大野もとひろ埼玉県知事選挙ポスター掲示場

2019年埼玉県知事選挙 (後編) - 今後を見すえた大野もとひろ陣営と野党の課題 -

全国的にも注目された埼玉県知事選挙(2019/8/25)。

記憶が新鮮なうちに、1人の埼玉県民の目線で、前回の前編(2019年埼玉県知事選挙で勝敗を分けた3つのポイント)では背景や県内の状況、今回の後編では厳しい選挙を勝ち抜けたとはいえ大野陣営ひいては野党の課題と思われたことについてお話ししたく思います。私の自己紹介は前回の冒頭をお願いします。

前回の補足

まず、前回にてお話ししました背景の補足をいくつかさせてください。

選挙ドットコムさんは「【埼玉県知事選】激戦の半世紀の歴史を振り返る」という特集を、投票日直前の8/23に組まれました。

この特集で、興味深い紹介があります。

大野もとひろさんの祖父である大野元美元川口市長が、1972年の埼玉県知事選挙に立候補するも、落選なさっています。

"この選挙で敗北した大野の孫が、今回、立候補している大野元裕で、大野家にとっては47年を経て知事選再挑戦となります。"

よって、生前の大野元美元川口市長を応援した方々にとっては、47年越しの悲願の県知事選だったのです。

そのことが初耳の方も、「大野さんが、それほど強い覚悟ならば、応援しよう。官邸がにわかに立てた人より、ずっといい」となります。

一方、今回青島けんたさん陣営の軍師に入られたのは、選挙プランナーの三浦博史さんと伝わっております。

勝手ながら、三浦さんは当代最強の軍師と私は思っております。

昨年では新潟県知事選挙と沖縄県知事選挙で自民党候補者の軍師をされたと伝わります。

新潟県の東京電力柏崎刈羽原発の30km圏内に、私の父の出身の農村があります。その農村が私のルーツであり、小学校時代は毎年夏休みを過ごしました。今も親戚が多く住み、田畑を耕しています。よって、同原発の再稼働が争点となった新潟県知事選挙は決して他人事でなく、ツイッターがメインでしたが、私も必死に野党統一候補の池田ちか子さんを応援しました。

しかし、自民党が推す花角候補(現新潟県知事)の闘い方が、ほぼスキがなく、すごく手ごわいのです。「軍師は誰だろう?」と気になっていたら、三浦さんと判明し、さもありなんと思いました。

川上戦略をとり、第一声を新潟県の北限近くの離島である粟島浦村を選んだ三浦さんの絶妙なセンスにゾッとしたのを、今でも昨日のことのように覚えています。

新潟県知事選挙の敗戦については下記にまとめました。選挙は毎回毎回新しいフロンティアが切り開かれていくので、今から見たら古い考え方の記述もいくつか残ってはいますが、よろしければ、ご覧ください。

そして、歴史の因縁と申しますか、もう時効と思いますことと、報道機関の若手記者の方々には伝わっていないかと拝察しますので、申します。

16年前となる2003年の埼玉県知事選挙で、上田清司現知事が初挑戦された時の軍師も、三浦博史さんなのです。

埼玉県知事選挙の上田候補の初陣であり、厳しい選挙でしたが、川上戦略をとり、第一声を埼玉県の奥地とされる秩父であげました。

2003年と2004年で東京財団マニフェスト研究会という若手政策研究者たちが「日本にイギリスから輸入されたばかりのマニフェストとは、なんぞや」という議論をする研究会が東京財団(現:東京財団研究所)にて設置され、私も研究員として参加していました。当時は公務員として参加し、その後国会議員になった方(今も現職)もいらっしゃいます。講師に北川正恭元三重県知事等、マニフェストに精通する方々を東京財団は招聘していました。

そして、三浦博史さんも講師に招聘され、私もお話を伺ったのです。2003年埼玉県知事選挙における上田清司候補の闘い方や、マニフェストの作成の様子等、大変躍動感あふれる語りをされ、16年経った今でも、三浦さんの講師の回を私は覚えております。「上田はマニフェストを自分で時間がない中、書いたのです」と誇らしげに語っておられました。

2003年の上田現知事初陣を勝利に導いた三浦博史さんが、2019年に軍師に入った青島けんた陣営。もちろん三浦さんとしては、日々青島さん必勝をめざしながらも、心中どこかで、16年前に埼玉で上田さんと闘った記憶を思い出されていたかもしれません。

