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それは出会いか品定めか
このnoteではOne for Dogのオンラインサロン「愛犬文化村」に毎日投稿している記事の中から比較的刺激が弱いと思われるトピックを選び辛味成分を調整した上でご紹介しています。サロンメンバーさんにおかれましてはマンゴラッシー感覚でお楽しみください。
早速ですが本題です。
今週末は東日本を中心に真夏日の予報。
おかげで今日の齋藤は脳内温度が高く、皮肉たっぷりの記事を書いているようです。
冷たいものでも口にしながらお読みくださいね。
(心に余裕のある方だけが通れる予防線を貼りました↓)
先日あったお客様との会話。
「とあるペットショップに行ったんですけど、売れ残ってしまってる子もたくさんいて、足先なんかオシッコ焼けで可愛そうでした…」
特定のペットショップを引き合いに出した会話であるものの、珍しくない光景でもあります。
そもそも、”売れ残る”とは何なのか。
今日はこの辺の話をしたいと思います。
大切な家族を探すわけなので、できるだけたくさんの中からフィーリングの合う子を見つけたいのは親心。
だからこそ、子犬を探す時には色々なペットショップやブリーダーさんを訪ね歩くわけです。
つまり、これから犬を迎え入れる人たちが求めているのは、犬たちの”今の姿”だったりします。
#それってあなたの感想ですよね
一方でペットショップも”幼さ”を売りにした子犬をできるだけ多く展示し、そこから選んでもらおうとします。
チェーン店ともなれば売れ残りを回避するため、命であろうとベルトコンベア式に他店を渡り歩きながら、出会いという名の”情”が湧くのを待ち続けるわけです。
「大きくなっちゃって可哀想に…」
という販売手法です。
#それってあなたの感…
#うるさい
とはいえ、すべての子犬に皆よいご縁があるとも限らないため、先のような”売れ残り”は必ず生じてしまいます。
カッサカサの寿司ネタがレーンを回り続けるように、生体販売の売上を出すため期限切れになった命はそのままに、新たな子犬を仕入れるわけです。
#皮肉の量が多すぎます
#乳製品で薄めてください
経理上”在庫”となった子犬たち。
ただの不良在庫ではなく、養育費までかかる在庫です。
管理コストの面からも、どうにかして引き取ってもらわなければいけないわけで、このあたりがペット業界の闇へと繋がります。
僕はこの両者ともに求め合っている”見た目重視”の傾向こそが、様々な問題を生じさせている要因と思っています。
例えば、遺伝的な疾患を持つ愛犬がいるとします。
飼い主さんのほとんどは、我が子の治療に献身的です。
家族としては、この”たまたま発症してしまった”愛犬を救うことは当然だからです。
しかし、よくよく考えてみれば、その全てがいわゆる”ガチャ”であるはずがないのです。
「運悪く、うちの子は疾患を持っている」
これは間違いです。
なぜなら、その確率は下げることができるからです。
すなわち、それこそが「ブリーディングの根幹」なのです。
目の前の子犬を見ても、その子の将来までは見通せないと思ってませんか?
