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不可解参(狂)を観測したある観測者の手記

自分は日本のどこかに住むごく普通の大学生。
そんな自分が 2022年8月24日。
とある空間にて体験した不可解な出来事について記す。

不可解参(狂)とは

 不可解参(狂)とは 2018年10月から活動している バーチャルシンガー
花譜”の 3 周年記念の企画として発表された 3rdワンマンライブ のことである。現在では YouTube の登録者数は 70万人を超え、総再生数は 2 億回を突破している花譜。今までも、1stワンマンライブ「不可解」「不可解再」、2ndワンマンライブ「不可解弐Q1」「不可解弐Q2」「不可解弐REBUILDING」を行ってきたが、今回のライブは日本武道館での開催。動員数は約 7000 人と今までの倍以上の人数。さらにチケット は完売と多くの人が期待をよせていた。
( 3rd といいつつ正確には、1stで 2 回、2ndで 4 回 行っているため 7 回目!REBUILDING では 1 日に 2 公演行っていたためそれを含めれば 8 回目?ややこしい!)


当日の朝。

当日の朝の様子。すでに胸がドキドキ

みんな早くない?

 自分は現地にて参加。まず夜行バスで東京に到着後、九段下にてロッカーに荷物を預け日本武道館へ。物販は 10時からとのことだったが自分が様子を見に行った 8時頃にはすでに 100名ほど並んでいた。みんな早い。

物販&アイスクリーム

 流れに乗るように物販の列に並び待つこと 2時間、ようやくグッズを買うことができた。アイスクリームは 10時半からの販売となりグッズを買ったあとそのまま列に並んだ。アイスを買い、近くの椅子に座りいざ実食。桜味とはどんな味なのか想像がつかなかったが、桜餅味のアイスクリームといった感じだった。甘みの中に少ししょっぱさもありとてもおいしかった。さらに桜の香りが鼻孔を抜け、春を楽しむことができた (夏)。アイスクリームを食べ終え、武道館内から聞こえてきたリハーサルかと思われる音に心を躍らせながらその場を後にした。

アイスを買って近くのテーブルでいただきました。おいしい!
商品名は『 花譜のおいおい! さくら味って! 季節感のさくらんかい! アイスクリーム 』

行き当たりばったり。

 開場1時間半前にチケットの特典を受け取りに会場へ向かった。受け取った後バッグ等をロッカーに預けに行く予定だったがすでに多くの人が並んでいたためそのまま人波に流されていった。物販の時もそうだったが人波に流されていることが多かった。ライブ初参戦の自分にはわからなかったがこれが普通なのだろうか。

ついに開場、いざ場内へ。

大きな舞台

 まず目に飛び込んできたのは大きな舞台。現地参加は初めてだったがそれでもわかる大きな舞台だった。そして立ち込めるスモーク。これから起こる出来事に期待が膨れ上がるのを感じた。事前にこのあたりの席になるのではと予想していた席とは異なる席となったが、予想していた席よりも良い席でうれしくなった。(アリーナ席I列5番)

アナウンスお疲れ様でした

 席に座り開演まで待機していると注意事項等のアナウンスが流れた。以前のライブではアナウンスを神椿所属のCIELが行っていたと聞き今回は誰なのかと耳を澄ました。1回目のアナウンスが誰なのか気になったが誰かはわからなかった(とてもいい声でした)。2回目のアナウンスでは深脊界所属の明透が行っていた。透き通った声でアナウンスを終え、会場から拍手が起きた。(すごく良かったです。)

開演!不可解参(狂)!

