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Z世代はみんなへの気遣いが隠れ我慢の原因に?【ハナラボ×ワークショップレポート 前編】

ツムラがZ世代の学生と取り組む「Z世代の#OneMoreChoice」
#OneMoreChoice プロジェクトとは、ツムラが「誰もが不調を無理に我慢することなく、心地よく生きられる健やかな社会」を目指して、中長期で取り組むプロジェクトです。 
 
2021年にツムラが公表した「なんとなく不調に関する実態調査」では、不調症状を抱えている人が約6割と多いこと、特に女性の7割では、さまざまな不調を感じても薬にも病院にも頼らず我慢しているという実態が明らかになりました。
さらに「隠れ我慢に関する実態調査」では、女性の約8割が心身の不調を無理に我慢して家事や仕事を行う「隠れ我慢」をしていることも分かりました。
この現状に対して、創業から100年以上にわたり、女性特有の不調に寄り添ってきたツムラだからこそできることに取り組むため、このプロジェクトが立ち上がりました。
 
今回はその取り組みの一環として、Z世代にフォーカスを当て、女子学生の創造力やリーダーシップを育むNPO法人ハナラボ所属の学生さんとワークショップ「Z世代の#OneMoreChoice」を開催しました。その模様をレポートいたします。

日常に潜む隠れ我慢を見つけ、本当の気持ちを探る
ワークショップはハナラボの学生さんをツムラ本社に招いて、10月と11月の2回にわたり開催されます。10月29日(土)に実施したワークショップ1日目では、自分の隠れ我慢のシーンや実態を知り、隠れ我慢のインサイト(隠れている本質)を発掘していきました。

まず初めに、自分がどんな場面で我慢しているのか振り返るところからスタート。出来事やシーンとその時の気持ちを思い出し、ワークシートに書き出しました。続いて、隠れ我慢をする時の行動や気持ちを探るペアインタビューへ。話し手と聞き手に分かれ、その時の気持ちや理由を聞き出していきました。
 
「学校の冷房が強くて辛かったけど、だれにも言わずに我慢していた」
「友達と遊びに行ったときに、プランを組んでくれた友達に悪いと思って自分が生理で体調が辛いと言い出せなかった」
 
インタビューの中で、学校生活やサークル、アルバイト、インターン、友人との交流など日常の様々なシーンで「隠れ我慢」をしている実態が浮き彫りになりました。
 
「自分では意識していなかったけど、人に話すことで隠れ我慢だと気付いた」
 
気になった点はさらに深堀りし、本当の気持ちを探っていくことで、新たな気づきを得られたケースも見受けられました。

隠れ我慢をどうなくしていくか。意見や気づきをシェア
その後、インタビュー結果から得られた隠れ我慢への気づきを互いにシェアし、隠れ我慢をなくすために大切なもの、視点などを模造紙に書いてまとめる作業に入りました。まとめの際には、ツムラ社員の#OneMoreChoice プロジェクトメンバーも参加し、学生さんと一緒に隠れ我慢のインサイトに迫っていきました。

「生理の状態は月によって違う。重かったり軽かったり。旅行や遊びなどで事前に伝えられたらいいけれど、なかなか難しいよね」
「SNSでキラキラした人たちを見ると、比較して自分は頑張りが足りないと思って辛くなる。見たら傷つくのに、そう分かっていても見ちゃうのはなぜなんだろう・・・」
「生理の辛さのことを理解してもらい、辛いときには察してほしいけれど、でも男子に自分から伝えるのに抵抗がある。同性の友達には気軽に伝えられるのだけど」
 
様々な隠れ我慢や悩みと向き合う中で、グループの中で共感しあったり、意見を交わし課題を共有しながらそれらの原因や背景などに考えを巡らせ、深めていく作業を行いました。その中で参加者の間では多くの気づきが得られたようです。
 
「『同じことを友達に言われたらどうなの?』と言われてはっとした。友達と旅行に行ったとき、生理が辛いことを伝えるのは悪いと思って我慢していたけれど、友達からそう言われたら『大変だね。別のプランにしようか?』と提案すると思う。なぜ自分だけ我慢していたんだろう」
「『我慢は後から気が付く』ということに気づいた。体調が悪い時、何か言われて嫌だった時、その時は我慢していると思っていないけど、後からどっと疲れて後悔する」
「悩みは伝えやすい人とそうでない人がいて、私は同性で年齢が近い人には言いやすいけど異性や年が離れている人には言いにくい。否定されるのが怖いのかも」

各グループが考える隠れ我慢のインサイトとは?
白熱の議論を経てまとめ作業に入ったのち、最後に3班それぞれが「隠れ我慢」のインサイトについてまとめた内容を順番に発表しました。

ある班では、特に「対人関係」で我慢が出やすいという結論に。
「年上の方から指示されると、正直に意見が言えない」
「体調が悪い時、母親には言えても、父親にはなかなか言えない」
「グループ行動の場合は自分が休むと周りに迷惑がかかる」など、一人なら我慢しないのに、他人がいることで無理しがちになる傾向も見えてきました。
 
別の班では、隠れ我慢をしないためには「自分を受け入れること」が大切だという意見も。「こうあるべき」という固定観念にとらわれて他の選択ができなかったり、その場の雰囲気や人の表情を気にしてしまったり。また、人と比較し自分を受け入れることが難しくなるため苦しくなっている、と分析していました。
就職活動中の参加者からは「理想を高く持つと、自分のキャパを超えるしかないけど、そうすると自分が壊れていくのを感じていたので共感した」という声も聞かれました。
 
参加者からは
「みんなすごく他人に遠慮をしていて、楽しみたいけど身体は辛いという状況。自分の体調を優先させるか、相手の気持ちを尊重するかに悩んでいるのが伝わってきた。選択肢がたくさんあることを知って、その中から自分で選べると良いなと感じた」
との声が挙がりました。

他人と話すことで初めて気づける「隠れ我慢」も
1日目のワークショップを終えて、参加者の学生さんからは、このような感想が寄せられました。
 
「他の人の隠れ我慢を聞いて、自分も同じように我慢していた、あれは隠れ我慢だったんだと気づくことがあった。模造紙に書き出すことで、課題を整理できて解決策まで導き出せたのはよかった」
「直接会ってワークショップをするのが久しぶりでとても楽しかった。もやもやと一人で抱え込むことが多かったけれど、皆も同じような悩みを持っていると知れたし、他の人の隠れ我慢を聞いて、自分とは違うけれどそういうケースもあるんだと気付き、考え方が広がった」

11月に開催する2回目のワークショップでは隠れ我慢をなくすアイデア創造を行う予定です。参加者には、次回までの課題として、今回明らかになった隠れ我慢を乗り越えていくためのインサイトを検証していく課題が出されました。次回ワークショップのレポートは12月上旬にアップされる予定です。次回レポートもぜひご期待ください。

#ツムラ #OneMoreChoice