オーストラリアの森林火災に乗じた "disinformation campaign"(2020年1月の「英語ニュースを読む」講座)
月にいちど日曜日の午前中に、カフェでこじんまりと開催している「英語ニュースを読む」講座。
今月は、オーストラリアの森林火災に関する誤った情報がネットで広がっているというニュースを取り上げた。事実ではない情報が意図的に流され、大拡散しているケースもあるという。
ピックアップしたのは以下、ワシントンポストとガーディアンの記事。
"Hoaxers are using the Australia wildfires to spread misinformation — sometimes for profit" (Washington Post)
https://www.washingtonpost.com/technology/2020/01/09/hoaxers-are-using-australia-wildfires-spread-misinformation-sometimes-profit/
この大災害に乗じて、今回の火災とは関係がなかったり誤解を招くような写真や動画など、誤った情報(misinformation)が時には利益を狙って拡散されている、と伝えるワシントンポストの記事。
こちらはさらに深刻だ。森林火災の原因として放火(arson)をことさら強調する説が "arsonemergency" というハッシュタグとともに投稿され、急速に広まっているという。これは「森林火災と気候変動の関連性を弱めるために利用されている」と、ガーディアンは指摘している。
こちらは日本語の記事。
(上記の記事より)
専門家らによると、森林火災を受け、インターネット上では偽情報の拡散が同国史上「前代未聞」の規模で活発化している。特に「#arsonemergency(放火緊急事態)」というハッシュタグが急速に拡散し、世界各国の保守寄りの新聞やウェブサイト、政治家らは火災の原因が気候変動や干ばつ、記録的な高温ではなく放火にあるとの説を唱えている。
デジタルメディアに詳しいクイーンズランド工科大学(Queensland University of Technology)のティモシー・グラム(Timothy Graham)氏はAFPに対し、自身の調査では#arsonemergencyのハッシュタグを付けているツイッター(Twitter)ユーザーの約半数がボット(プログラムによる自動投稿)やトロール(荒らし)に似た行動を見せていたという結果が出たと述べた。
大事件が起きると誤報が広まってしまうのは今に始まったことではないが、これまでとは比べものにならない速度と規模で大拡散されるのが、ネット社会の恐ろしさなのだろう。
"Welcome to disasters in the digital age." (Washington Post)
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