公を得るために争っている時は何も口出し出来ないものなんですよね。イナケンは口出ししようとしたらほたるに黙ってろ!と言われますし。一蹴も自分のために争わないでくれ!やめてくれ!と心の中では思っていますが口に出すのは決断する時のみですからね。話は変わりますが、ここでいのりの伏線が仕込まれていますね。あの頃っていつからだよって話ですよ、まあでももう一蹴は知る由もないですし知る意味もないですから。

最後のいのりの演奏会本当に好きなんですよね。「2年半の想い出を整理するから」という一蹴のセリフもいいですし縁の「ゆかりはずっとずっと待ってたんだもん」というセリフもいいし、「さようなら、いのり」で締まるのも好き

しっかりといのりの演奏会見に行くのがいい

・NORMAL END

最後にいのりを選び、卒業式に縁が学校に来るとNORMAL ENDになります。今まで妹だから恋人になれなかったが血がつながっていないという事実が分かって、妹にも恋人にもなれないのなら生きている意味などないと一蹴から卒業すると言い自〇を図ります。一蹴はギリギリ縁を助けることができ、恋人にはなれないがずっとお前は俺の妹だと伝え改めて兄妹に戻ることが出来ました。1年後、縁は元気になり、一蹴といのりは付き合っていますが縁は「お兄ちゃんを少しでも不幸にしたら縁が取っちゃうから!」と兄妹かつライバルポジションに落ち着きみんな仲良く過ごすのでした。

縁の気持ちを考えずに言うならば正直なところこれが一番幸せです。詳しくはまとめで書きますが一蹴と縁が進もうとしている道は本当に地獄だと思いますし、それならば兄妹として一緒にいる方がいいと思います。この2人はトビーから血が繋がっていないと言われず鷺沢両親から伝えた場合どのような結末を迎えるのでしょうか。やっぱり縁は想いを伝えてしまうのか気になる所ではありますね。

・BAD END

最後にいのりを選び、卒業式に縁が学校に来ないとBAD ENDになります。卒業式の時に一蹴の元に縁から「一蹴さん、助けて」とメールが届き、場所は病院に移ります。縁は一蹴の事を考えすぎるがあまり精神疾患が悪化してしまい、文字通り一蹴無しでは生きていくことが困難な状態になってしまいます。一蹴はいのりと別れ縁のためだけに生きていくことを決め、物語は終わります。

全員が不幸になるEDですね。縁は一蹴を手に入れることはできましたが病気になってまでも欲しくはないと思うのが普通ではないでしょうか。というか一蹴が原因で一蹴を手に入れることが出来ないから発病していた精神疾患なのに一蹴を手に入れても治らないところを見るといのりと縒りを戻して追いかけなかったのが本当にトラウマになっているんだと思います。これから先一蹴が縁の側にずっといると言ったとしても信じてもらうことはないでしょうね、ただ縁が好きだから横にいるだけの存在。葉夜のNORMALに似ていると思う。

縁√まとめ

ただただ切ない、こんなにも切ない物語があっていいのか。血の繋がった兄妹ではないがその事実を知っているのが途中まで一蹴だけというのが良いですよね。個人的にですが縁はいのりよりもハードな恋愛をしていると思ってます。いのりは一蹴の事を想い、10年程真実を隠していたのですが普通に恋愛自体は出来ます。縁は近親だと思い込んでいるのでそもそも好きという感情すら抱いてはいけないという縛りがある時点でいのりよりハードです。片想いをしているという事すらも話せませんし告白なんてしようものなら終わりです。親友のさよりんや鷺沢父との会話にもありましたがブラコンと呼ばれていることやさよりんが言う兄が好きというのと縁が言う兄が好きというのは違うと言われていたりなど否定的な描写が多いです。いのりの時とは大違いであのほたるでも一蹴君と縁ちゃんならラブラブパワーで乗り越えられるよ!なんて流石に言わない気がする。それだけ周りから見たら常識的ではない変な関係という事が分かります。だが、それがいい。2ndの巴や静流とは違うロミオとジュリエット効果ですね、物凄く盛り上がり釘付けになってしまうシナリオでした。

