トリミングサロン✗eluの可能性
このnoteではOne for Dogのオンラインサロン「愛犬文化村」に毎日投稿している記事の中から、比較的刺激が弱いと思われるトピックを選び、辛味成分を調整した上でご紹介しています。サロンメンバーさんにおかれましてはマンゴラッシー感覚でお楽しみください。
いつもご利用ありがとうございます。
One for Dog の齋藤です。
この内容はラジオ放送「One for Dog Radio」で音声コンテンツとしても配信しています。"音声派"の方はそちらからもお楽しみいただけます。
早速本題なのですが、今回はちょっと長くなりそうなのでいくつかのチャプターに分けたいと思います。
「トリミングサロン✗elu」を探ってみた
前回のラジオ放送「One for Dog Radio」でも触れたのですが、先週のOne for Dogならびに愛犬文化村は「elu」一色でした。
「elu(エル)」とは、
たった2分でデジタルデータを販売できるデジタルデータをどこよりも簡単に販売ができるサービス。
だそうです。
かく言う僕は話題になっているサービスを一回はトライしてみよう!という"思い立ったが吉日男"なので、今回のeluにも興味津々でございました。
Twitterを中心にかなりの盛り上がりを見せているサービスなだけに、One for DogのSNSを見た業界関係者からは「実際どうですか?」の問い合わせが来るほど。
そこで今回、いくつかの企画を試してみた感想と僕なりに考えたトリミングサロンにおける打ち手を共有したいと思います。
完全に同業者さん向けの記事になりますが、良かったらお付き合いください。
「elu✗思い出」
かれこれ10年以上も前になりますが、トリミングスクールの講師をしていた頃、教え子たちに言っていた言葉があります。
「これからは技術だけじゃなくパフォーマンスも大事だよ」
「見せるトリマーになろう」
「恥ずかしいとか言ってる場合じゃないよ」
改めて見るとウザさ百倍ですが、トリミングに求めるものがクオリティから透明性に変わるはずだからと繰り返し話してきました。
今では当たり前の"作業丸見えガラス張りトリミングルーム"がそれです。
「ウチの子は一体どのようにトリミングされているのかしら」
「ウチの子は手荒に扱われていないかしら」
トリミングというものがどういったものなのかが分かり、ある程度の技術であれば一通り提供されてきた飼い主さんたちは、結果だけでなく経過にも価値を求めるようになりました。
とりあえず完成品だけ評価してもらえれば良いという時代の終焉です。
が、こうなると技術者は大変です。
ただでさえ作業をしなくてはいけないのに、世間の目まで意識しなければいけないのですから。
なぜなら、以前のトリミングは”隠れて”やるものだったからです。
保定やアームは飼い主さんにとって誤解を招く恐れがあるし、愛犬も飼い主さんの存在を意識すると落ち着いてくれないので。
ただ、だからといって鶴の恩返しさながらにトリマーと奥へ消えていく愛犬を見るのも心配です。
「決して覗いてはいけませんよ…」
(いやぁぁぁぁぁぁぁ)
とまあ、そんな時代は終わりました。
これからは、
「さ、さ、どうぞ!隅から隅まで見てくだされ〜」
という時代です。
トリマーからパフォーマーになる時代が必ずやってくる。
そして、それがリスクではなくマネタイズにもなるはずだと信じてきました。
そして今、ひとつの可能性を見つけました。
それが「elu」です。
このelu、もともとはイラストレーターさんとか漫画家さんとかが、チャチャっと作画した画像をシュッとアップロードしてサクッと販売できるのでモヤッとすることなくイエイイエイ!って感じになるサービスです。
#擬音まつり
「どっこいトリマーだってクリエイターでぇぃ!」
ということで、再三クリエイターらしからぬことを言ってきた僕が、今回トリマーとして頑張ってみることにしました。
トリミングに完成品としてだけでなくプロセスでも価値を付けるという実験です。
愛犬の今日は今日しかないから、今日のトリミングも思い出に。
をコンセプトにしたトリミング動画を販売してみたんです。
実は以前この手の仕掛けは考えたことがありまして。
これが意外と評判で「宝物にします!」なんて感謝されるほど。
こんなところに意外な需要もあるもんだなぁと感心していたので、とりあえず今回、愛犬が頑張る様子を思い出にするという主旨の動画で数本販売してみました。
「elu✗思い出」の感想
出品後すぐにご購入いただけたりと嬉しい反応はあったのですが、実験らしく色々と課題も見えてきました。
一番のボトルネックはアップロードの上限が100Mというところでした。
書き出しが1080pxだと1分半くらいが限界で、サイズを落とすと荒くなるため”思い出”としてはチープになってしまう。
現在BASEで販売している「お手本動画」との差別化も課題になったので結論、eluは”エンタメ”として割り切ることにしました。
「elu✗エンタメ」
実はよくお手入れ教室の生徒さんから言われる言葉があるんです。
