校閲ガール
宮木あや子 2013年
・あらすじ
・感想
前々からSNSで紹介されている方が多く、気になっていた作品の一つです。またいつものように、図書館を巡っていたらたまたまこの本を見つけましたので、この機会に借りて読んでみようということになりました。
この作品はファッション誌の編集者を志して、出版社に入社した若手社員がなぜか校閲班に配属され、そこで様々な物語が繰り広げられるというものです。2016年には文庫本化され、同年10月には石原さとみさん主演で日本テレビによりドラマ化されました。
まだ一度もここでは話したことがなかったのですが、私の将来なりたい職業の一つに編集者があります。本を円滑に出版のための企画や編集、作家さん方のサポートを行っているということで、とても魅力的な仕事だと感じております。その中で校閲という部署が必ずどこの出版社にもあると思われます。誤字脱字の訂正や、不適切だと思われる文章の言い回しの修正などを行うものだと聞いております。一見すると「楽しそうだなあ」と最初は感じましたが、業界人の目線で考えた時には地味な部署なのかなと思ったりしました。大変失礼なことではあり、申し訳ないことですが…。
校閲と聞くと私のような素人からすると何を言っているのか分からないところもあるのではないかと感じましたが、その都度、辞書の引用を交えながらしっかりと説明されており、十分に楽しむことができます。
「感情移入しないで」というところは、私も少しだけ大学のサークルで校閲をかじったので、やっぱりそうなんだと思い、面白かったです。私も「校閲において、文字は読むものではなく追うものだ」と言われ、少し親近感がわきました。
編集者を題材にした作品ということで、実際はどうなのかは分かりませんが、少し内部をみれたように感じました。興味のある仕事なのでとても面白い読後感でした。