おいしいアンソロジー おやつ 甘いもので、ひとやすみ
阿川佐和子 他 2022年
・概要
どうしても止められない、ちょっと値の張るチョコレートの衝動、遠出してでも買いたいようかん、徴兵中の兄が夢中で食べたおはぎ、鍋に浮かぶつるりとした白玉、照れつつお店で頬張るクリームドーナツ…。読んでいて思わず顔がほころぶ、そして無性に食べたくなる、おやつについての43編のアンソロジー。古今東西の作家たちが、それぞれの偏愛をつづりました。(本書後ろより引用)
・感想
皆さん。おやつは好きですか?私は大好きです。最近は「パイの実」をよく食べています。
今回は、古今東西の作家たちが「自分が愛するおやつ」をテーマに書いたエッセイを読んでみました。おやつといっても書いている人の数だけお菓子もたくさんあって、一括りにできないということが分かります。まさに、人の好みは十人十色だということを感じました。
「かっぱえびせん」の話で、「やめられない止まらないかっぱえびせん」というフレーズが書かれていたのを見て、そういえば昔、「CMでやってたなぁ、でも最近見ないなぁ」と思ったりしました。そして、この本には戦前や戦後すぐの頃の話もあったので、現代の感覚からだと信じられないと思う部分もありました。例えば、戦後すぐの頃は、遠足で持っていくお菓子は、今ほどバリエーション豊かではないので、グリコやスガキヤなどの特定の物を持参することが、殆どだったそうです。
結構、子どもの頃を思い出して、懐かしむようにそのお菓子との思い出を綴る作家さんが多かったです。お菓子も何十年の間に、形を変えたり廃盤になったりするので、昔の味を思い出して懐かしいと思うこともあるのだなぁと思いました。私も、明治の「カール」が関東から撤退して、もっと食べておけばよかったと、最近、ちょっと後悔しました。関西に行けば、まだ売っているらしいですが、なかなか気軽に行けるものではないので、今度行ったときに、探してみたいと思っています。
・書籍情報
初版刊行日:2022年8月15日
発行元:大和書房
定価:本体800円+税