雅と縁。どちらも一蹴がいのりと縒りを戻して恋人関係に戻り修羅場が起こるというイベントが用意されています。雅√で先述しましたが、雅√で一蹴がいのりと縒りを戻すことに関して一蹴を責める事は出来ないと私は書きましたが、縁√に関しては一蹴が悪いと思います。縁の覚悟を甘く見すぎていると私は思いますね。メリッサが自転車に轢かれた後の自室で縁は禁忌を侵して一蹴に想いを伝えます。ここで選択肢はなく一蹴は縁の気持ちに応えますが応えたらその時点で終わりだろと私は思います。いつか放すつもりなら手なんか握らないでよと私も言いたい。だから一蹴は縁の気持ちに応えるという行為を甘く見てると考えており、それは割と序盤から妹としてではなく女の子として見てしまっているからですね。逆に言えば縁の気持ちは本物です、兄を好きになってしまってはいけないという葛藤は充分描かれていますし。

一蹴と縁は物語の後大きな困難がたくさんあるでしょうね。私は以前2ndの静流√でこれから先地獄だぞと書きましたがそれより地獄がこの先2人を待っているでしょう。静流はまだほたるに幸せになってほしいと口先だけでも言ってもらえていますが一蹴と縁はどうでしょうか、まず鷺沢両親の説得から始まると思いますがまず反対されるでしょう。血は繋がっていませんが世間体で見ると兄妹という一番大きな壁は勿論ありますし、一蹴は18歳ですが縁は17歳でまだ高校在学中かつ一蹴はフリーターです。これですんなり許していたらなかなかヤバい気がする。最終手段としては駆け落ちがあると思いますが、一蹴は出来る子なんで真っ先に駆け落ちなんて考えずまず就職して何度も説得をしに鷺沢家に向かうでしょうね。そしてどうしようもなくなったら駆け落ちするんじゃないでしょうか。また鷺沢両親に許してもらったとしてもこの場所ではもう住めないでしょうね、「あの2人兄妹で付き合っているらしいよ」と噂がめちゃくちゃ広がると思いますし引っ越しは必須だと思います。それぐらいの恋愛をしてるんですよ、この二人は。誰からも祝福されず今まで積み上げてきた人間関係を全て壊してもなお手を離さないと決めたんです。

散々色んなことを言いましたが私はこの2人はどんな困難でも乗り越えられ、誰も祝福しなくても星恋の丘で再度錠前を取り付けた時の気持ちは本物であると信じています。私は流れ星と一緒に2人の幸せを祈っています。

陵いのり√

「雨は、本当にあがったんだね」

・別れ、そして飛田扉

いのり√は別れてから物語が始まり、trueがあるのがいのり√の特徴ですので卒業するまではひたすら伏線貼りになります。想い出に浸ったり未練があって学校内で会いに行ったりほたるにピアノの説得を頼まれ話をしたりなど一蹴が積極的にいのりへ絡みます。ただ大事なのは扉といのり、扉と一蹴がしている会話の内容であり一蹴はいのりが扉の事を好きになったから別れたと解釈しているのが問題です。扉は一蹴が犯した罪を認識させるため言いたくてしょうがないのですがいのりがそれを止めるなど何かしらあったというのがプレイヤーに伝わります。とにかく伏線です、いのりの学園編にギャルゲー要素なんて皆無。

・ソオチンニャン人形

メモオフ2ndでも出てきたソオチンニャン人形はそれからでも大活躍をします。実はほたるのソオチンニャン人形はいのりから教えてもらったという情報も今回で分かります。学園編では大事な伏線の1つであり、いのりは何かあるごとにソオチンニャン人形にお願いをしたからと言いますがこれは一蹴が始まりだと思うと泣けてくる。一蹴が作ってきたソオチンニャン人形が雨をあがらせたのを実体験しているいのりは病室のあの日から言い伝えを信じている訳ですね。

・学園編の終わり

ある日、カナタからいのりが日曜日なのに学校の近くで制服を着て歩いていたという情報を聞き学校に向かい、音楽室へ行くといのりがいたので一蹴は想いを爆発させます。ピアノを弾きたいなら弾けばいい、俺はいのりがずっと辛そうな顔をしているのを見てられない。長い付き合いだから分かる、お前はピアノを聴かせたいヤツがいるんだろ?俺が応援してやるから弾いてくれ、笑ってくれと伝えコンクールまで一緒に練習をすることに。コンクールの日、いのりは課題曲とは違う曲を演奏し怒られますがもう悔いはない話します。そして卒業式になり俺たちは友達だということで学園編は終わりを迎えます。