今回の敗戦を、三浦さんはブログに下記のように綴られています。

文末の"上田知事の最後の執念というか熱伝導が凄かった"とのご指摘は、現地で私も感じました。

もし今回大野さんが負けたら、上田県政16年が否定されてしまい、2003年以前の利権のための自民県政に戻ってしまいます。

「県民のための県政を続けねば」という、痛烈な危機感を上田知事は共有され、大変な迫力でした。相手の軍師に勝負強い三浦博史さんが入っているということは、当然上田知事もご存知のはずですので、なおのこと、最後まで必死さは切らせないというお気持ちだったと思います。まさに、サッカーのアディショナルタイムの残り1秒まで、必死さを切らすことができません。「選挙はスポーツである」ともいえましょう。

そして、前回3. 県民そして所属がまちまちの議員も一丸となって闘えた。の補足です。

広く知られていますように、今回、#翔んで埼玉 と埼玉県選挙管理委員会でコラボするという画期的な投票率向上キャンペーンが組まれました。テレ玉のCMで下記アニメが流れ、報道各社も画期的だとしてニュースにしました。

#翔んで埼玉 とのポップなコラボが実現した効用は確実にあり、ある県民の女性はこう語っています。

PTAの集まりなどがあり、その場で選挙の話をしました。投票率の低さや翔んで埼玉とのコラボもあり、話題にしやすかったです。

エンタメの力を投票率向上に活かすのは定石になりつつあると感じます。

漫画の魅力は永遠に続きます。

ぜひ #翔んで埼玉 を定番として、次回以降も埼玉県選挙管理委員会は県知事選挙のたびに広報し、「 #翔んで埼玉 のポスターやうちわを街頭で見たら、選挙に行こう」という県民に浸透するようにと、切に願い、ご提案いたします。

他にも、立憲パートナーの埼玉県民の方々が、駅でのビラまきを呼びかけたり、日夜ツイッター等でも、大野もとひろさんのオススメを続けました。#翔んで埼玉 や #のぼうの城 のような中央に対する抵抗者たちの闘いにも思えました。私を含め、いわばゲリラ県民が、同時多発的に思い思いでベトナム戦争のように強大な米軍に闘い続けるような感じです。

ゲリラ県民は中央からの侵攻に徹底的に闘います。

そして、玉木雄一郎国民民主党代表が8/23(金)に大宮駅前にお見えになり、「どっちが勝ってもおかしくない。100票差かもしれない」と述べ、がぜん県内のテンションは上がり始めたと思います。

そして、最終日の8/24(土)、直接的な表現を避けながらも、ついに大野さんが青島さんを抜いた旨を埼玉新聞は報じました。大野さんが記事の記載の順番で前に躍り出たのです。

ですが、私は「ここからの油断とゆるみが、ものすごく怖い」と思いました。この記事のリンクを県民の私が発信してしまうのは控えました。

くしくも上記の新潟県知事選挙では、最終局面で野党共闘の池田ちか子候補が自公が推す花角英世候補を抜いたとの情報がネットで駆け巡り、最後の最後でゆるんでしまい、そのスキを見逃さず、花角さんが勝ち上がったのです。僅差の選挙で最大の敗因となるのは敵ではなく味方のゆるみです。そして、新潟県知事選の花角陣営の軍師と今回の軍師は同じ人物であり、百戦錬磨の三浦博史さんなのです。

途中段階の情勢報道は、確かに統計として確からしさがあっても、いわばマラソンの途中通過タイムにすぎないと私は思っています。選挙の緩みが怖いのは海外でも同じで、前回米国大統領選挙では選挙直前に12%優勢と報じられ、とたんに民主党ヒラリー陣営は全米で緩み、結果はトランプ氏が勝利しました。ヒラリー氏はメール問題が原因と指摘しますが、全米の民主陣営で緩みが急拡大したのは、容易に想像できます。

そして、8/25の投票日です。朝の涼しいうちに投票率が上がってくれたらと誰しも期待する局面です。

ですが、午前11:00現在の投票率が前回並みの5.21%と発表され、「あんなに盛り上がった選挙戦だったのに」と目を疑いました。これでは、堅い組織票に支えられた青島けんた知事が誕生してしまいます。

投票率は、いわば民主主義というプールの水位です。低すぎると、一部有権者の組織票で候補者が当選してしまいます。ですが低い水位では当選後、全体のための身動きをする余地に乏しく、全有権者のための政治はできなくなり、民主主義が機能不全になるのです。

