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セレンディピティについて
「セレンディピティ(serendipity)」という言葉があります。
「偶然の産物」とか「幸運な偶然を手に入れる力」を意味する言葉です。
ノーベル賞の受賞者や事業経営者のインタビューなどでも、たびたび使われています。
この言葉は、イギリスの小説家ホレス・ウィスポールが18世紀に生み出した造語であり、彼が子供のときに読んだ『セレンディップの3人の王子』という童話に由来します。
セレンディップとはセイロン島、現在のスリランカのことで、つまり、題名は「スリランカの3人の王子」という意味です。
物語の中で三人の王子たちは、旅をしながら遭遇するさまざまな障害を解決していくのですが、彼らの聡明さや鋭い洞察力が数々の偶然の発見をもたらす様子が描かれており、これが「セレンディピティ」という言葉の語源になっています。
この寓話は、ただ運が良いだけでなく、観察力や柔軟な思考を持つことで偶然のチャンスを活かし、価値ある発見や成功に繋がることを示唆しています。
ここから、科学やビジネスなど、思わぬ発見が重要とされる分野において「セレンディピティ」という考え方が広く引用されるようになりました。
たとえば、科学においてはペニシリンやX線の発見など、ビジネスにおいては3M社のポストイットやTwitter(現在のX)の開発など、意図せずして偶然に見つけられたものが社会に大きな影響を与えた例は数多くあります。
しかし、その「セレンディピティ」は単なる偶然の産物なのではなく、当然に日頃からのコツコツとした努力がベースになっているし、新たな可能性を常に虎視眈々と狙う先見性や洞察力があってこそです。
「チャンスは準備している者にしか訪れない」といいます。準備ができていない人には、それがチャンスだと気付くこともできないからです。
やはり、「人事を尽くして天命を待つ」姿勢が大切だということですね。
常にアンテナの感度を上げておかねばと思います。
【2024年11月20日】
ワンネスグループ株式会社
代表取締役 寺田 崇