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なぜ参院選後に立憲民主党に有権者からの失意が広がったのか。
はじめに
表題の件について、以下の連続ツイート(連ツイ)を本日投稿しました。
すると、「これほどとは」と予想していなかったのですが、立憲民主党の国会議員の方々に助言される田中信一郎先生を始め、相次ぎおすすめのコメントを頂戴しました。
この一連のツイート、立憲民主党の方々は、心して読んで欲しい。行くべき場所として、マレーシアはあさっての方向ですよ。個々の議員が、責任勢力を担う気がなく、次の選挙の風と当落ばかり考えているのだとしたら、悲しい… https://t.co/hU0Mcy17EO
— 田中 信一郎 (@TanakaShinsyu) August 29, 2019
立憲への支持を保留している現在、この連ツイは参考になる https://t.co/ylQ6YLszjK
— ターナー (@seekforfreeeee) August 29, 2019
素晴らしい提言です。
— 保守本流之鰐🐊(無党派)落合貴之さんを総理に! (@green_croco4102) August 29, 2019
長文ではありますが、一読どころか百読に値します。 https://t.co/V1JUF1gbqe
そこで、連ツイではいかんせん誤植等が直せないので、以下に清書をします。ツイッターに不慣れな方や、しない方々もご覧いただきやすくなれば幸いです。読み手の方々がイメージを膨らませやすいよう、画像も補いました。
今、立憲民主党をめぐる状況や、その掘り下げにどんな見方を用いることができるのか、さらには、これからの脱皮のあり方のヒントにいただけましたら、この上ありません。
なぜ参院選後に立憲民主党に有権者からの失意が広がったのか。
立憲民主党に対して参院選後に失意が広がりました。
確かに、私たち支持者が愛してやまない、素晴らしい候補者の方々が、相次ぎ討ち死にしたこともあります。
ですが根底には、国会議員の方々と私たち有権者に大きな格差が存在し、景色の見え方、そして意識が乖離したことにあるのでは。
選挙にいかんせん勝ち負けはつきものであり、野党共闘で #自民党単独で過半数割れ に持ち込めました。これは画期的な成果といえます。
ですが、参院選後に党が支持者そして有権者とコミュニケーションがうまく取れていたと私には思えません。
御礼街宣をすぐ打ち、映像等で対話していれば党支持率5%下落も食い止められたのでは。
選挙ブーストに頼って党支持率を上げるのは、ファンダメンタルズ(党の基盤)はいつまでも弱いままになります。
読売新聞政党支持率:
— こたつぬこ (@sangituyama) August 26, 2019
自民41(+1)%
立憲7(-5)%
国民1(-1)%
公明4(-1)%
共産2(-1)%
維新3(-2)%
社民0(-1)%
N国1(+1)%
れいわ0(-1)%
無党派37((+10)%
参院選の選挙ブースト分が剥がれましたね。
立憲ビジョン2019を出すのを、与党に模倣されるから、対策を打たれるからと後ろに倒されましたが、それは戦略の不在と言います。
立憲や旧民主系に、戦術はあっても戦略がありません。
戦略は、問い(Question)を立てて、社会状況の一変を目指し、党内外の限られた資源を有効に最大限に展開していきます。
ですが、立憲に限らず旧民主系に問いそして戦略が見られないのです。報道や風に頼ってしまう。
大きな塊を作れば万歳ではないはずです。
政党の使い捨ても戦略ではありません。いえ、むしろ戦略の対極です。
「拡大の一途の貧困と格差にどう闘うのか?」
「戦前からのゾンビのように今復活する全体主義とどう闘うのか?」
「分断され痛んだ日本社会においてどう民主主義を回復・進化するのか?」
例えば上記の問いが考えられますが、立憲から有権者に刺さるように訴えてきた風景はあまりありません。
先日、ある党幹部の方に「貧困と格差とどう闘うか、という戦略を立憲は持っては」と申しましたが、「いろんなテーマがあるので」とのお返事でした。
確かにおっしゃる通りとの一方で、私たち有権者と国会議員の間に格差が歴然と存在し、意識の乖離が大きいとも痛感しました。見えている景色が違う。
立憲議員の方々が視察で、ホームレス支援団体の現場や、金融被害者の方々との面会等、社会の底を知りたいとの発信を日常からされているようにはあいにく拝見できません。