日曜日の時のいのりはこれどんな気持ちで一蹴の言葉を聞いてるの?全部お前のためだよって言いたいけど言えないというのが可哀想。いや、可哀想という言葉はおかしいか、いのりが決めたことなんでねこれで可哀想だったらいのりの覚悟がなさすぎる。そんな一蹴の言葉に鬱憤が溜まったのかいのりは課題曲とは違う曲を弾くのですが、これは自分の中の感情を爆発させたくてただただピアノが弾きたかったのではないでしょうか?一蹴に聴かせるわけでもなく自分の感情を発散して何も考えたくなかったからとても難しい曲を選んだのだと考えます。場面は変わりますが卒業式本当に好きなんですよね、他の√にはなかったいのりとの想い出がマシマシで哀愁漂うから好き。With memoriesが流れる中裏で雅が答辞の音声が流れているのもいいよね。

本番はここから

・いのりの葛藤

Trueに行く前にどうしても書きたかったので書きます。いのりは一蹴に真実を知らず生きていってほしいと願い、その想いから扉の脅迫に屈して別れるという選択肢を選んだわけですが、あまりにも一蹴へ気を向けすぎていると思います。大前提としていのりは一蹴の事が好きなので別れる理由なんてないため無理して冷たい態度を取っているのですが一蹴の指摘もある通り辛い顔をしすぎているんですよね。一蹴を守るためにその選択をしたのにその選択をした張本人がブレてしまったら意味がない、しかしいのりが辛いというのも心が痛くなるほど分かる。私はこのような葛藤が大好きなんです、自分を犠牲にしてでも相手を優先して想うのか、それとも自分の好きだという気持ちをさらけだすのかと悩む姿は美しいと考えています。だからいのり√が好きな理由にもなるんですけどね、Trueへ進みます。

・True

卒業しバイトに明け暮れる一蹴ですがいのりとの関係は完全には切れておらず続いたままでした。ある日教会を修復しているといのりにあげたはずの第二ボタンを発見し、いのりは別れた後も第二ボタンを大切にしていることを知ります。更に壊れたと思っていた携帯が壊れておらずいのりから扉とは何もないというメールが来ていたことを知ります。一蹴はいのりは何故自分を拒絶しておきながら第二ボタンを大切にしたり扉の事についてフォローしているのか分からなくなるのでした。

Trueに入ったことで答え合わせが始まっていきます。プレイヤー側(特に想君をプレイした人)は扉が誰かと付き合うような人ではないというのが分かるのですが一蹴は分からないので勘違いをしているんですよね。そりゃ勘違いしている状態から謎のフォローが入ったりしたらビビりますよ、何かあるんじゃないかって。Trueに入る前に書いたのですがいのりのミスはそこなんですよ、好きだから完璧に隠し通すことができず断片的に一蹴へヒントを与えてしまう。だがそれがいい

・教会で

ほたるとカナタと話をしていのりとやり直したいと考えた一蹴は教会へ向かいます。数々の証拠を突きつけ本当のことを教えてくれと話をしている時に扉が現れます。一蹴は扉が確実に何か知っていると考えて問い詰め扉が真実を言おうとしますがいのりが邪魔します。扉は負けてその場から去り、いのりは「一蹴には関係ないことだから」といいもう会わない方がいいと一方的に言われるのですが、一蹴は話をするために教会で待っているといのりに伝えます。

雨の中濡れて教会を目指してしまったため風邪を患ってしまった一蹴ですがひたすらいのりを待ちます。ですが倒れてしまい、目が覚めると自宅にいていのりがタクシーでここまで連れてきたと話します。そしていのりへお前の事が好きだからここにいてほしい、辛そうな顔をしているとこっちまで辛くなってしまうと再度告白するのでした。

トビー、ぶっちゃけここでは言うタイミングやと思うぞ。一蹴やいのりには悪いけど、どこにいてもタイミングよく現れるトビーにちょっと笑ってしまうしいのりに脅されて帰るのも笑う。想君のショーゴの時みたいにナイフ出すぐらいしてもいいんじゃない?トビーってショーゴと一蹴どっちのが嫌いなんですかね?何度もボコっとるショーゴのが嫌いな感じするけどね。

