デメリットを解消!プロが実践する洗濯石けんの失敗しない使い方
こんにちわ!宅配クリーニングのone moreのクリーニング師、久保です。
私達は、普段のクリーニングで石けんを使っています。
以前は、ごく普通の業務用洗剤を使用していましたが、私に子どもが生まれたことをきっかけに、「今のクリーニングは、赤ちゃんにも大丈夫?」ということから、石けんを使うようになりました。
(開発ストーリーについては、こちらをお読みくださいね!)
石けんって、身体にも環境にも安心して使えて、洗浄力も高くて、とっても魅力的ですよね。
ただ、一方で「石けんカスが残る」「洗濯物が黄ばむ」といった声も聞きます。事実、石けんはちょっと使い方にコツが要ります。
今日は、私達が実践している洗濯石けんの使い方について解説したいと思います!
洗濯石けんを使うメリットとデメリットは?
◎メリット
①肌への負担が少ない
アトピー・敏感肌さんに好んで使われる石けんは、肌にやさしいイメージがあるかと思います。その理由は、「酸性に触れるとはたらかなくなっていく」ことにあります。
人間の肌は酸性なので、人の肌に触れると石けんは徐々に働きが弱くなっていきます。なので、刺激が少なくてすみます。
対して合成洗剤は、いろんな環境で働けるように作られているので、肌の上でも働き続けます。それが肌への刺激になってしまいます。
②仕上がりが柔らかい
石けんには、柔軟剤にも使われる「グリセリン」という成分が含まれます。これは石けんが製造される過程で副次的に発生するものですが、これば衣服の摩擦を和らげる効果があります。
洗濯機の中で、こすれて繊維が傷むことを抑えてくれるので、仕上がりが柔らかくなります。
③環境にやさしい
石けんは、生分解性が高いことは有名で、排水が微生物により分解されるスピードが速く、環境負荷が軽くてすみます。
ご家庭では、直接河川に排水することはないかとは思いますが、僕らクリーニング工場は、処置をした上で河川に放流している所もあります。
これも僕らが石けんに切り替えた理由の1つです。
④洗浄力が高い
環境にやさしい=洗浄力が低いと思われがちですが、実は違います。石けんは水に溶けるとアルカリ性な為、中性洗剤よりも洗浄力が優れています。
アルカリ性になると、それだけで油等を分解する作用があるからです。環境にやさしく洗浄力も高いのが石けんだと言えます。
◎デメリット
ここまでいいことづくめの石けんですが、石けんカスが発生してしまうというデメリットがあります。
石けんカスはいわば油分の塊みたいなものなので、カビ・雑菌の恰好の餌になってしまいます。石けんを使っていると、洗濯機がカビる!というのはこれが原因です。
デメリットが発生する理由とは、、、
では、なぜ石けんカスが発生してしまうのでしょうか。
①低温に弱い
石けんは、低温だと働きが鈍ります。うまく水と溶けないと言った方が分かりやすいかもしれませんね。水に溶けきれなかった石けんが洗濯機に残ると石けんカスになってしまいます。
②酸に弱い
石けんは油分にアルカリを混ぜることで作るのですが、逆に言うと酸が混ざることで元の油に戻ってしまいます。この油に戻ってしまった物と溶け残った石けんが石けんカスの正体。
衣服についている汚れは時間と共に酸化していき、酸性になるので、汚れに対して石けんの働きが弱いと、酸に負けて油になってしまいます。
③金属に弱い
石けんは汚れよりも金属の方が好きなんです汗
水中に金属が含まれていると、本来落としてほしい汚れをそっちのけにして、金属と反応し、金属石けんと呼ばれるものに変わってしまいます。こうなると汚れを落とす力が0に。。。
温泉や海外だと石けん泡立たない!と聞いたことはありませんか?その理由がこれです。
でも、日本の水道水は軟水ですよね?と思われるかもしれませんが、水道管に含まれる金属や、カルシウムが含まれており、完全に軟水というわけではありません。この微量な金属にすら石けんはとびついてしまいます。
この①・②・③の理由から、今の日本のお洗濯環境を考えると普通に洗濯機に石けんを入れるだけでは、うまく機能しない可能性が高いです。
デメリットを解消!失敗せず使うコツ
じゃあ石けんは全く使えないのかというとそうではありません。僕たちが普段どういう風にして石けんを使っているのか使い方を解説しますね。
①温水で洗う
1つ目は、温水で洗うこと。適温は30℃~38℃くらい。あんまり高すぎると特に色物が傷んでしまうので気を付けてくださいね。
お風呂の残り湯を使うのも1つの手だと思います。
②重曹と一緒に入れる(アルカリを補填する)
2つ目は、大匙2~3杯くらいの重曹と一緒に石けんを入れています。酸性になると石けんは油に戻ってしまうので、水に溶けるとアルカリ性となる重曹を入れてあげることで、石けんを援護射撃します。
また、重曹から発生する炭酸ガス自体にも洗浄効果&消臭効果がありますので、臭いで悩んでる方には特におすすめです。
重曹自体の安全性も高く、重曹で歯磨きだってできます。あと、お風呂のお湯に入れるとお湯が少し柔らかくなるのでこちらもオススメの使い方です。
③クエン酸で石けんカス予防&仕上げを柔らかく
最後に、僕らは柔軟剤代わりにクエン酸を入れています。家庭用洗濯機だと小さじ1杯~2杯くらい。柔軟剤ポケットに入れます。
溶け残った石けんカスを洗い流す効果があり、洗濯機のカビ予防に役立ちます。
また、石けんだけだと衣服がゴワゴワするときもあるのですが、クエン酸を入れることにより、よりさっぱり柔らかくなります。
石けんだけがいいとは限らない?洗剤選びのコツ
今回は、石けんをうまく使うコツについてお伝えしました。
肌や環境へのやさしさを考えると石けんはとてもオススメですが、先述の通り、今のご家庭で洗濯機に温水が身近に使える所がどれくらいあるか・・・
ということを考えると、ご家庭の環境によっては、正直石けんだけがいいとは言えないなと思います。
例えばサラヤさんのヤシノミ洗剤は、石けん成分+合成洗剤で作られています。
石けんによる洗い上がりの柔らかさと、合成洗剤の洗浄力、両方のメリットを合わせもった物で、石けんよりも気軽に扱えるのが特徴です。
温水洗いができないご家庭ではこういった物を使うのも1つの手だと思います。
ただし、洗浄成分としては合成洗剤と同じ物、刺激の強い物が使われているので、必ずすすぎは2回行ってください。
ちなみに、刺激ある洗浄成分を使わず、かつ冷水でも石けんカスになりにくい、衣類離れもよく残留がすくない、汚れ落ちもいいというプロのクリーニング師のこだわり要素を詰め込んだのがone moreの石けんになります。
少々値が張りますが、刺激ある成分が少ない物を使いたい!という方はぜひお試しくださいね。
いかがでしたでしょうか。
皆様のご家庭で、安心・安全なお洗濯が広がっていくこと。皆様の暮らしがよりよい物になっていくことを祈っています。
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