不可解参(想)を観測したある観測者の手記
自分は日本のどこかに住むごく普通の大学生。
そんな自分が 2023年3月4日。
とある仮想空間にて体験した不可解な出来事について記す。
不可解参(想)とは
不可解参(想)とは 2018年10月から活動している バーチャルシンガー
”花譜”の 3 周年記念の企画として発表された不可解参(狂)の リビルドライブであり、これまで行われてきた ワンマンライブ 不可解の完結編にあたるものである。リアル会場で行われた不可解参(狂)とは違いバーチャル空間からの配信ライブとなっている。
開演、不可解参(想)
舞台の名は超構造体
ライブの舞台は概念武道館から始まる超構造体。数曲ごとに場面が変わりそれぞれの演出に心躍った。もちろん、どの場所どの曲もとても良かったが特に自分がよかったと思う部分について記す。
「魔女」
不可解参(狂)と同様に魔女からスタート。大部分のアレンジは狂と同じであったが部分的に違うアレンジがされていた。このアレンジが毎回予想できないとても素晴らしいもので大変楽しませてもらっている。
「裏表ガール」
花譜本人の言葉一つ一つを感じられる素晴らしい楽曲である。また大きな桜の木の下で歌うという演出もとても良かった。曲と場面がベストマッチしていた。
「K.A.F DISCOTHEQUE」
日本武道館での狂ったように飛び跳ねた記憶がよみがえった。自宅のモニターの前で今回も飛び跳ねていた。ノリノリで躍る花譜ちゃんがとてもかわいかった。
「糸」
公開されたのは4年以上も前だが、いつ聞いても色あせることなく新鮮さを感じる。これは花譜自身の成長によるものだと思う。ライブのたびに歌い方やアレンジが変化し、それぞれの良さを感じることができる。
「人を気取る」
「過去を喰らう」の完結編にあたる曲。曲名の通り、人であることを諦め、それでも人でありたいと願う曲。言葉の一つ一つに感情が宿っており、素晴らしい歌唱となっていた。また、地面が割れ浮き上がっていくという予測のできない演出に心躍った。
「狂感覚」
「不可解」の完結編にあたる曲。歌詞といい演出といい今回のライブで一番好きな楽曲だったかもしれない。狂っているこの世の中でも、自分とあなたとこの世界があるだけでなんとかなる、そう言われた気がする。
「命に嫌われている」
何度も聞いたことのある曲だったが、今までで一番感動を与えてくれた。花譜とカンザキイオリ、二人がそれぞれに訴えかけているように感じた。
「リメンバー」
花譜とカンザキイオリ、二人の日々を振り返り応援している曲のように感じた。この曲は自分たち観測者と二人で受け取り方や解像度が違うと思う。そういう意味では二人だけの曲かもしれない。
その他演出等
これほどまでに大きな舞台に驚いた。またそれぞれの舞台の作りこみもすさまじかった。3Dと2Dを組み合わせた演出、仮想空間が仮想空間でないと錯覚するような演出、どれも高クオリティなものだった。
カンザキさんと花譜ちゃんの会話の中の「最後じゃない」という言葉。とても素敵だった。そのあとにカンザキさんが「最後に」といった際に花譜ちゃんが「は、はい」と戸惑った感じを出していたのが本当に”最後ではない”
ということが花譜ちゃんの中で大切なことであると感じた。
観測を終えた自分が今思うこと
今回のライブに関して
ライブ全体を通しての自分の感想としてはもちろん「最高だった」の一言に尽きる。花譜が今回の会場である”超構造体”を歩き、登り、それぞれの場所での物語を紡いでいく。それらを超え、最後には次の世界へ旅立つ。単純な”ライブ”ではなく、様々な物語をライブとして具現化したものであるように感じた。初めに花譜が言っていたように、これは別れと出発の物語。完結という一つの区切りであると同時に、これからの新たな物語の始まりでもある。今後続いていく物語が楽しみである。
カンザキさんの卒業について
ライブの終盤で発表があったカンザキイオリの卒業について、その理由について、自分が思ったことについても記しておく。
まず、卒業について。素直に寂しくなるなと感じている。この先、彼自身の活動は続いていくとのことなので卒業とはいっても”お別れ”ではなく、自分としてはそこまでショックというわけではない。今後もカンザキさんの活動を見守り、応援していきたいと考えている。(花譜×カンザキイオリの曲は少なくなるのかな?そうだったら寂しい)
卒業の理由について。ライブ後に公開された動画を拝見しました。カンザキさんの作曲した楽曲からも伝わってくるカンザキさんの”生き方”というものが自分の中ではっきりと輪郭を持ちました。人としてどこまでも尊敬に値する人だなと強く思いました。これまでさまざまな壁に突き当たることがあったと思います。この先も大きな壁に突き当たることがあると思います。ですが、大きな決断をしたあなたはダイヤモンドの心を手に入れたといっても過言ではないはずです。さらに、あなたに救われ、あなたを応援してくれている人たちもいます。自分の道を自信をもって進んでください。いつまでも応援しています。(本人に届いたらうれしい)