教会後はとても好きです。いのりへの想いを言葉にできているシーンでカフェ編の別れで発した過去としての言葉ではなく、今を繋ぎとめて再度スタートをしたいと感じられる言葉だと思います。一蹴はいのりの辛い顔を見るのがどうしても耐えられないんですよね、おそらく普通にいのりが一蹴以外の誰かを好きになったから別れるという話であるのなら一蹴は悲しむでしょうがいつか前を向いて進めますし、幸せならOKです!と言うと思います。しかし別れた結果いのりが辛そうな顔をしているなら話は別です。結局は一蹴といのりは似たもの同士なんだなといのり√をプレイして感じました、お互いがお互いの幸せを祈っているからこそ相手の事を第一に考えてしまうのではないかと考えます。

夢の中ぐらい幸せであってほしい

・つばさちゃん

風邪も治り神父さんにお礼を言いに小屋へ行くと童話である天使を発見し、読むと何故か懐かしさを感じて過去を思い出します。つばさちゃんという仲がいい女の子が手術が怖いから一緒に病院を抜け出したところ、果凛にチクられて大人に見つかり一蹴は葉夜の父が運転していた車に轢かれてしまいます。つばさちゃんを守れなかった喪失感から心を閉ざしていたのですが、守れなかったと思っていたつばさちゃんに励まされ心開いていきます。そんなつばさちゃんはいのりだったんだと気づき家に行きいのりへ伝えて縒りを戻してソオチンニャン人形を川に流します。

これいのりの家で言ういのりの嘘が本当に辛いんですよね、つばさちゃんといのりを使い分けているのが凄いしどちらの立場で言っているのかはプレイ後にやり直すとよく分かる。しかもどちらの立場で見ても嘘は言ってないんですよ、「一蹴はわたしのせいで事故にあったんだよ」これはつばさちゃんとしての立場で嘘ではないし「最初からずっと好きだった」これはいのりとしての立場でこれも嘘ではない。一蹴は完璧に真実に辿り着いていないからいのりの反応がいまいち鈍いところは見てられないし、童話の天使は知識や記憶がなくて話が合わせられないところでプレイヤーはいのりはつばさちゃんではないと確信しそう。一蹴自体もソオチンニャン人形を川に捨てたところでだいぶ疑ってるし。

・真実

ソオチンニャン人形の後、黙ってアメリカに行こうとするいのりを捕まえて話をすることになり、当然扉も出てきて一蹴は真実を知ります。つばさちゃんはいのりではなくリナという女の子だということ、リナは手術後亡くなったこと、いのりがリナになりすましていたという事を知ります。一蹴はパニックになりいのりへ「君は、誰なんだ?」と尋ね、扉が許せなかったのは一蹴がリナを忘れて平然と生きていることと、いのりがリナになりすましたことであると分かります。

かなり重いし一蹴の心はズタボロ。君は誰なんだ?というセリフはいのりの心を折るには充分すぎる言葉ですね。いのりはアメリカに逃げようとしましたけど、そうすると扉が一蹴に真実を伝えちゃうのじゃないのかなと思いますがその辺は考えているのだろうか。まあでも真実を扉に言われてはい!分かりました!罪を背負って生きていきます!とはならないと思うし、そもそも信じないと思うけど墓見たら流石に思い出すんじゃないかなと思います。

・リナ

扉に教えてもらった住所へ行き、墓の前でリナの母親と遭遇します。リナはバラが好きで母親は毎日バラを供えているとのこと。そして母親の話からリナの病室にいのりもいていのりの方が重症かつ寝たきりであったがリナと仲良く話をしていたといいます。一蹴はいのりが幼い頃からの約束をずっと守っていたこと、いのりに救われたという事実で不信感は完全に無くなりました。リナの母親は一蹴の涙を見て「10年待ち続けた甲斐があった、これからも忘れないでください」と一蹴に伝えて去るのでした。

母親の登場がエグすぎるし毎日バラを持ってくるという行動付き。流石に昨日までリナのこと忘れてましたなんて言えない空気やけど多分リナの母親は気づいてると思う。じゃないといきなりやってきて事故の時の子だって分からんでしょ、それなりに来てるなら言葉を失って泣くなんてしないと思うし。リナと同時にいのりの素晴らしさも伝わってくるシーン。ここに扉がいなくて本当に良かった、絶対リナの母親にこいつ昨日まで忘れてたんすよwばりムカつきますよねwとか言うやろ。