貧困のブラックホールは、貧困層のみならず中間層そして社会全体を呑み込む猛威があり、政治家に貧困理解と対策力は不可欠です。
かつて昭和の政治家は焼け野原で貧困は自分ごとでした。
立憲パートナーズ社会構想研究会(社構研、非公式)という私が参加します研究会でも、昨秋以来、立憲民主党は貧困と格差と闘うべきと提言を続けています。
社会の底が割れ、貧困のブラックホールに誰しも呑み込まれていくのです。
P34「もし今の政治が続いたら? 一等船室では『何ら問題なし。貧しい奴は運が悪い』との認識が続いてしまう。船底の破損は進み、人々は貧困のブラックホールに転落の一途。」
— 立憲パートナーズ社会構想研究会(社構研、非公式) (@cdp_syakouken) February 18, 2019
ご質問やご意見は https://t.co/JZEGizdMvJ#立憲パートナーズ社会構想研究会(#社構研、非公式)#社構研ツイッター報告会 pic.twitter.com/EIDqhQdDVJ
青森県で参議院選挙に立たれた小田切さとるさんは「貧困と格差と闘う」とお訴えになりました。ですが、それは現状の立憲民主党の全国から見ると、ごく一部の動きにとどまっています。
本日は青森市で感謝の街頭演説を行いました。#りっけん青森 を挙げて
— 立憲民主党青森県連合 (@CDP_Aomori) July 28, 2019
貧困と格差への闘いはまだ続きます。
ありがとうございました。#小田切さとる pic.twitter.com/PDaVYEXz83
景色の見え方が、依然として私たち有権者と立憲で違いすぎています。
結果、私たち有権者と立憲民主党の間の意識の乖離も大きいままになります。
だから話が噛み合っているようで、かみ合わず、いつまでも状況は進みません。
「本当に立憲は私たちの声を聴く気があるのだろうか。パフォーマンスでは」と、1人また1人と心折れて、休養に入ったり、立憲支持とプロフに書くのを削除したり、ツイッターを離れたりしています。
「立憲民主党はあなたです」「政治の国民離れをやめよう」は本当だったのかと。
立憲民主党は、何卒、有権者研究をお願いします。私たち支持者はごく一部の声でしかありません。貧困の現場に、もっと日常から通ってください。
そして、民間研究をお願いします。他業種のコミュニケーションの手法、組織運営、戦略の立て方。
立憲民主党が倒れたら、日本の民主主義は終わります。
最後の砦として。
戦略不在ならば、いくら素晴らしい著名人の方々を選挙につぎ込んでも、またことごとく討ち死にします。
立憲民主党は戦略の塊にならなければなりません。
そして、その戦略は、ボトムアップで私たち立憲支持者や、広範の有権者と展開する社会現象にならねばなりません。
令和デモクラシーはその可能性を秘めています。
立憲民主党の議員の方々は、貧困対策として、経済政策の修練を日常からお願いします。
遊説等でピケティやマンキューのような経済学者の名前や経済学の概念がすらっとでてくるような場面にまだ遭遇しておりません。
政策分野の好き嫌いをしていては、人々の生命と財産を守れません。
ご専門分野の他に、経済学は必須にて何卒お願いします。
戦略とは、日常から策定そして展開するものです。
戦略とは、風や報道に頼りません。
戦略があれば、与党に模倣されません。
経営学者のマイケル・ポーターも示唆する通り、唯一無二の組織が戦略でできるからです。
こう考えてくると「選挙の時でないと、野党は報道されない」は言い訳になります。
日常からどんどん自分たちで土俵を作り、賛否両論を生んでも、引き込むのです。
上記に戸惑われる方がいらっしゃいましたら、申し訳ございません。
参院選後、私も立憲支持をやめるかと考えなかったわけではありません。
ですが、やめますと政治を使い捨てて、日本の民主主義は腐敗しました。
微力ながら、立憲パートナーを私は続けます。
私たち社会の再生に貢献できれば。
貧困と格差と闘うとの戦略が立憲にあれば、れいわの勃興も抑止できました。中道政党としてウイングを左端まで伸ばせました。
戦略がないので、スキができました。
そして、今も戦略不在は続き、れいわは衆院100人擁立と言えるスキができてしまうのです。
そして経済と安全保障で右ウイングもカバーします。
なぜこれほど苦痛な乖離が生まれたのか?