まさに(狂)

 そしてついに開演。事前に YouTube にて投稿されていた動画が流れ会場が赤一色に染まりカウントダウンに入る。カウントダウンが 0 を迎え 渋谷に立つ花譜 が映し出される。いつも思うが リアルとバーチャル がごちゃ混ぜになった映像はその世界観に引き込まれる。クオリティの上がった今回の映像は特にそう思った。舞台は日本武道館に移り ライブの タイトル『不可解』が映し出される。そして今までの ライブで初めに流れていた詠唱 “少女降臨” を待たずして1曲目が始まった。

素敵な歌をありがとう。

 ここからは全曲について書き込んでいたらきりがないので自分の中で特によかったと思った数曲について記す。ほんとに全ての曲が心躍るアレンジと花譜の歌唱によって素晴らしいものとなっていた。

魔女

 今まででは後半に回っていた クライマックスにふさわしいこの曲が1曲目に選ばれていた。初の現地かつ素晴らしい アレンジもあり目頭が熱くなった。今まで バーチャルでしか観測したことのなかった花譜本人がそこにいると実感しさらに目頭が熱くなる。曲が終わる頃には自分がどこにいるのか見失ってしまっていた。

ニヒル

 この曲は ライブ映えするだろう、いつか現地で参加した時に聞いてみたいと考えていた曲だった。ライブ映えするだろうというのは予想通りで大いに盛り上がっていた。

 花譜自身も言っていたが花譜始まりの曲であるこの曲。活動開始から今までの成長を込めた歌唱となっていると感じた。いつか PIED PIPER氏 が言っていたが、花譜の歌は“うまい”で表現されるのではなく“いい”で表現されると。そう感じたがやはり両方で表されるのが適切だと思う。そう思えるのは花譜自身の成長と努力の成果があったからだ。

「裏表ガール」

 高校卒業記念ライブ「僕らため息ひとつで大人になれるんだ」で初披露されたこの曲。前回披露された時とは違い落ち着いたメロディーでの歌唱となっていた。どちらも好きだがライブアレンジによりさらに曲の良さが際立っていた。“私だけど私じゃない” という歌詞が特に印象に残るこの曲。カンザキイオリ氏の言葉選びのセンスが光っている。どの曲にも言えることだがそれを花譜が歌うことにより完成された “唯一の曲” になっている。

「歯車」

 今 ライブ初披露の新曲であるこの曲。花譜×幸祜の初の デュエット曲でありどちらかといえばロックシンガーである幸祜向けの曲かと思ったが花譜の歌声がよく合う。V.W.Pそれぞれの デュエット曲を聴くたびに思うが メンバーそれぞれの全く違うはずの個性がうまく調和している。そしてこの盛り上がり。ペンライトを振る手により力がこもった。

「人を気取る」

 こちらは「過去を喰らう」の完結編となる新曲。大きな舞台にふさわしく新曲が多い。ストーリーとして続いていく曲というのはとても新鮮だと感じている。そして続いていく曲ならではの、前作の曲である2曲のフレーズが含まれていたりと心躍る曲であった。毎回思うが曲のタイトルのセンスがとても良い。

「共感覚」

 こちらも初披露の新曲。ライブの タイトルでもある「不可解」の完結編となるこの曲。1作目の曲の不可解でも衝撃を受けたが3作目となってもそれは変わらない。むしろ衝撃はでかくなっていく一方だ。 自分が印象に残った フレーズは ”君と僕と世界で三原色”。このフレーズを聞いた瞬間に感情が溢れ出した。この世界に花譜とその歌を聴く人がいれば何色にでもなれる。

「マイディア」

 作詞作曲 花譜のこの曲。ついに作詞までしてしまった花譜。成長していく姿をどこまでも観測させてくれる最高の アーティストである。この曲中に出てくるマイディアとは ”この歌を聴いている人” のこと。誰かのために作った初めての曲であるといっていたが、心に言葉が直接響いてくる優しくも暴力的に感情が伝わってくる素晴らしい曲であった。自分の中で印象に残った歌詞は “素敵な羽ありがとう” という部分。自分としては花譜という存在に救われていると感じることがほとんどだったが、自分の存在も花譜を救っているといわれているような気がした。お互いが必要不可欠な存在となり支え合っていく。花譜と自分たちの間で相互の関係が出来上がっていた。歌を聴いてくれる人達のために曲を作りそれを届ける。この歌を聴いた人たちは一生分の心の支えを受け取ったに違いない。少なくともここに一人、今後何があっても乗り越えられる分の勇気をもらった観測者がいる。