いえいえ、ちゃんと分かるんです。
ヒントは、「親犬」であり「ブリーダー」。
血統をしっかり固定しているブリーダーであるならば、その子の親(血統)をみれば”将来の傾向”は容易に想像できたりします。
サイズや色素、顔つきや被毛など。
ましてや遺伝的な疾患さえも、乱交配を繰り返さずに原因となる血統を淘汰していけば、病気がちな個体すら少なくなります。
#この場合の淘汰とは繁殖に使わないという意味です
しかし、市場(イチバ)へと卸され、見ず知らずの飼い主に引き取られた先で患った情報は、ブリーダーの元へはフィードバックされません。
となれば、ただ闇雲に製造するだけの工場へと成り下がってしまいます。
ここの歯車をきちんと設計すれば、”命の売れ残り”なんていう異常な事態は防げると思っています。
「今度生まれる子犬の両親はこの子たちです。その祖父母はこの子たち。なのでこのくらいのサイズで似たような外貌の子が生まれる予定です。あとは性別だけ決めてくださいね。」
「では、男の子が生まれたら連絡ください。」
「分かりました。この両親は過去に男の子を生んでいる確率が高いので楽しみにしていてください。出産予定は○○頃なので、それまで住環境の準備と飼い方をしっかり学んでおいてくださいね。」
「分かりました。その後も両親に会いに来たいと思いますので、末永いお付き合い宜しくおねがいします。」
「こちらこそ、子犬の成長を見届けたいので、いつでも遊びに来てください。」
かけがえのない命と比べるわけではないのですが、SDGsが叫ばれている昨今、大量生産大量消費が諸悪の根源であることくらい誰もが知っています。
#ガチャがまかり通っていいわけがない
“必要な人に、必要な分だけの命を。”
これを成し遂げるには、それぞれの立場の人間が何を見ているかが大事です。
子犬の見た目はすぐに変わります。
だからこそ過去と未来に目を向けさせて、本質的な価値観や基準を指し示していくことこそがペットショップの責務です。
玄人であるブリーダーと素人である飼い主さんを、目利きと教育を持ってマッチングする。
それが、ペットビジネスの矢面に立つペットショップに残された唯一の生存戦略だと思います。
仔犬を迎えるその前に、家族会議をしませんか?
先輩飼い主さんが抱えている悩みのほとんどが仔犬を迎え入れる前に解決できたことを知っていますか? ペットショップへ仔犬を見に行くその前に新しい家族のことをきちんと話しておきましょう。
第2回 これから犬を飼う人の相談会 @無印良品
■場所 無印良品 東武動物公園駅前店「Open MUJI 学び舎」
■日時 次回 2023年7月15日(土)13:00-15:00
■費用 無料(予約不要)
■内容 セミナー形式/個別相談による相談会(愛犬同伴不可)
日本の愛犬家に、正しい知識と必要な技術を
One for Dogではこれから犬を飼う人の相談会をはじめ、子犬のサロンデビューを応援するはじめてトリミング、飼い主さんと一緒に学べるしつけ教室やお手入れ教室など愛犬の成長に寄り添ったドッグライフプランを提供しています。他にも教育機関や公共施設での講演会やドッグイベントなど、より良い愛犬文化の創出に取り組んでいます。
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無料オンラインサロン「愛犬文化村」
愛犬文化村では無理なメンバー間の交流などは必要とせず、基本的に毎日齋藤が更新する記事を読めるというありがた迷惑なサロンです。あくまで One for Dog に何らかのご縁がある方が対象なので、告知をしておいて誰でもご参加いただけないというツンデレサロンですが、One for Dog の活動を応援していただけるという方は是非一度覗いてみてください!
【今週のサロン記事】
・2023年6月11日(日)note更新のお知らせ
・2023年6月12日(月)今週末はOne for Dogでバーベキュー!
・2023年6月13日(火)イベントチラシ第3弾が完成しました!
・2023年6月14日(水)NOW ON AIR ! を忘れてました
・2023年6月15日(木)模写下手
・2023年6月16日(金)犬種区分:ラージ・ミュンスターレンダー
・2023年6月17日(土)スナック愛犬文化村
電子書籍でドッグサロン経営に関するビジネス書を発売しました
One for Dogのサービス設計、コミュニティ運営やブランディングなど、従来のドッグサロンとは異なるビジネスモデルの裏側を包み隠さずお話しています。購入特典として業界関係者だけのオンラインコミュニティ「愛犬文化Labo」への招待リンク付きです。
ワクチン未接種の子犬だけを対象としたサロンデビュー参観を行っています
実際にトリマーが行なうグルーミングを間近で見学しながら、お手入れのことやサロンの選び方などトリミングに関する基礎知識を学ぶことができます。毎回一組限定の完全貸切制なので、はじめて愛犬を迎え入れるという新米飼い主さんにオススメです。トリミングサロンがはじめてという愛犬をご家族みんなで知識を得ながら見守ってあげませんか?
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ということで、今回はこの辺で。
それでは皆さま素敵なドッグライフをお過ごしください。
One for Dog 齋藤でした!