・それから

リナの墓参り後、リナへの償いといのりとの絆をつなぎ止める目的で教会の修復を始める一蹴。そこに扉が来て話をします、リナの事は忘れないし自分の罪も背負っていく、俺はつばさちゃんではなくいのりとして好きだからここで待ちたいと伝えます。扉は最後に「罪を犯したヤツ同士、お似合いかもな」といい去っていきます。そして教会の修復は完了し、いのりが教会へ訪問します。一蹴はいのりに想いを伝えます、お前の事が好きだと。いのりは驚きますが病室で会ったあの時からずっと好きだったと答え、二人は雨があがり虹が架かる教会の中でキスをしつばさちゃんではなく、いのりとして結ばれるのでした。

何も言えねえ。トビーのセリフもめちゃくちゃいいし、教会の修復が終わって教会を訪問した後に誰も知らないはずなのに教会の扉が開いていた時の高揚感は異常。この二人は正直唯笑と智也並みに固い絆で結ばれていると思います、もう二度とリナの事で過去に引っ張られることはないでしょう。そう思わせてくれるのはリナからの手紙ですね、あまりにもナイスすぎる手紙。やっぱり俺は書き手の純度100%の気持ちが分かる手紙というものに弱い。

それでも君を想い出すから

・BADEND

川で拾い上げたソオチンニャン人形を返すため朝起きずに寝てしまうとBADENDになります。昼過ぎにいのりの家に行っても誰もおらず、電話もつながりません。仕方なくバイトに行くと静流からいのりはアメリカに行ってしまったと教えられます。一蹴は雨があがったといういのりの言葉の意味を知らないまま終わりを迎えます。

一応いのりが最初に描いていた目標は達成できているのでいのり的にはいい結果になります。一蹴もいのり=つばさと思い込んで真実を知らないまま今後の人生を歩むことになるのでいのりを失ったこと以外で傷つくこともないでしょう、トビーさえちゃんと約束を守ればね。まとめにいきます

・いのり√まとめ

「メモリーズオフ」いのり√の感想にこの言葉以外不要だと考えています。一蹴の事を想い、一蹴を守るためについた10年前の嘘から物語は始まり、それを貫き通したのは何も言えない。いのりは一蹴を助けるためにはいのりという自分をなくしてリナになりきるしかなかった、それが罪であるのなら世の中は罪だらけですよ。確かに一蹴の事故が原因で精神的に弱ってリナは亡くなってしまいました、リナ本人や両親は忘れるなんてふざけるなと言うかも知れないけどいのりも一蹴に助けられたのは本当だということを考えるとやるせない気持ちになります。いのりもつばさちゃんではなくいのりとして感謝を一蹴に伝えたかったはずです、だっていのりはリナよりも重い病気を患っていて寝たきりだったのに病気が治って外で遊べますようにとソオチンニャン人形にお願いをして願いが叶ったのですから。リナというかけがえのない人を失ったのは両親や一蹴だけではなくいのりもなんですよ、でもいのりはその悲しさも乗り越えて一蹴を助けた。これのどこが罪であり悪いことだと言うんですか。しかもそのことを一蹴に知られたらまた殻に閉じこもってしまうかもしれないから自分は身を引いて一蹴には自分と別れるという悲しみのみを背負ってもらおうとしました、リナの真実を知るよりマシだと考えたからですね。自分も一蹴の事が好きなのに一蹴のためを想って別れる。これをメモリーズオフと言わずになんと表現したらいいのでしょうか。

いのりは過去作から見て唯一雨があがってほしくなかったと考えるヒロインです。今までのメインヒロイン達(想君の音緒とカナタ以外)は雨の描写があった際に「雨はいつあがる?」と雨が止むように願っていました。それは過去への決別であったり、恋人との現状を指すことであったりとしましたがいのりは雨が止まないようにソオチンニャン人形に願っていました。それは一蹴がリナという真実に辿り着く=雨があがると考えており、雨が降り続ければ一蹴は真実に辿り着くことがないということからソオチンニャン人形の本来の使い方とは違う形で願いを込めていました。これ凄く面白いなと思いましたし上手だなと思います。私は今までそれからを含めて4作品プレイしてきましたがメモリーズオフと雨は切っても切り離せない関係だと思っています。メモリーズオフの中で雨は悲しみの象徴であり、あがるべき存在なのに降り続けてほしいという逆転の発想はなかったですし、いのりの心の表現として上手だなと感心しました。それに雨があがってほしいと考えたのが主人公である一蹴というのもとてもいいと思います。いつか全作プレイした後に「メモリーズオフと雨の関係性」でnote書いてみたいですね。