投票日前日に大野さんが青島さんを抜いても、投票日当日にまさか落とし穴が待っていた。本当に、楽な選挙は、一つとしてありません。

#投票に行こう という呼びかけは、確かに尊いながら、このときばかりは、「それかなあ」と、私は感じてしまいました。それは人を動かすのだろうか? もちろん「行こう」という方もいらっしゃるかもしれません。ですが、何かよそ様から言われて行く感じの選挙は、義務感になってしまいます。本来のあり方は、内発的動機(内から湧き上がる動機)で、投票という権利を行使するのです。他者から言われると、県民の方々にとっては、埼玉県知事選挙の面白さがやもすると下がってしまうかもしれないと私は感じました。

どうしたら、いいのだろう? 

ふと、この映像が頭によぎりました。原作者のデレク・シヴァーズ@siversにご快諾をいただき、2010年春に私が日本語訳をしました「裸踊りの映像」です。

映像のように「投票に行ったよ」という社会現象が起これば、より多くの県民の方々も「じゃ、私も、いっちょ投票所に行ってくるか」という機運が生まれるかもしれない。

そこで、上記11:00の投票率5.21%との発表以降、私はパソコンの前に座り続け、投票終了の20:00まで、ひたすら「投票」「出口調査」「県知事選」等のツイッター検索をし、そのまま拡散しました。

県民の方々が「投票だん」「(夕方に)今起きた。投票行かなきゃ」「出口調査初めて受けた」等のツイートを見つけては、RTといいねを、ひたすらつづけました。「掲示板にポスターないのはやる気がないのか」とのご批判のツイートも、あえてRTといいねしました。ですが、「投票に行かない」というツイートは、負の波及を生むので拡散を控えました。拡散を通じて、県民の方々が埼玉県知事選挙への投票を意識したり、投票所に足を運んでいる様子が、少しでも共有されればと思いました。

この間、私個人のツイートは、TLの中では、じゃまな副音声になってしまうと思い、ほぼ皆無にしました。以下は抜粋です。アイコンやハンドルネームは白色に今回私にて加工しています。同日に他県でも地方議会選挙や首長選がありましたので、あくまで埼玉県民と確認できる方のRTといいねをしました。

投票日に私がRTといいねした当時は、誰もRTやいいねしていなかったツイートが、今日見たら増えていたものもあり、県内で一定の拡散効果はあったのかもしれません。

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上記の拡散のお手伝いをしていて、すごく勉強になりました。

日常から政治関連のツイートをなさらない方々が、生活の一部で投票を考えてくださっていると実感しました。いわゆる無党派の方々かもしれません。

日頃から政治界隈の人々のツイートばかり見ていると、いかんせん視野が狭くなると痛感しました。政治ツイートをしない人が投票に向かう・向かわないという心理への理解に立ち遅れてしまうと気づきました。

特定の候補者を推す発信ができない投票日当日は、「投票行った」「これから行くぞ」等の拡散協力に終日地道に徹するのは、今後の新しいスタイルになるかもしれないとご提案を申し上げます。ですが、あくまで微力な1県民の取り組みに過ぎず、1つのツイートは、水の一滴にすぎません。そして、他の方々も思い思いに声がけをなさっていて、徐々に一滴一滴が集まって、大河になっていきます。

前回2015年の埼玉県知事選挙の投票率は26.63%でしたので、5.68%の上昇でした。何と言っても対決構図が今回は実現し、両陣営そして私たち県民が必死に活動をし、それらがあったからこそ、期日前と当日の投票率が、近年の日本政治では異例なほど伸びたのではと思います。

8/26(月)深夜に"埼玉知事選「最後の2日でやられた」 与党総力戦も浸透しきれず"(産経新聞)が公開されました。

「最後の2日でやられた。がっくりきている」 埼玉県選出の自民党衆院議員は投開票から一夜明けた26日、肩を落とした。

最後の2日とは、玉木代表が8/23(金)の大宮駅西口にて「どっちが勝ってもおかしくない。100票差かもしれない」と述べてから、がぜん潮目が変わったように思うのです。

