ゲーム制作のモチベーション
この記事は、[Board Game Design Advent Calendar 2024] の第14日目の記事として書かれました。遅くなってすいません。
まえがき
皆様こんにちは。ワンモアゲーム!の梶野です。
今回のゲームマーケット2024秋で、5年ぶりの新作「Revolve!」を発表することが出来ました。制作に関わっていただいた皆様、購入していただいた皆様、遊んでいただいた皆様、ありがとうございました。
何故5年もかかったのか、その原因は何と言っても「ゲーム制作のモチベーションが上がらなかった」ことに尽きると思います。創作におけるモチベーション、めちゃめちゃ大切です。
今回は下がったモチベーションをどうやって上げたのかを主題に書いていきたいと思います。
モチベーションが下がった経緯
上げる前に下がった経緯を書きます。
ここは人によってケースバイケースなのでご参考までに。
「モチベーションを上げるために」まで読み飛ばしても大丈夫です。
前作から新作までの年表
前作SCOUT!発表から新作Revolve!発表までを年表にするとこんな感じです。
大きく分けると二つの要因でモチベーションが下がりました。
SCOUT!発表後の「前作の壁」
SdJノミネート後の「人生における目標の達成」
前作の壁
年表を見てもわかるのですが、SCOUT!発表から精力的に出展しています。
この間はSCOUT!の販売/普及に力を入れていて、あまり時間も無かったのですが、それでもゲームデザインは行っていました。
今ノートを読み返すと「すごろく」や「通貨を使わない株ゲーム」などを主に考えていた様です。
これまでもゲームを制作する時には「前作よりも面白く」を目標に作っていたので当然と言えば当然なのですが、「SCOUT!より面白いゲームを作らなくては」という使命感がありました。
SCOUT!は自分の中で会心の作品でした。
当然そう簡単に超えられないまま時間が経過します。
人生における目標の達成
私の人生において「歴史のどこかに自分の名前を残したい」という、大変おこがましい目標がありました。
少しでもその目標に近づくために、カワサキ工場長さんやカナイセイジさんの様に、世界中で広く遊ばれるゲームを作りたいと言う思いから、梶野桂と言うデザイナー名も、お二人の"K"にあやかって付けています。
そして、2022.05にSCOUTがドイツ年間ゲーム大賞(SdJ)にノミネートされました。その年はドイツに2回渡り、夢のような時間を過ごしています。
大賞こそ取れませんでしたが、SCOUTは海外でも大変評価頂き、2024.12現在はBGGランキング100位にランクインしました
前作の壁を越えられないまま、ここまでの評価をいただいた時に
と考えてしまい、より創作に対するモチベーションが下がったのです。
モチベーションを上げるために
この時点でのモチベーション、かなりどん底です。
やってみて効果があったな、と思うことだけ以下に書きます。
得意なジャンルで作る
「すごろく」や「株ゲーム」は好きなのですが、面白くするのが自分には難しかった様です。自分の得意だと思うジャンルで「ゲーム作り自体の楽しさ」を思い出すことにしました。
前作SCOUT!で慣れていたおかげもあり、ゴーアウト系のジャンルで幾つか作り始めたところ、少しゲームを作ることが楽しくなってきました。
(年表の2023.12に"ゴーアウト*2本トリテ*1本 試遊"と書いてありますが、楽しくなってきた時期です。これのうちのひとつがRevolve!の原型になっています。)
悔しいと思う
面白いゲームを遊んで刺激を受けることも、モチベーションアップに繋がります。「こんな簡単なアイデア、自分でも思いつけたはずなのに」って悔しくなると、創作意欲が湧くタイプです。
昔からあるゲームだったり、同人ゲームだったりするとより効果があります。「こんな古いゲームなのにこんなに面白いのか」「ゲームマーケットでこのゲームと面白さを競うのか」って思うと、ちょっと燃えます。
これは…その人のタイプによりますかね。
ただ反骨心は意欲向上につながるのでお勧めです。
ちなみにSdJ獲れなかったこともたまに思い出します。ちゃんと悔しい。
応援してもらう
流石に5年新作出していないと、テストプレイヤーの方からも気を使っていただいたりします。明らかにプレッシャーで潰れてましたからね…。その節はありがとうございました。無事新作を出す事ができました。
また、SNS等で遊んで貰えた人のメッセージなどを読むと元気が出ます。
状態によってはプレッシャーになることもあるので、状態のいい時に読み返すと「やるぞ!」ってなります。こちらもありがとうございます。
ゲームマーケットに一般参加する
私は元々同人活動という行為に強い憧れがあり、同人活動をするためにボードゲームを作り始めたのです。
一度出展した身として一般参加すると寂寥感があります。
もう一度ちゃんと新作を出して、ゲームマーケットに出展したい。
サークルを立ち上げた時の感情が蘇り、失いかけていた「ゲームを作る意味」が取り戻せたと思います。
モチベーションが上がった後
主題では無いですが、モチベーションが上がった後やることはひとつです。
ひたすら作る
モチベーションが上がった後(もしくは上がったと自分をだませた後)は、ひたすらゲームを考え、テストキットをつくり、ひとりでテストプレイして、テストプレイ会へ持っていくループへ持ち込みます。
ゲームが面白くならないと、この途中でモチベーションが下がることもあります。ですが、作る楽しさを思い出すことも同時にあるので、一度ループの中に入ればそこまで悪くはなりません。闇雲にやり続けて、挫けても立ち上がり続けるしかないと思っています。
できるだけループを切らさない。定期的なテストプレイ会は重宝します。
主催の皆様ありがとうございます。
新作が出た後
ここから先はあまり説得力がありません。
なんせ前作から5年かかってますからね…。
これからやってみようという取り組みの話です。
すぐに次の作品に取り掛かる
ゲームを作っている最中に、他のゲームが思いつくこと、ありませんか?
私はよくあります。今後はイベント向けのゲームが出来た後はできるだけ速やかにそのゲームについて取り掛かろうと思います。
新作リリース後の手間を減らす
次の作品に早くとりかかるため、今回から新作を出した後の手間をできるだけ減らす行動を取っています。
説明書をnotionにしてエラッタがあってもすぐに変更出来たり、印刷所を固定して再販を簡単にしたり、などです。
コンポーネントの質とか色々気になることがあるかもしれませんが、作品を多く作るためのアクションなので、ご容赦ください。
あとがき
結構長く書いてしまいました。すいません。
こう…まとまりのある文章が書けないので、読みにくい文章で申し訳ないですが、ゲーム制作のモチベーションが下がった誰かの、上がるきっかけに少しでもなったとしたら幸いです。
Revolve!制作ノートも書いてみたんですが、紆余曲折ありすぎてまったくまとまらなかったので諦めて捨てました。
また何か作品が出来たら、文章に残して行きたいと思いますので、機会があればお付き合いください。
最後までお読みいただきありがとうございました。