学園編のNORMAL ENDはどちらもいのりと縒りを戻して付き合った状態になるという終わり方をするのですが、もしそれが正史になった場合、そのままこの二人は結婚まで行くのでしょうか?今までのメインヒロインでTrueがあるのは唯笑、音緒、いのりの3人ですが本当の意味でのTrueは唯笑といのりだけですね。音緒はGOODだけだと付き合わずに終了なので省きます。いのりがどこまで考えているかで変わってくると考えており、リナの事は本当に墓場まで持っていくつもりなのかいつか必ず話すつもりなのかで変わってくると思います。私の個人的な意見ですがいのりは一蹴に真実を話すことはないと考えており、理由としては扉が出てこなかったらそれからという物語は始まらなかったからです。良くも悪くも扉がいたから一蹴といのりは更に強力な絆で結ばれることになりましたが、2ndのように関係がギクシャクしている訳でもないですから言う必要がないのではないかなと考えます。

とてもいいシナリオでした、全ての√の伏線がここにきて活きていると感じましたし理由もしっかりと理解でき共感できるのでやっていてかなり面白いと思います。ただここまで他ヒロインの√で伏線を入れるのであればいのり以外の全ヒロインを攻略しないとTrueに行けない仕様でもよかったのではないかなと感じます。いのりTrue見た後に縁のシナリオ読めなくないですか?ただただ最高のシナリオをありがとう。

力丸紗代里√

「一蹴センパイのこと好きになっちゃうですよ!」

・始まり

さよりんと一蹴は縁つながりで昔からの知り合いになります。さよりんに何故女の中の女を目指しているのか聞き、信に振り向いてほしいがために目指していると聞くところから話は始まります。

ここでさよりんが言っている「ホントの恋はゼンゼン派手じゃなく、何気ない瞬間にやってくる」というセリフがあるのですがこれめちゃくちゃ好きなんですよね。凄い現実的、全員が全員苦労して結ばれるわけではない。

・信に振られる

さよりんの好きな人は信だということを知った一蹴はさりげなく信にさよりんをどう思っているか聞いてみますが聞き方が下手くそすぎて一瞬でさよりんが信に好意を持っているとバレてしまいます。信はさよりんに気持ちはうすうす気づいていたが妹のようにしか見えない、俺は自由でいたいし残された人間の気持ちは分かるからと言いさよりんを振ります。片想いで充分だったのにとさよりんは一蹴に激怒し、その場を去ります。数日後バイトに一蹴が行くと全ヒロインから詰められ、さよりんの機嫌を治す旅が始まります。

信のことが好きだとバレた瞬間に一蹴も信も行動が早すぎるだろ。さよりんと信のやり取りは信の人生観が分かる話。残された人間というのは彩花を失った智也とかテンチョーが亡くなった時の想君の登場人物とかの事を言ってるんですかね、彩花に関しては自分が原因の可能性もあることからだいぶ思い詰めてそうではある。実際あの時救護活動をしていれば彩花は助かったんでしょうか?カフェで詰められるのは面白い。雅√の派生なので関りが少ないりかりんになじられますし、この時点で全く面識がないからセリフのキャラ名が??になっている木瀬歩やいのりまで出てくるのには笑った。

それは本当にそう

・さよりんを励まそう

そんなことでさよりんを励ますために毎日こまめにさよりんの元へ会いに行くことになった一蹴、最初は拒絶されていましたが話をしてくれるようになりマリンランドへ行くことに。そこでさよりんが何故信を振り向かせるために女の中の女を目指す事になったのかという話を聞くことになります。さよりんには昔好きな人がいてその人に告白をしたのですが「おまえみたいな男っぽい女、イヤだよ」と言われ振られます。それで女の中の女を目指すことにしたのですが、自分には魅力がなくなれないのでもう恋なんてしないと語るのでした。

