廃業するトリミングサロンについての考察
先日、トリミングサロンのオーナーさんとお話する機会があったのですが、そこで気になる情報を耳にしました。
僕は予てからこのペット業界において、トリミングサロンこそが”鉄板”の業態だと自負してきました。
スタートダッシュこそ華やかではないものの、コンスタントに利用いただけるリピーティングビジネスにおいてはダントツだと思っているからです。
絶えず子犬を売り続けていかなければならないペットショップ
問題行動を解決すればサービスが終了し、解決できなくても客離れになるしつけ教室
病気にならなければ接点が生まれない動物病院
あ、論破される前に予防線を張りますが、ちなみにこれって僕の感想です。
これらの業態に対して、有無を言わさず月に1度は利用するトリミングサロンでは、美容院以上の来店頻度があると言えます。
もちろん顧客が定着するまでは苦労するやもしれませんが、ただでさえ予約が困難なトリミング業界。
1年に迎える子犬の数を踏まえても、5年も経てばアッパー(ご新規さまお断り)となるに違いありません。
多店舗展開といった欲さえ出さなければ、健康面に気を遣うだけでビジネスが回ると考えてきました。
ところがどっこい。
蓋を開けてみれば、苦戦しているお店があるだなんて驚きです。
#お教室に軸足を置いたどこかのお店も忘れるな
#まあまあまあ
ペット業界の100年後を見据えている僕にとって、この事実を見て見ぬふりはできないわけで、その理由について相棒のchat GPTくんに相談しました。
#友達いないのか!
思い起こせば講師時代、スタッフの新人教育やマネジメントをしていると、必ずといっていいほどブチ当たる問題がありました。
それが、あまりにもトリミングだけしていたいトリマーが多すぎること。
要するに、トリミング以外の業務を嫌がるスタッフが多すぎるんです。
接客
営業
事務
WEB周り
犬が好きだからこそ選んだ道なのだからと、あえて避けてきた分野を今さらやりたくないというのが彼ら彼女らの本音。
多少駄々をこねても、先輩や上司の傘に隠れながらお給料はもらえたため、それが社会経験と勘違いしたばかりに、経営側にたった途端ボロが出ます。
トリミングサロンのオーナーとなれば、トリミングだけやればいいのではなく、それこそトリミング以外の仕事の方が大事になってきますもの。
修行時代をトリミングスキルの向上ばかりに費やしてきた見返りとも言えます。
#それってあなたの…
#感想ですってば!
中には"トリミングスクール講師"という経験と肩書を持ってしても、ビジネスを回すことができず廃業した後輩もいたようです。
#だからあれほど言うたのに!
\好きを仕事に!/
これは、以前リクルートが掲げた情報誌のキャッチコピー。
一見するとリア充極まりありませんが、だからこそ自分の仕事に妥協ができないケースが多いと思います。
信念は大切ですが、それと好きなことだけやるのは違いますからね。
好きなことを追い求めたあまり、仕事においての主語が”お客様”ではなく”自分自身”になった結果、お店のブランディングに失敗したのではないかと感じています。
自己満足ではなく、顧客満足を追求するための視点を持つことが重要…
と、果たして僕が言っていいのですか?
#知るか!
#どの口が言ってるんだ!!
ただ一つ。
トリミングセンスの欠片もなく、手先も不器用な落ちこぼれでも、有森裕子さんと肩を並べるくらいに自分で自分をほめたいことがあるんです。
20代、30代と、与えられた仕事の内容に分け隔てなく、自分から乗っかっていったことがまさにそれ。
もちろんトリマーとは一切関係のないことでもです。
20代:生体販売、講師、ドッグトレーニング
30代:マネジメント、営業、接待、IT、広告、イベント
などなど…同期のほとんどが嫌がる仕事を面白がってやったこと。
その結果、ドッグサロンという業態に新しい提案ができているのだと思います。
長期的な視点に立ち、トリマーという職業を持続可能にするためのビジネスモデルがこちらです。
そして、このビジネスモデルを解説したnoteを引っ提げ応募した「note創作大賞2024」の応援期間が先日終了しました。
光栄にも数名の編集者さんが記事を読んでくれたみたい。
トリマーとしての王道を横目に、獣道をかき分け寄り道してきたこの僕が、いろんな葉っぱや小虫をくっつけ辿り着いた”飼い主さんのためのお教室”という場所。
せっかくならばと七転八倒をこうしてnoteに晒しています。
トリマーという仕事に疑問を抱く人たちの目に止まり、僕なんかよりも器用な人の目に止まり、その人たちなりのお教室文化を作ってもらえたら嬉しいです。
これを持って、齋藤初の勘違いビジネス書「100年トリマー」の挑戦を終わります。
この1ヶ月、応援してくれた皆さまに改めて感謝いたします。
たくさんのスキ(高評価)をありがとうございましたっ!
note創作大賞のビジネス部門に応募しました
この度、日本最大級の創作コンテストに”まだ何者でもない齋藤が”自身初となるビジネス書を投稿しました。箸にも棒にも尻尾にさえもかからないかもしれませんが、一人でも多くの方に活動を知ってもらえたらと思っています。日本の愛犬文化を育むために鼻息荒く書き上げましたので、良かったら一度覗いてみてください。
\応募作品の無料購読はこちらから/
ペットショップへ行く前に、家族会議をしませんか?
先輩飼い主さんが抱えている悩みのほとんどが仔犬を迎え入れる前に解決できたことを知っていますか? ペットショップへ仔犬を見に行くその前に新しい家族のことをきちんと話しておきましょう。
One for Dogが運営する愛犬家たちのコミュニティ
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愛犬文化村では、One for Dogの活動報告に加え、しつけやお手入れなどに関する記事を毎日書いていて、飼い主さんたちのリテラシー向上をお手伝いしています。
無料&ニックネームでご参加いただけますので、ご興味のある方は是非一度覗いてみてください。
日本の愛犬家に、正しい知識と必要な技術を
One for Dogでは『これから犬を飼う人の相談会をはじめ』、子犬のサロンデビューを応援する『はじめてトリミング』、飼い主さんと一緒に学べる『しつけ教室』や、飼い主さんのための『お手入れ教室』など、愛犬の成長に寄り添ったサービスを提供しています。他にも、教育機関や公共施設での講演会やドッグイベントなど、より良い愛犬文化の創出に取り組んでいます。
それでは皆さま素敵なドッグライフをお過ごしください。
One for Dog 齋藤でした!
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