政治家の方々は一生懸命で良かれと動いているのに。
より深掘りして、「タテ型意識」と「ヨコ型意識」という見方を以下にて用いてみます。
タテ型意識とヨコ型意識
社会学のような表現になるのですが、上記の意識の乖離について #タテ型意識 と #ヨコ型意識 という見方で整理できるかもしれません。
・タテ型意識: 政治家は「タテ」を重視します。歴史と伝統、前例、序列などです。スポーツで例えると、歴史と伝統を重んじ、徒弟制で師弟関係が一生続き、試合に1人で勝負する相撲です。
・ヨコ型意識: 市民の私たちは「ヨコ」を重視します。他の業界や、海外動向に興味を持ち、今何が起こっているのかに注目します。スポーツで例えると、国内も海外もなく水平に広い視野を常に求められるチームスポーツであるサッカーです。国境は関係なくて、サッカーをする小学生たちですら海外クラブチームの試合映像を熱心に見ます。
例えば、お店やウェブショップでお買い物をしたり、民間イベントに参加すると、「体験はいかがでしたか? 今後より改善するためにコメントをお願いします」と、すぐにCS調査のアンケートメールが届くことがあります。立憲パートナーの中でそのような業務を本業とする方も多いかと思います。
日々私たち市民はそのような「ヨコ」を見て、立憲という政治を見ると、支持者を放置し、#立憲ボイス は読まず(もちろん一部議員の方々は日々精読なさっていると思います)、一方通行で言うだけで、「返事はしないけどわかってね」との姿勢は、とても時代遅れだとわかります。
しかし、「タテ」を見ている彼らは、「長年の日本政治の歴史ではこうだった」「4年前はこうだった」という気持ちなので、「ヨコ」への心が高まりません。
しかも民間イベントに登壇はあっても、フロア参加する経験はごくまれなので、参加者アンケートが配信されてきて回答した経験もないと思います。
タテ型意識は、ピラミッド運営を志向します。口頭や紙でのコミュニケーションを好み、集合知を構築できず。支配欲に強く、好き嫌いで決めます。上から目線のつもりでない合理的意見を非難します。自説開陳します。社会の分断は止まりません。
ヨコ型意識は、水平型運営そしてボトムアップを志向します。インターネットやクラウド技術で集合知の構築に日々勤しみます。支配欲を手放し、好き嫌いを一旦置いて、合理的意見には賛成します。黙って傾聴します。急いで即答せず、心を開いて一緒に問いを考え続けます。社会の連帯が進みます。
タテ型意識は「答えは一つ」と考えます。序列や組織で決まったら、他者の意見は聞かずに抑え込みます。「ダウンローディング」*と呼ばれます。
ヨコ型意識は「複雑な社会において一つの答えはない」と考えます。「クリスタライジング」*です。
*ダウンローディングやクリスタライジングを紹介する『U理論』は必読書と思います。
ヨコ型意識の私たち市民はサッカーサポーターの気持ちで、政治家というタテ型意識の相撲取りの方々を応援しているのが現実かもしれないのです。
さりながら、「タテ型意識は時代遅れだから禁止」としてもいけないと思います。
議会は永久機関です。
歴史と伝統、先例や慣例に精通することは今後も不可欠です。
しかし、ヨコ型意識の取り込みが、永田町全体や地方政治としてできていないのです。
両方の駆使ができれば、鬼に金棒であり、最強なのです。
そして、ヨコ型意識を研究できず、理解できなければ、今後も投票率はビクとも上がりません。
有権者研究をと上記で申しましたが、私たち有権者はヨコ型意識で日々を生きているからです。
そして投票率が上がらない限り、立憲そして野党躍進もなく、政権交代も起こらず、救世も夢のまた夢に。