さよりんが何故女の中の女を目指すのかというのが分かりますね。マリンランドでも制服なのはおまけなので目をつぶることにしましょう。男っぽい女イヤだよって振られるわけですがこれ普通に顔がタイプじゃないとかそういう話だと思うんですよね、どっちにしろ酷いけど。告白断るときって好きな人がいるって嘘でもいいから言ってあげた方がいいと思う、じゃないと余計苦しめてしまうでしょ。

・さよりんは海にいるよ

マリンランド後さよりんのことが気になり続けている一蹴は電話をしますが繋がりません。縁にさよりんは海にいるかもと教えてもらい海に行くとさよりんを発見します。さよりんは一蹴センパイはズルい、振られて傷ついた時に優しくされると好きになってしまう言いますが一蹴はさよりんには魅力があるよといい結ばれて終わります。

結ばれるまでが早すぎるけどそれでいい、だっておまけだから。さよりんが一蹴に近づいてくるな!と言ったのはこれ以上優しくされると好きになってしまうからというのがいいですよね。やっぱり傷ついている時に優しくされると人は弱い。

・紗代里√まとめ

超おまけ、だけど一番現実的な恋愛をしてる。どしたん?話聞こか?はかなり有効だというのが分かります。さよりんは過去に男みたいな女だという理由で振られてしまい、その経験から絶対に振られない女の中の女を目指しているという少し悲しい過去つきで本当に現実的です。今まで私がメモオフシリーズをやってきて現実的な恋愛としてあげたのは1stのかおる√があったかなと思います。そこで私はヒロインは重い過去や進行中の困難を持ち合わせなくてもいいとかおるは思わせてくれると書きました。さよりんはまさしくそれで、つばさちゃんの事を隠したり禁断の恋をしたり老害に人生を決められたり努力という強迫観念に囚われたり父親の死という現実を受け止めなかったりしなくてもいいという事です。もちろんそれはおまけだから許されることでそれが現実的な部分になるのかなと思います。さよりんいい子ですよね、応援したくなるキャラでした。

Prologue

Chapter.1「彼女のために、すべきこと」

この物語はまだリナが生きている頃の病院から始まります。一蹴が事故をした時のリナやいのり達目線で物語が進んでいき、浜咲学園に入学し一蹴と再会します。いのりは一蹴があの時病室にいた子だとすぐ分かりますが、一蹴は気づきません。リナの事もあり一蹴を観察し続けるいのりですが一蹴を見ていると何か違和感があり、一蹴はどこか人と距離を置き、関りを最小限にしようとしていると分析します。病室の時に見かけた一蹴との違いはそこであり、私がリナの代わりとして一蹴を守らないといけないと決意するのでした。

ここではリナやいのりの気持ちが確認できますね、リナもリナで自分がしたことに対しかなり罪悪感を持っていますしいのりも2人の事が気になっている描写が描かれています。高校になってからはひたすら一蹴を気にかけているのがいいですね、リナのためとは言いつつも一蹴の事が好きだとまだ分かっていないのがいい。この時は一蹴よりもリナが大事な時期だと思います。

Chapter.2「彼のために、できること」

一蹴を守ってあげる=リナの想いを引き継ぐだと考えたいのりは積極的に一蹴へ話しかけます。それはテスト勉強のことであったり体調管理や食事の事であったりと一蹴のことをひたすら気にかけます。最初はリナのためにと責任感から一蹴を見守っていましたがリナのためやつばさちゃんとしてではなく、いのりとしてだんだんと一蹴に惹かれていきます。

考えがだんだんリナから一蹴へ変わっていくのがとても好きで、この辺りになってくるともう心の中のリナは薄まって自分の気持ちが主張してきます。一蹴はテスト勉強大丈夫かな?一蹴はしっかりと栄養のあるご飯を食べているのかな?と頭の中が一蹴の事でいっぱいのいのりを見るのはとても微笑ましいですし、頑張れと応援したくなりますね。

Chapter.3「自分のために、したいこと」

一蹴と仲良くなり行動を共にするようになってから1か月近く経ち、呼び名も鷺沢君から一蹴へ変わります。それなりにお互いが意識をしているころに縁に「2人は付き合ってるのかにゃ?」と聞かれ意識しまくった結果、いのりは一蹴から芦鹿島花火大会の誘いを受けます。本当は予定などなかったがリナのことが頭にチラつき少し返事を待ってほしいと伝えます。その後いのりは一人で星恋の丘に来て悩み、自分は一蹴の事が好きなのだと再確認するのでした。花火大会当日になり一蹴はいのりを教会へと連れていき、いのりが一蹴へ告白して2人は付き合うことになりました。