そして、マイク納めをする最後まで「横一線だ」と、一票の怖さを胸に、声がけを続けるよう、引き締め続けた大野陣営の戦上手さを実感します。

今後を見すえた大野もとひろ陣営と野党の課題

奇跡の逆転勝利を収めた大野陣営と野党。

さりながら、街宣現場に参加し続けていると、「?」となったり、課題と思われる場面がいくつか見受けられました。

最初に、一番大きなところから考えますと、「争点」すなわち「問い」の設定が、広範の県民に響くものだったのか。

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現地でいただいたチラシにおいての争点の目玉は「県庁舎の建て替え議論について」となっています。街頭演説でも、大野さんはじめマイクを持つ方々は建て替え問題からお話を始めておられました。

ですが、東日本大震災以降、庁舎建て替えが争点化されることは実は東日本の自治体選挙や地方議会では珍しくありません。県民の方々も「本当にそれかなあ...?」との受け止めになってしまったのではと私は思います。

学術論文も、冒頭の問い(Research Question)からはじまります。問いの設定が外れると、論文は不調になります。問いが練れていて適切ならば、優れた論文が誕生しやすくなります。

例えば「上田県政16年間には不満はないけど、直近3回の知事選は盛り上がらずに低投票率で、多選禁止条例はあっても、4選になったのはなぜ?」という県民の日常感覚からの疑問に対して、県庁建て替えの争点化は、あいにく噛み合ってはいません。

もちろん、上記の疑問は私も持っていました。ですが、大野さんらの街頭演説を伺う日々で、ようやく疑問が解けてきました。それを4コママンガ風の解説にしました。ツイートはこちらです。

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青島けんたさん擁立への疑問を示したブログも、大変参考になりました。

このブログを元に、下記の比較画像を作成しました。ツイートはこちらです。

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埼玉新聞(8/19)は以下のように報じました。

新しい知事に最も力を入れてほしい政策では、「医療・福祉」が最も多く、「経済振興・雇用」「教育・子育て」の順となった。

では、「医療・福祉」を最優先に、それぞれ分野別にマニフェスト比較の解説画像を作成しようと私は考えました。あいにく「医療・福祉」の作成までに留まりましたが、以下です。ツイートはこちらです。

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そして、上記等の大野さんを推す資料に向けての、ツイッター上の導線を作りました。

投票を検討する県民の方々は、#大野もとひろ とツイッターのハッシュタグを入力して調べるとしたときに、同じ書き出しで #大野もとひろさんを私が推す理由 という字数最小限で、県民が大野さんを押し上げたいツイートを連ねるハッシュタグを作りました。上記資料はいずれも #大野もとひろさんを私が推す理由 でツイートしました。

同じ書き出しならば、ツイッターのハッシュタグの複数オススメの選択肢で表示されやすく、よって #大野もとひろ と入力する人が、検索候補で #大野もとひろさんを私が推す理由 も表示されると、「何だろう?」とご覧くださることを目指しました。

#埼玉県知事選挙 #埼玉県知事選 ともし検索入力しても、幸い選挙中は #大野もとひろさんを私が推す理由 の関連画像ツイートが比較的上位に表示されていました。

県内外の方々が  #大野もとひろさんを私が推す理由 を思い思いにツイートされました。

争点として、例えば「過去16年かけて脱してきた利権県政に戻っていいですか?」は、かなり直截的な表現かもしれませんが、県庁建て替えに比較して、県民にはより響いた可能性を私は感じます。

とはいえ、争点(=問い)の設定は本当に難易度が高いです。それを実感したのは、実は選挙戦でマイク納めがあった8/24(土)20時以降に、川口駅近くのラーメン屋に1人で入ったときでした。

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カウンター席に私は通されました。席の左隣には、お一人様の女性がおつまみと生ビール。右隣には、おそらく外食が多そうな若手男性サラリーマンがレバニラ炒め定食を1人で食べ、終始スマホを触っていました。現代日本の飲食店ではよくある風景です。

お一人様で現代日本を生きていくには、毎日が必死です。浮き草のように自分を思えて、今月はあっちに流され、来月はあっちに流されしながら、かろうじて生きていく。他人のことも、まして社会のことも、どうなろうと構っていられない。政治なんて、選挙なんて、自分が行こうが行くまいが、何ら変わりはないなら、あえて時間を割く必然性が見つからない。

投票所が近所の小学校としても往復で仮に徒歩20分。投票所で5分。でも30分以下で完結することはなく、調べ始めたら、捨てずに残っていたら選挙公報や、ツイッターや新聞やテレビに時間を割かねばならない。選挙中は連日1時間はツイッターチエックしようか、となることもありえます。