「先生のその手、欲しいわ〜」
いえ、サイコパスな話ではなくちゃんとしたレッスンの話です。
というのも、お手入れ教室に通われている方に共通するお悩みというのが、
「お教室だとおりこうさんなのに、家だとこうはいかないのよね〜」
という声です。
そんなわけでレッスン中そっと愛犬に添えている僕の手が欲しいと言うんです(笑)
ちなみに僕の方はというと、なにか力を入れたり急所を持ったりしているわけでなく、ただ本当に”手”を添えているだけです。
だからといって、ご家族の”手”ではそうはいかないようなんです。
#ハンドパワーです
こうした声もあって少しでもお家の中にレッスンの環境を再現出来たらなぁと思い、実験的な商品をeluで販売してみました。
大変キモいでございますが本人はいたって本気(と書いてマジ)でございます。
トリミングテーブルに生徒ワンがいる状態を想定して、いつものレッスンの距離感でいつものトーンでいつも言っているようなことを約3分間声掛け続けるという謎の商品です。
「elu✗エンタメ」の感想
面白半分で購入いただいた奇特な方がいらっしゃいましたが、この打ち手はイマイチだったと思います。
#当たり前です
「elu✗トリマー」
オンラインサロンやお客様には早々にカミングアウトしているのですが、何を隠そう僕はトリミング業界の前線から身を引いたご隠居トリマーです。
最近ではトリミング後の仕上がりですらアップしなくなりました。
#ごめんなさい
ただ今回、eluをはじめてみて思ったことは、僕以外のトリマーさんの方が使いこなす可能性が存分にあるということでした。
例えば、新進気鋭のトリマーさんがハイセンスな仕上がり画像をよくアップされてますが、そこに至るまでのプロセスはお客さまのみならずトリマーだって見たいはずです。
これまでもInstagramで”カット中の動画”をアップしているトリマーさんはいましたが、あれは歴とした知的財産だと思っています。
僕だったらInstagramでアウトプット(完成品)だけを出して、プロセス(製作過程を動画にしたもの)をeluで販売します。
そうすると、飼い主さんだけでなくトリマーの需要も生まれます。
特に練習生や新人さんなんかはセミナーに行かずともサクッと高い技術を盗めるわけなので重宝すると思うんです。
なによりトリマーの卵はいつまでも生まれ続けるわけなので需要が尽きることはない。
すなわち、過去におこなったトリミング作業が永続的に収益を生んでくれるという計算になるわけです。
#サスティナブルです
「elu✗トリマー」の感想
結論、この打ち手が一番相性が良いだろうなぁと思いました。
ただ僕にはもう前線で戦えるトリミングセンスがありませんので、どこかのカリスマトリマーさんがトライしてくれるのを楽しみに待つとします。
#この打ち手はあくまで高いクオリティがないと成立しないのでご注意を
ちなみに僕は飼い主さんの”学び”という分野で、「お手本動画」だったりを販売しています。
#こっちの方が性に合ってるんです
eluに関してはまだまだ色んなことが出来そうなので、面白い検証ができたら共有したいと思います。
それでは皆さま素敵なドッグライフをお過ごしください。
ネットショップ「One for Dog BASE店」
お手入れ教室に通いたいけど時間がないという方や、そもそも通える距離にないという飼い主さんに向けた「愛犬のお手入れをオンラインで学べる講習会」や、仔犬のうちからきちんと犬のことを理解してあげたいという飼い主さんに向けた「愛犬のしつけがオンラインで学べる講習会」といったアーカイブ動画を販売しています。加えて、愛犬のお手入れを本格的にはじめようという飼い主さんに必要な道具一式をプロが見繕い、使い方動画をセットにした「はじめてのお手入れパック」の販売もはじめました。最近では、プロトリマーが実際のモデル犬でお手入れのやり方を実演する「お手本動画」など多数商品を取り揃えています。ご興味のある方は一度覗いてみてください。
無料オンラインサロン「愛犬文化村」
愛犬文化村では無理なメンバー間の交流などは必要とせず、基本的に毎日齋藤が更新する記事を読めるというありがた迷惑なサロンです。あくまで One for Dog に何らかのご縁がある方が対象なので、告知をしておいて誰でもご参加いただけないというツンデレサロンですが、One for Dog の活動を応援していただけるという方は是非一度覗いてみてください!
【今週のサロン記事】
・2021年8月22日(日)note/stand.fm 更新
・2021年8月23日(月)見せたくないこと、見てみたいこと
・2021年8月24日(火)今日の犬学:角膜ジストロフィー(角膜変性症)
・2021年8月25日(水)映画から見える欧米の犬文化
・2021年8月26日(木)犬種区分:ミニチュアシュナウザー
・2021年8月27日(金)多頭飼育のしつけ方
・2021年8月28日(土)アフレコ
※サロン記事の内容をOne for Dog Radioでちょっとだけ触れています