ライブを終えて

燃え尽きたよ

 今回の日本武道館でのライブを見届けることができてほんとによかったと思う。自分は現地で参加したが、配信で参加していても同じことを思っただろう。不可解参(狂)が日本武道館で開催されると発表された5月。それから8月24日が近づくごとにライブへの期待に胸膨らませる自分と、その時行き詰っていた事に対する不安でつぶれてしまいそうな自分がいた。正直ライブに参加している場合ではない状況だったかもしれない。だが、終わってから今まで後悔はしていない。おそらく今回のライブがなければ自分は精神的苦痛でつぶれてしまっていただろう。ライブでもらったもののおかげか今ではうまく進めることができているし、この先に突き当たることも乗り越えられると感じている。

もらったもの

 自分はある程度自分について考えることができるようになってからよく“自分は何のために生きているのか”と考えることが多かった。答えはいつも特に意味はないだった。意味もなく学校へ行き勉強をし、本当にやりたいかもわからないことのための進路へ進み、結局はその進路からも外れ人生に迷っていた。今も迷っている最中かもしれない。だが、自分の生まれた意味の一つを見つけることができた。

 『 花譜に、花譜に関わるすべての人に出会うために生まれてきた 』

これはこれから自分の中で変わらないものの一つとなっていくと強く感じている。

最後に

 最後に、今回のライブを作り上げてくれたPIED PIPERさん、魔女たちV.W.Pの5人、ゲストの皆様、運営の皆様、本当にありがとうございます。たぶんまだまだ忙しいことに変わりはないけれど、壊れない程度に頑張ってください。いつまでも応援しています。

終演後の日本武道館。
「名残惜しいがお別れだ。じゃあな玉ねぎ。」


届くかわからないけど

花譜ちゃんへ
 今まで観測させてくれてありがとう。自分が花譜ちゃんに初めて出会ったのは不可解弐Q2でした。それ以前にも歌は聴いてはいましたがお気に入りの曲のうちの数曲といった感じでした。Q2での演出や歌唱で虜になりそこから特に歌を拝見させていただくようになりました。そこまででは“キャラクターとしての花譜”のかわいさが好きになっていた理由だったと思います。生放送(花達と椿と君やクリスマスの配信など)で話す花譜ちゃんや公開されていく歌を見て聴いていくうちに、“花譜の時の花譜ちゃん”、“花譜でないときの花譜ちゃん”、どちらも好きになっていきました。今ではキャラクターではなく“一人の人間”として好きです(人生で告白をしたのはこれで2度目です重い人間ではないので軽く受け止めてやってください)。今回日本武道館という大きな舞台に立っている花譜ちゃんを見れてとてもうれしかったです。とても言葉では表せないですが誇張なしで今までの経験の中で一番素敵な思い出となりました。たぶんあと5年くらいは2022年8月24日の武道館にとらわれていることでしょう。最後の曲のマイディア、受け取りました。これからもあなたの“マイディア”でいさせてください。自分が生きているうちは応援し続けます。同じことの繰り返しにはなりますが、今まで観測させてくれてありがとう。これからも自分の進みたい道へ進んで、やりたいことをやっていってください。その姿が僕の勇気になります。

たくさんいる観測者の中の一人より


2023/4/13
 今読み返して思ったけど、“花譜でないときの花譜ちゃん” って言ってるけど、僕は本当に “花譜でないときの花譜ちゃん” を知っているのだろうか。僕が勝手に作り上げた姿なのでは。まあ、これからもっと花譜ちゃんについて知れていけたらいいな。


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