彼ら彼女らからみると、「政治は、まとまった時間を有権者に割いてもらう。その必然性は自分にあるのか?」との印象になります。

「自分が間違って投票したら、それで失政になったら、取り返しがつかない。ならば棄権したほうがいい」という解釈を持つ人すらいます。

埼玉県知事選挙は過去三回とも2割台の投票率であり、今回も3割を切って、微増にとどまるかもしれない。

上記のようなことを考えながら、川口駅近くのラーメン屋1で1人ラーメンをすすり、例えば、お一人様政策の重要性が、今回の埼玉県知事選挙では残念ながら見落されたと選挙戦最終日の夜に私は気づかされました。大野さんはじめどの候補も、一人で夜ラーメン屋に入ることは恐らくないと思われます。

国政と市町村の中間に県政があるので、実際にどう政策に落とし込むか、課題もあるかと思いますが、まだまだ政治は有権者に追いついていないと感じました。

普通な人が生きられる社会にしてほしい。今の社会は、普通の人が生きられない。幸運で生き延びる気持ちになれた人はよくても、運不運で左右されてしまう社会の仕組みとは何なのか。そう考える県民も水面下で日々増加していて、しかし投票にいく気になれない。でも政治を一番必要とする人々でもあるのです。

埼玉に住む限り、自分が社会から見捨てられない県政にするには?」という問いの設定はありえるのかもしれません。「それって、私のことだ」と手応えや共感を得られれば、「万難を排して投票所に行こう」となるかもしれません。「優先順位を生活の中で政治はどうやって上げてもらうか」という課題を感じました。それは争点設定で大きく左右されえます。そして、野党と市民が投票率を上げない限り、野党が選挙で勝つことはないのです。

さて、大野もとひろさんのツイッターアカウントで、日夜、精力的な発信が続き、申し分ないという気持ちで私も拝見し、拡散に努めました。

そして「大野もとひろさんのアカウントが発信しきれていない大野さんの魅力を、いわば別働隊になって、県民に伝えよう」と私も動くことにしました。

ことに時間の軸を県民と共にしていただける(=県民と共に生きる)には、最終週に朝から晩まで通い詰めた私にも、何かできることがあるように感じました。

早朝、県民の暮らしが始まるところから、深夜、県民の暮らしが終わるところまで、大野もとひろさんは共にあることを、共有しました。

大野もとひろさんは子どもがお好きな面もあって、票にならないのに、街頭で子どもとも率先してコミュニケーションをとる姿に気づきました。

この面も、本人アカウントでは発信が追いついていないように思われ、可能の限り伝えたいと考えました。

そして、街宣現場は、12時間連続、いいえ、最終局面では16時間連続の駅立ちという、全国的にも大変ハードなものになりました。入れ替わり立ち替わりで、所属がまちまちの議員の方々(落選中の方々も含む)が黄色いTシャツを着て、懸命に声がけや演説をなさり、頭がさがる思いです。

もし街宣現場で課題があったとするならば、全体を見るコーディネーターの方が、日時によっては現場に不在しているのではと心配になりました。

その場合、大野もとひろさん自身が、現場の仕切りの音頭取りを取っているようにお見受けしました。

ですが、ことに知事選のような大きな選挙では、候補者は極力現場の仕切りまでは関わらずに、気持ちよく有権者への対応に注力いただけるようにしたいところです。

サッカーの陣立てのように、現地で全体を拝見していて「人員配置で、こうしたらもっと効果的になるのに」という場面があっても、私は大野陣営に所属しているわけではなく、あくまで1人の県民です。それまでの文脈もあろうと、申し上げるのを控えました。

現場運営の別の課題では、上記の映像の3分から1分間くらい、上田知事自らが、ボランティアの方々にビラの渡し方のレクチャーをなさる場面がありました。

最終日8/24(土)の朝のことでした。相手候補を追い越せるかどうか、という横一線で、一票の怖さと重みがことに痛感されます。ですが、上田知事の目からご覧になったら、ボランティアの方々のビラの渡し方のスキルにばらつきがあったようで、やむなく、今言うしかないと、上田知事は身体をはってレクチャーをされていました。

野党共闘は、必ず混成チームになります。

よって参加者のスキルも当然ながらばらつきます。情報共有意思疎通も、一党だけで闘う選挙に比べて、難易度が跳ね上がると思います。まめに、くどいくらいに、リアルタイムで情報共有と合意形成をしていくことは不可欠です。

