石鹸のアルカリっていいの?
石鹸シャンプーを理解してもらえない理由の一つに『石鹸はアルカリ性である』ということがあります。
たしかに、石鹸は弱アルカリ性です。
ワンネス石鹸で言えばpH 8くらいです。
アルカリ性ではない石鹸があるとしたらそれは石鹸ではありません。
石鹸か否か、というのは実は表示の基準がとても複雑ですのでまた別の機会にお伝えしますね。
さて、石鹸はアルカリ性なのに髪を洗ってもいいのか?と疑問に思われるかもしれません。
洗浄剤というのは、石鹸という界面活性剤で洗うか、合成界面活性剤(普通のシャンプー)で洗うか、天然界面活性剤(サポニンなどを含むハーブなど)で洗うか、どれかになります。
『界面活性剤』を理解していただかないと難しくなるのですが、とっても簡単に言えば石鹸のアルカリというのは髪や肌に残りません。
泡立ててモコモコしている時は『洗浄中』でアルカリが働いています。
その後、水やお湯で濯ぐと、さっと泡は消えて流れます。
泡が消えたらもうアルカリ残っていません。
とはいえ、髪はアルカリによりキューティクルが開いていますのでクエン酸リンス使ってキューティクル閉じさせます。
肌や髪は弱酸性なので、石鹸はそれに触れるとアルカリの効力を失い洗浄力も弱まります。
だからしっかり泡立てて洗わないと洗えたことにならないのです。
わかりにくいですよね。
ヘアサロンにて実験しました。
泡立てたアワアワ液(アルカリ性)にクエン酸リンス(酸性)を入れます。
すーっと泡が消えていきます。
pHを測ると、もうアルカリではありません。
アルカリで汚れを落とすけど水と酸性のものでアルカリを失います。
これは肌や髪にアルカリが残っていない、ということです。
洗っている間は確かにアルカリ性ですが、石鹸でシャンプーする時間は数分です。お湯で流しクエン酸リンスをすればもうアルカリ性ではありません。
残留しないので肌や髪を傷めません。
対して普通のシャンプーはどうでしょうか?
アルカリ性のシャンプーというのはないので、シャンプーにパーマ液を混ぜてアルカリ性にしてみました。
(ヘアサロンでの実験ですので (笑))
これに先程と同じクエン酸リンスを入れます。
どうなるでしょうか?
ずっと泡は消えません。
pHは下がっています。
でも泡は残っているということは合成界面活性剤は効力失わず、働いているということです。
アルカリのチカラで洗浄しているのではなく、合成界面活性剤のチカラで洗浄しています。
泡はいつまでも消えませんので、肌や髪に残留し続けている、ということになります。
合成界面活性剤はタンパク質を溶かす性質持っています。
合成界面活性剤にもいろいろありますので、全てを悪とは言いません。
しかし、どれを使ってもやはり髪は内部を損傷しフニャフニャ(ハリコシがないのでサラサラとも言える)になっていきます。
トリートメントで補っても空洞になっていますので、栄養分は留まれず、使ったその時しか効果を感じません。
全てを同じ条件で比べたわけではないので、実験としてはかなり乱暴です。
シャンプーにパーマ液なんて混ぜませんし!
この結果だけで、合成界面活性剤を悪と言うには説得力は足りないでしょう。
でも、石鹸という界面活性剤と、普通のシャンプーの合成界面活性剤がどう違うのか?は少しわかっていただけましたでしょうか。
わかりやすい実験を思いついたら、また実験してみますね。