タテ型意識とヨコ型意識の乖離を埋めねば、今後もミスコミュニケーションは続きます。
「なんでこんなに立憲に対して苦痛を覚えるんだろう?」と日々悩まれてきた方々に、上記の整理が、一助となりましたら、この上ありません。
立憲の方々は、私たち支持者に対して、決して悪気はないのです。
そして、枝野代表はじめ執行部の方々はヨコ型意識をお持ちと私は日々思っています。
だからこそ立憲パートナーズという長年の日本政治の歴史から見たら、画期的な制度が生まれたのです。
タテ型意識で顕著なのは政府与党です。
しかし、タテ型意識は永田町はじめ日本の政界全体を覆っているのです。
さらに、困ったことに、タテ型意識はヨコ型意識の人々を呑み込み、転向させる力があるのです。
私たち市民の間でも情報共有が弱かったり、序列づけして叩いたりする風景に。
一方、アメリカの民主主義の現場はヨコ型意識です。
現場の美しい画像も合わせて、日常からの立憲躍進へのヒントも多い、必見記事と思います。
— 立憲パートナーズ社会構想研究会(社構研、非公式) (@cdp_syakouken) August 6, 2019
2020年の米大統領選に向けた「選挙カーでの名前連呼」より有意義なアメリカの選挙運動のスタイル【連載】幻想と創造の大国、アメリカ(13)|FINDERS https://t.co/L0DHNAd7FY #立憲パートナーズ #立憲ボイス
分厚い市民社会はヨコ型意識と相乗作用へ。
タテ型意識とヨコ型意識の乖離が解けて融合し、連帯が進み、日本社会が生きやすくなるようバージョンアップする取り組みが #令和デモクラシー と思います。
長くなりましたので、令和デモクラシーの戦略チャートのご提案は、改めての機会にと思います。
むすび
今回の問題提起は、言語化されなかったこれまでの立憲民主党の支持層の気持ちや、党と支持者のミスコミュニケーションについての概念整理をし、戦略なく参院選に向かって討ち死に多数という悲劇の再現を決して今後にしないため、そして今後の躍進の一助になればとの一念で行いました。決して感情論で後ろから党を撃ちたいという意図ではございません。党を撃ちたいならば、参院選前から好き勝手に書いて、埼玉県知事選挙に影響しようとおかまいなしの時期で発信していました。ですが、参院選が終わり、埼玉県知事選挙も終わり、沈思黙考し続け、立憲支持層から話題になっていなかった、論理的な整理を目指しました。今回のような問題提起は、今まで日本政界全体として手薄だったと思います。年末にも解散総選挙とささやかれ、立憲そして旧民主系は戦略の立案が急務です。強い戦略は急に生まれることがあります。そして、しっかり総選挙で与党返り討ちも可能なのです。戦略展開がもし社会現象化できれば、長年の念願の野党政権樹立も高い確度でありえると思います。
まして、上記を見て「立憲ダメじゃん。支持やめよう」と、党そして政治の使い捨てを考えるのもどうかと私は思います。上記は私たち日本の民主主義が戦後70年以上ずっとお任せで痛みきったツケがきていますという事象や、その深層のメカニズムを、現場から映し出した一考察です。つまり日本の今の民主主義という私たち自身を、鏡で見てみたらこうなりますという文章でもあるのです。まずは現状把握を冷静に行なった上で、じっくり腰を据えてやっていくしかないのです。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
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