当然ながら、ボランティアさんに決して無理は言えません。

しかし、残念な矛盾ですが、候補者か陣営が無理を回避したら、決して選挙は勝てません。

埼玉県知事選挙を終えて気づいたのですが、キツい選挙でも、勝てれば充実感を持てます。キツい選挙は、候補者と陣営を鍛えます。今回はゲリラ的に、ゾウとアリの闘いでしたが、2期目は大野さんは横綱相撲を取れるでしょう。反面、大義名分や社会的要請があるのに、キツい選挙に萎縮したり、忌避する候補者、ひいては政党は伸びません。

ただ、繰り返しになりますが、ボランティアさんに決して無理は言えません。もしチラシ配りをしていて、言葉や身体的な暴力を受けたり、セクハラを受けて、精神的打撃を受けてしまったら、何もなりません。ボランティアさんはタスクや参加日時等を気持ちよく選ぶ権利がありますし、その保障に陣営は万全を期さねばなりません。

現場のスキルのばらつきをどうするかという課題について、埼玉県知事選挙以来、何日も悩み続けているのですが、なかなか容易に答えは見つかりません。もし易きに流れた選挙をして、風で偶然に当選しても、弱い政治家が誕生し、とても国内そして海外とのタフな交渉で生き残れず、人々の命と財産を守れません。アメリカも中国もEUも国内政治での切磋琢磨が壮絶(EU加盟国同士でも日々しのぎを削っています)なので、世界の政治の舞台でタフな発言力ある政治家が抜擢されてきます。

考えるときりがなくなってくるのですが、少なくとも、政治家も市民もともに参加できる政治についての学びの場が現状まだまだ乏しいので、そこから地道に始めないといけないのかもしれません。

ともあれ、無理なく、楽しく、連帯していくことに、解決の方向性があるのかもしれないと私は思います。

最後になりますが、大野もとひろさんに12時間マラソン駅立ちの現場で「地方議員以外に、一般の県民にもマイクを持ってもらい、県民目線でなぜ大野さんに知事になってもらいたいか、を話してもらってはいかがでしょうか?」とご提案しました。大野さんは「メンバーたちと検討します」と即答されました。

そして、街宣現場では県民が話す場面は見受けられなかったのですが、県内で夜間開催された演説会では県民の登壇があったようです。私からの上記提案を活用くださったのか、もともと内部で企画されていたかは、わかりません。ですが、上記の裸踊りの映像のファーストフォロワー役になってくれる県民がいらっしゃれば、例えば「困っている県民を見捨てないのは大野もとひろさん」という県民目線のオススメと評判が広がれば、社会現象が生まれる確度が高められます。

おわりに

ともあれ、今回大変キツい、キツすぎる埼玉県知事選挙となりましたが、#のぼうの城 のように、ゲリラ県民の私たちも草むらなどに潜って、大野もとひろさんと共に日夜闘いました。

今年10月には、大野もとひろさんが県知事選出馬のための欠員を埋めるため、参議院補選があります。

もしまた官邸が埼玉県を脅かすと思われます場合は、ゲリラ県民の私たちは県内各地で、思い思いに、日夜必死に防衛戦争をすることになるかと思います。

もし三浦博史さんが軍師になってお見えになったとしても、昨年の沖縄県知事選、今年の埼玉県知事選挙と敗戦を続けられ、二度ある事は三度あるで、またゲリラ県民の私たちは、新たにあの手この手を繰り出して、撃退します。

かなりキツい闘いになろうとも、手ぐすね引いて、埼玉の草むらにて、お待ちしております。

そして、前回の前編と今回の後編は、あくまで1人の埼玉県民の目線からの報告にすぎませんが、日本各地で「私もゲリラ県民やろうかな」と思われる方々の活動のヒントになり、官邸が全てを決める今の政治が改まって、日本の民主主義が回復しますことに、少しでも貢献できましたら、幸いです。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

追伸

上田知事にお願いがございます。

ゆめゆめお考えにないことかと拝察しますが、もし10月参院補選にご出馬の場合は、自公からの相乗りの申し入れを必ずお断りをいただきますよう、切に、お願いを申し上げます。

#大野もとひろ さんが県民とともに #埼玉県知事選挙 にて自公と死闘したのは何だったのかとなってしまいます。

もちろん補選のみならず、3年後の参院選にて、自公改選の方々とどう闘うのか、私たち県民が大混乱いたします。

ご賢察の通り、この県民の大混乱が自公は一番欲しいものになりますが、引き続き、県民のための政治を貫かれますよう、何卒、お願いを申し上げます。


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