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衆院選2021以降のために - 参院選2019の反省を立憲民主党は活かせなかった都議選2021 -

1. モヤっとしたものを提供してしまった参院選2019

参院選2019は今思い出しても、大変きつい選挙になりました。

確かに自民党単独で過半数割れに追い込めました。

ですが、立憲は選挙区に20人、比例区に22人の合計42人を擁立するも、当選は選挙区9人、比例区8人となり、愛すべき候補の方々が相次ぎ討ち死にになってしまいました。

参院選直後で、敗因と当時考えられたものを上記に申し上げ、その後、私たち支持者の声が幸いに届いて、新立憲では「格差と貧困と分断と闘う」と枝野代表は折々で説かれるようになっています。

一方、私個人は「令和デモクラシー」に強く共感しましたが、広範の主権者には、あいにく伝わりにくい、モヤっとした訴えに解されました。

最低賃金1,500円を要請する声が大きい中、手堅く1300円を提唱されましたが、あいにく広範の主権者にはモヤっとしたものを残してしまいました。

2017年秋の衆院選で、小池騒動により急遽結党した立憲民主党が大躍進したのは、モヤっとしたものが全くなかったからです。

「もう今の日本では持たない」と、広範の主権者には現状打破の願望が強くあります。もはや革命願望と言えるかもしれません。

ですが、現状打破や革命の願望は、モヤっとしたものを察知すると、従来政治への不信感のまえにかき消されてしまいます。

選挙でモヤっとしたものを提供してしまうと、想定したラインに届かず、敗けてしまうのです。

ですが、都議選2021ではモヤっとしたものを都民に立憲は与えてしまいました。

もちろん党本部や都連ではその意識ではなく、善意で必死に向かわれたのは明らかです。

ですが、残念ながら、参院選2019の反省や教訓を活かしきれなかったと拝察します。

ぜひ衆院選2021以降に活かしていただけたらと、以下に申し上げます。

2. 三国時代に突入したのが都議選2021の本質

まず、都議選2021にて立憲は議席がほぼ倍増し、大躍進したのは間違いありません。

「"都議選で都フは強く、立憲は敗北"は本当か」を調べました。

データ(エクセル)から「都フ強し」よりも今の日本政治の現職優位&新人劣勢の傾向が現れました。

現職当選率: 都フ73.8%, 立憲71.4%
新人当選率: 都フ0.0%, 立憲47.4%

2021年都議選における立憲民主党と都民ファーストの会の比較 20210708

「都フは現職を極力守るのが精一杯で、それでも取りこぼし、まして新人は全敗した」と感じます。

「立憲は現職や元職を手堅く勝たせ、そして難関でも他党現職に食らいつき、ほぼ5割の新人が当選できた」と拝察します。

そして「立憲は新人を増やすのがうまく、立憲に未来がある」と感じました。

「都フが結局強かった」という論評を拝見するたび「本当か?」と違和感があったのです。

数字で追ったら、上記の通りでした。

都フは野党との印象を持たれ、現職が多いため、新人多数擁立の立憲に比較して、無党派層の自公批判票の受け皿になりやすかった。

次回都議選が楽しみです。

圧倒的に新人不利な現代日本政治において、立憲が都議選で大健闘だったのは上記データから示されたと感じます。

事実、議席は倍増です。

決して「敗北だ」と自虐的になる必要はありません。

そして、たった一回の都議選で三国時代に突入したのが今回の本質と拝察します。

3. 都議選2021でも、モヤっとしたものを提供してしまった立憲民主党

都議選2021に優秀な候補者の方々が立憲から相次ぎ立候補され、私は驚きました。

野党共闘できずに、かつ・または、立憲が弱い地域でも、獅子奮迅で候補者の方々は闘われました。

戦略と戦術から選挙は構成されますが、大局的に党本部や都連で策定する戦略と、各陣営の現場で進める戦術と分けて考えると、戦略的にもったいない事態が都議選2021では見受けられました。

結果的に、都民にモヤっとしたものを与えてしまったのです。

例えば、立憲は都議選2021において、「東京五輪の中止または延期」を訴えました。

確かに、中止または延期という主張ならば、多くの人々の要望に叶うと見られ、最大のボリュームゾーンを狙ったものと拝察します。

ですが、「国会で5月10日に立憲は五輪中止を訴えていた」と都民は覚えており、「その一貫性はどうなのか」と、モヤっとしたものを与えてしまいました。

いや、「5月の前から中止と並んで延期も一貫して訴えていた」との党本部のお気持ちもあるかもしれません。実際、下記NHK報道(2021年3月)等、「中止か延期を」との主張も相次ぎ見られます。

ですが、東京五輪中止判断のラストチャンスが近づき、緊迫性が高く、社会から注目を集めた5月10日の国会質問にて立憲が中止をお訴えになったことは、都民に強い印象に残った可能性が否定できません。

次に、都議選へのWEB CMの3本の動画を党本部は強い意気込みで公開されました。

動画(1) 国民の暮らしを最優先に

動画(2) 自粛と補償をセットに

動画(3) 選択的夫婦別姓・同性婚の実現

「上記3本の動画の拡散協力を」との呼びかけもあり、素晴らしいと思いましたが、動画を拝見し、私はモヤっとしてしまいました。

もっと熱量を伝えられなければ、逆効果になる」と懸念し、知人友人に拡散することはできませんでした。

物理学の一分野である熱力学等でも説かれるように、社会運動そして選挙でも熱は重要であり、不可欠です。

ですが、熱量が伝わってこない発信をしてしまうと、モヤっとしたものを受け手に与えてしまいます。

モヤっとしたものを与えると、人々の話題にされにくくなり、埋没してしまいます。

熱量を伝える動画の発信の名手なのは、共産党さんです。0.1秒までコマ割りにこだわり、BGMもこだわり、熱量が伝わっていきます。

感染症で切実な語りもされ、賛同性が広がっていくダイナミズムも、動画で伝えられます。

政治は困っている人々の代弁を、熱量を持ってやらねばなりません。

熱量を持たずに代弁をしても、パワー不足の印象に陥り、モヤっとしたものを与えては、あいにく何もなりません。

一方、各候補者での課題ですが、土着化が弱い印象を持たれた候補の方々が落選したように拝察します。

詳細は以下の連ツイで投稿しましたので、リンク先からご覧くださいましたら、幸いです。

モヤっとしたものが一切なく、徹底して突き抜けて、激戦の定数1の選挙区を勝ち上がられたのは、五十嵐えり候補でした。

広範の主権者の現状打破願望、革命願望にジャストミートで応えられたのです。

まとめ

モヤっとしたものを政党や候補者が提供すると、埋没してしまい、想定よりも負けてしまいます。大局観を持ち、その上で、徹底してモヤっとしたものを撲滅せねば、現代日本の選挙において野党はあいにく勝てません。参院選2019の教訓で活かせたもの(格差と貧困と分断と闘う)もありましたが、反省を活かせきれないまま、都議選2021に突入してしまったように拝察されます。ぜひ衆院選2021以降に活かしていただけたらと、今回執筆しました。

なお、上記では控えましたが、都議選で落選された方々へのアフターフォローこそ、今後に向けてとても重要です。先日ある落選候補の方のzoom会合に参加しましたが、個人的には「励ます会」の思いで参加しました。とても気持ちを強くくださったようで、何よりと思っております。


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