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社会変革、環境への取り組みにおける「 行動の4つのレベル」

Four Levels of Action by Will Grant

多くの社会変革、特に環境問題に関しては、
「行動に4つのレベル」が存在すると
教育者で環境活動家のウィル・グラントが紹介しています。

今回はこの「行動の4つのレベル」について見て行きましょう。

1つめは、 個人の行動
2つめは、 家族や友人など直接的なつながりのある人達と行うもの
3つめは、 コミュニティや地域行政など
そして4つめは、経済や政策の変革、法律の改正など
です。

ドローダウンの活動に当てはめてみると、

レベル1 リサイクルや、使用を控えたり、
     運転を控えるといった行動
     LEDランプに取り換える
     食事に植物性の食べ物を増やす
     節水ができる洗剤に切り替える
     ゴミを出さない買い物をする
     
レベル2 レベル1を家族や友人に広げること
     他にも、
    家庭の電気を再エネにしたり、
    家族でコンポストで堆肥をつくって家庭菜園を行う
といったものなどです。

レベル3では
・自分とつながりのある地域の学校に変化を起こす
・職場の変化に取り組む
・自分の住んでいる市や地域でを募って解決策に取り組む
・自分が従事している産業に変化を起こす
・マンションで使う電力を再生可能エネルギーに切り替える

など、レベル3の場合の対象は組織や団体などであっても、
自分の存在が認知されている場で行動することをいいます。

また、
・何らかの権限を有する人に1週間以内にアポを取って会える、
といったスケール感がレベル3で
活動を進める上で 市長と短いミーティングを持てるといった場合
が該当します。

レベル4では、
・政策レベルや法改正で 議員に手紙を書く
・特定の製品の不買運動をする
・嘆願書にサインをする
・ロビー活動をする

ウィルによると、環境活動のほとんどは
「レベル1とレベル4に集中」しています。

つまり、「個人の行動を変える」
または、「国や政策レベルに向けた取組み」
に集中しているのです。

行動の4つのレベル-1


最も影響力が大きいのはレベル3の活動

私たちが環境活動をとして行っているのは、
個人としての行動(レベル1)と国レベルの変化を働き
かける行動(レベル4)に集中しているとのことですが、

影響が大きいのはレベル2とレベル3で、
特にコミュニティや職場、学校、地域活動といった
レベル3の活動が最も影響が大きいといいます。

なぜなら、
もし自分が関わっている組織や団体を変えたとしたら、
自分の生活だけでなく、数百、数千人もの人たちに
影響を及ぼすから
です。

そして、他の組織やコミュニティの変化の手本にもなります。


徳島県の上勝町は、2003年にゼロ・ウェイスト宣言を行い
町民一人ひとりがゴミ削減に努めてリサイクル率80%を達成しました。
https://zwtk.jp/

人口1,500人の街に、多くの人たちが見学に訪れているといいます。


あるいは、地元の荒廃した森の再生を行うとしましょう。

同じように興味を持つ人に声をかけ合い、グループをつくり、
市の関係者に協力を要請して、必要な予算を確保し
専門家に依頼し、それを実現する人を集めて
コミュニティ活動にすることができます。

森の再生に関心がある他の地域の人も
森の手入れに参加してくれる場合もあるでしょう。

再生による変化が少しずつ目に見えてくると
こんなことができるんだと、やりがいに繋がります。

それは、仕事を辞めてまで行う必要もなく
空いた時間をやりくりすればできてしまうかもしれません。

そして、この活動に立ち上がった人たちから発せられる
話は、大きな変化をもたらしていきます。

どのように取り組んだのかを語ることによって
それを聞いた人たちの心に大きな変化をもたらします。

「私たちにも何かできるんじゃないか」
そう皆が考えるようになるからです。

その森の変化を見た人たちは
「ここでできたなら、自分たちにもできるんじゃないか?」

と、横展開が起きていくのです。

ですので、このようなレベル3の変化に
フォーカスするのが大切
です。

行動の4つのレベル-2

草の根活動だけでもなく、
トップダウンだけでもなく
中間から広げる(ミドルアウト)から広げていくのが
ポイント
になってきます。

一人ひとりの個人の活動が家族や友人との活動になり、
面になってレベル3の活動になっていくこともあるでしょう。

ドローダウンでは、100の解決策が紹介されています。
それぞれの解決策にそのチャンスが潜んでいます。

ドローダウン・ジャパン・コンソーシアムでは、このレベル3の
活動が広がっていくことを活動の願いとして持っています。

このため、温暖化に対して一人ひとりが自分ごとになっていくワークショップの他に、ドローダウンの解決策を地域や職場でレベル3の取り組みを行う支援もさせていただいています。

また、実際にレベル3でどんな事例があるのか、地域やコミュニティ、
企業や自治体の皆さんのご活動もご紹介していけたらと考えています。

もちろん、どのレベルの行動もも大事ですので、
どんなことを行っているのか、どんなことが可能なのか
皆さんに教えていただき、お互いの参考や刺激にしていけたらと
考えています。

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