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クリーニング師が教える、お洗濯の本質②~汚れ落ちを決める4つの要素~

どんな洗剤にも、機械にも当てはまる”本質”をクリーニング屋さんがお伝えする、お洗濯の本質講座第2回目です。

お洗濯をしたのに、

・汚れ落ちが悪いなぁ。
・臭いが残ってるなぁ。

そんなときはどうしますか?

・洗剤の量を増やす?
・洗剤を部屋干し用に変える?

そんなことをする前に、まずは”水量”を増やしましょう!というお話を前回させて頂きました。

ですが、汚れ落ちをよくするには、もっと他にもできることがあります。

そもそも、汚れ落ちを決めるのってどんな条件かわかりますか?

今日はそんな、”汚れ落ちを決める4つの要素”についてお伝えします。

1.お洗濯は”出汁取り”とするとイメージしやすい。

よく、お洗濯講座なんかでは、お洗濯を出汁取りとイメージすると分かりやすいですよ。とお伝えしています。

・出汁は昆布などの素材の中のうまみを水に出してあげること。
・洗濯は、服の中の汚れを水に出してあげること。

なので、本質的に似ているのです。

お洗濯講座

①温度

常温のお水でも、一晩おくと出汁が出ますが、もし早く出汁を取りたい!と思ったなら火にかけてあっためますよね?

これは、温度が高い方が昆布から出汁が出るのが早くなることを意味します。

水の性質的に、温度が高い方が他の物質を溶け込ませる力が強くなるのです。

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しかし、お洗濯はどうでしょう?多くの家庭ではお湯ではなく、水で洗っているのではないでしょうか。

水温が低いと、洗剤の働きも弱まります。汚れたな~とか、臭うな~という時は水温を高くしてみてください。

目安は色物30度~白物40度くらいが理想的です。

②時間

洗濯機に時短モードというのがありますが、あれを日常的に使うのはあまりおすすめできません。

なぜなら、時間が短い方が汚れ落ちが悪くなるからです。

これも出汁に例えると分かりやすいですが、沸騰したお湯だとしても、5分程度は出汁を取るのにかかりますよね。

もし、水温が30度くらいと高くて、デリケートな素材の服であれば、洗いの時間は3分程度がおすすめですが

白物や綿・ポリエステル等多くの服で使われている素材だと低温で洗うには5分は短すぎます。

洗濯で洗うにせよ、漬け込みで洗うにせよ、時間が長い程汚れ落ちはよくなり、短いほど汚れ落ちは悪くなるということを覚えておきましょう。

③物理力

3つ目は物理力です。「よく、ドラム式洗濯機は、汚れ落ちがいい!」という風にPRされていますが、それはドラム式洗濯機が”たたき洗い”を採用しているからです。

たたき洗いとは、洗濯物を持ち上げて、洗濯板にバン!と叩きつける洗い方です。昔、井戸とかではやられていたんでしょうか?(笑)

ドラム式洗濯機は、服が入る洗濯槽が山あり谷ありの形になっていて、山で洗濯物が持ち上げられて、谷部分で叩きつけられる構造になっています。

note 連続講座用 (2)

対して、縦型洗濯機は揉み洗い?で、洗濯機の中で渦を発生させて、その中を洗濯物が動くことで、水流と他の洗濯物によってもまれることで物理力を発生させています。

物理力が、たたき洗い>揉み洗いなので、ドラム式洗濯機の方が汚れ落ちがいい!というわけです。

※ただし、ドラム式洗濯機は前回の記事でも少し触れましたが、水量が少なすぎる傾向にあるので、一概に洗浄力がドラム式>縦型だとは思いません。

なので、服にかかる物理力が高い方が汚れ落ちはよくなりますが、家庭用で洗う程度であれば、縦型洗濯機で十分だと思います。

2.お洗濯ならではのもう1つの要素”アルカリ”

ここまで、温度・時間・物理それぞれの値が高ければ高い程洗浄力は高くなりますよ。というお話をしました。

最後の要素は”洗剤”です。
ただし、ここではどの洗剤がいいのですか!?ではなく、どの洗剤にも当てはまる要素としてお伝えします。

それは、”アルカリ”です。

アルカリとは、昔、理科の授業でリトマス紙を使い、これは酸性・これはアルカリ性と実験したりしませんでしたか?そのアルカリです。

note 連続講座用 (3)

地球上の法則として、ほとんどの物質は何もしないと酸化していきます。

リンゴを切ったまま放置していると、茶色くなりますよね?あれはリンゴの中のポリフェノールが空気中の酸素と結びついて酸化するからです。

身体も酸化しています。活性酸素対策をしましょう!というのは身体の細胞を酸化させずに若々しく保ちましょう!ということです。

ですので、皮脂・汗・醤油など汚れも時間と共に酸化しています。一度酸化した物は固定化されており、なかなか落ちません。
(一部アルカリ性の汚れもあります。そちらはクエン酸など、”酸”が有効になります)

そこで、アルカリ性にしてあげることで固定化しているのを緩ませ、汚れを落としやすくすることができます。

最近は、服へのダメージを防ぐために中性の洗濯洗剤も増えてきましたが、基本的に洗浄力は中性洗剤<アルカリ性洗剤です。

中性の場合でも、重曹を入れるなど、洗濯水をアルカリ性にしてあげることで洗浄力を上げることができます。

石けんは元々アルカリ性ですが、こちらも重曹等を少し(大匙2くらい)入れてあげることで石けんのサポートをしてくれて、石けんカス等が少なくなりますのでお試しあれ。

3.まとめ

本日のお話のポイントは、

①汚れ落ちを決める4つの要素とは、温度・時間・物理・アルカリである

②これらの値が高ければ高いほど洗浄力は高くなる

③理想の温度は、30度~40度(色物は30度が無難)

④時短モードは、なるべく使わない。

⑤物理力は、通常の洗濯機で問題ない。

⑥重曹を大匙2杯入れると洗濯水がアルカリになっていい感じ。

となっております。

今日、ここまでお読み頂いた方は、できそうな所から実践して頂けると、洗剤や機械を変えることなく、洗浄力がUPすると思います!


知りたくてもなかなか教えてもらえなかった「お洗濯のやり方」等

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note 連続講座用 (4)

それでは、今日はこの辺で、お読みいただきありがとうございました!


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