このプロローグ3が始まってからいのりは名前呼びなんですが、どういう経緯でいのりだけ一蹴呼びになったのか見たいな〜とプレイ直後思いました。おそらくいのりから仲良くなるために提案したんだと思いますけどね。チャプターが過ぎる毎にいのりの一蹴への気持ちが大きくなっていき、それが描写されるのは読み手として分かりやすくスラスラと頭の中に入ってきますね。正直告白は一蹴からして欲しかったですが、殻に閉じこもっていた一蹴が誰にも教えていない教会を教えるというのはやっぱりいいですね、教会を知ってるのは全ヒロインでいのりだけですし。ここから2年半付き合って本編冒頭にいくと思うと心が痛い。とても面白かったです。

個人的メモオフそれからBest

・ベストシナリオ 「いのり√」

いのり√のみで完結せずに他ヒロインの√でも伏線があるというのが素晴らしいところだと思います。先程めちゃくちゃ語ったので多くは語りません。メモリーズオフ〜それから〜はいのりのためにあると言っても過言ではないと思います。

・ベストキャラ 「いのり」

本当は全員と言いたい。だけどあえて選ぶのであればいのりか縁だけどそれからというゲームの性質上いのりのが強い。現実世界で考えたらいのりか果凛かな、現実で見たら雅とのんちゃんはちょっとね...魅力的ではありますがキツいと思う、特に師匠は。縁?俺は一蹴みたいな男気はないので現実では無理ですね。でも実際一蹴と縁は結婚出来るらしいですよ、法律上。

・ベストCG 「縁」

ベストCGは縁になります。いのりや雅と悩みましたが、縁の部屋でのCGがあまりにも強くずば抜けているので縁にしました。これに勝てるCG持って来いと言う方が難しいレベル。一蹴の部屋で座っているCGやゲーセンのCGも幸せそうでいいですよね、それ以外はあまりにも悲しすぎるし特に血が繋がってないと知った後に星恋の丘で流れ星を探すCGはキツすぎる。

ただただ至高

・ベスト立ち絵「雅」

立ち絵は雅です。頬近くに手を置きどこか遠い所を見るだけで様になっています。何気に立ち絵の種類が多いキャラで、制服に道着に外着(コート)に着物に洋服と5種類もあります。もしかして一番多い?いのりより多いかも

見てくれだけはいい by木瀬歩

本当に今回特別なんですが1枚の立ち絵を載せます、りかりんの得意気にしている時の立ち絵です。全体的で言えば雅なんですがどうしてもこの立ち絵が好きすぎる。

目線、口の角度、表情など完璧

・ベストBGM「Inori-sweet note」

大変悩みました。どれも素晴らしく、違う良さがあるのがいいですよね。キャラのBGMで言えば雅の「Miyabi-lovers or friends」のピアノアレンジは悲しさが溢れていますし、縁の「Yukari’n-sister?」は切なさがとても溢れています。タイトルBGMである「For memories」は元曲もアレンジも好きです。過去曲ですが2ndのベストに選んだ「With memories」のアレンジもとてもいいですね。卒業式でしか流れないのですが元がとてもいい曲なのもありとても好きです。ですがやっぱりいのりのBGMが一番です。

それからを終えて私は本当に引きずってます。何故かと言うとこの先のメモオフシリーズでそれからを超える事が出来る作品は出てくるのかという不安があるからです。それぐらいよかった、個人的ベストもほぼ僅差です。メモオフシリーズの中でベストを決めるメモオフ就活なら全員三次選考や最終選考に残れるポテンシャルを持っていると思います。このシナリオ達が全てそれからに集まってくれたこと、シナリオに合う完璧なBGM、そして魅力的なキャラデザや声など全てを含めてこのゲームを世に出してくれたことに感謝をしたいと思います、本当にありがとう。

色んなBGMを聴きながらTwitterで感想を書く時間が本当に好きでした。いいねをくれた方、リポストをしてくれた方、リプライをくれた方本当にありがとうございます。

失ってから初めて気づく、大きすぎたその愛の意味を
それでは皆さん、次はメモオフ5とぎれたフィルムで会いましょう。

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