ライ麦畑でつかまえて
J.D.サリンジャー・著 1951年
野崎 孝・訳 1984年
・あらすじ
・感想
風邪をひいてしまって、その間図書館や本屋に行くことが出来ませんでした。家族に「何か本ない?」と聞いてみたところ、この作品を紹介してくれました。体調悪かったので、休んでもよかった気がしたんですが、それだと今度は暇で暇で仕方ない気がしたので…。
1951年に発表された『ライ麦畑でつかまえて』という小説。私の両親が学生時代に発売された本のようで、これまでによく読み返してきたといいます。私は今回まで作者も題名もまったく聞いたことがなかったので、面白そうと興味をもちました。
アメリカの高校生の話です。主人公は「ホールデン」といい、出来の悪い子で、高校を退学になってしまうほどでした。友達から作文の宿題を頼まれ、やったものの、文句を付けられて喧嘩したり、同級生の母に脳にがんができていると嘘をついたり…。なかなかに過激な内容でした。
私も含めてですが10代って背伸びしたがる年齢なのだなと考え直しました。ちょっとしたことで喧嘩したり、怒ったりしている姿。この作品の場合は少し極端な部分もありそうですが、ここまではいかなくとも、今の時代も大して変わってないのかなと感じました。
しかし、社会や周りの大人たちに不満に思ってただ反発するだけでは、何も改善されないということも最近よく感じるようになりました。ただ意味のない行動をするだけではなく、自分にも他者にもプラスになる行動が、私を含めて求められているのではないかと感じます。
アメリカではこの作品は暴力や性行為の場面が綴られていることが問題視されており、学校の図書室から省かれているようです。禁断の領域といった感じなのでしょうね。まあ、結構過激なところもありますからね。
たまには海外文学を読むことも良いと感じました。齋藤孝さんの著書にも、「最近の人は海外文学を読まない!」とお話しされていましたし。もう少し、日本の現代小説やエッセイばかりではなく、もっと幅広いジャンルの本を読んでいきたいと考えております。