2023.06.29 寂しさと向き合う
2023年6月29日にBiSHが解散した。
結成当時からの夢だった東京ドーム公演を行い、約8年の活動に幕を下ろした。
解散ライブは別れを意識したセットリストになるかと思いきや、彼女達らしく笑顔で楽しくさよならできる様なセットリストだった。
笑顔でお別れをしたいという彼女達の意志を強く感じられるライブだった。
ライブが終わった後は現実なのか夢なのか判別としない、フワフワとした気持ちだった。
解散が発表された当初は、人気絶頂時に解散できるのは格好いいと思っていたから解散には肯定的だったし、解散するのを辞めますなんていう事はして欲しくないとまで思っていた。
だけど、ライブが終わった直後に思ったのは解散して欲しくないという気持ちばかりだった。
そう思わせるほど、BiSHはまだまだ先を観続けていたいと思わせる、素晴らしいライブをやってくれた。
ライブから時間が経てば経つほど、寂しいという気持ちは大きくなっていった。
心にぽっかり穴が空くという表現があるが、それはまさしくこの様な状態のことを言うのだろう。
この寂しさについて考えていたときに、ふっと頭に過ったのは亡くなった伯母のことだった。
伯母はとても優しくて、僕を沢山可愛がってくれた。少し天然な所もお茶目で、僕は伯母が大好きだった。
そんな伯母は数年前にガンで亡くなってしまった。
まだ60歳程だった。
伯母の父母つまりは僕の祖父母よりも先に亡くなってしまった。
それまで親族が亡くなったことがなかったので葬儀の当日も正直あまり実感が湧かなかった。
それでも、今回のライブと同じく時間が経つとだんだんと実感が湧いてくる。
その時も寂しい気持ちでいっぱいになったけれど、時間が経つにつれ寂しさも少しずつなくなっていった。
だけど居ないという事実が浮き彫りになる度に寂しさはまた顔を出した。
いつもの集まりにいないこと。
結婚式に呼べないこと。
子供の姿を見せられないこと。
その度に、どんな言葉をかけてくれたのかな?などと想像する。気持ちが少し暖かくなる。
だけど、そういった特定の場面以外にもふと生きていた時の伯母を思い出す瞬間がある。
それは本当にふいにやってくる。
散歩しているときだったり、歯を磨いているときだったり。
その度になぜだか分からないけどとても優しい気持ちになる。
言われて嬉しかったことや、楽しかった思い出が甦る。
居なくなってしまっても、思い出すだけですぐ近くにいるような、そんな感じがする。
きっとBiSHとのお別れも同じ様に、ふとした瞬間に思い出して優しい気持ちになるのだろう。
初めてライブに行ったときの高揚感。
聴きたかった曲を聴けた感動。
遠征先で食べたもの。
ライブが始まる前のドキドキ。
それら全てを繰り返し思い出す。
ライブの時の嬉しそうなメンバーの笑顔、清掃員の笑顔、素晴らしい歌声と全身全霊のパフォーマンス。
どれもずっと覚えていたい景色になっている。
思い出す度にBiSHの6人を近くに感じることができる。
今感じている寂しい気持ちもいつかは和らぐと思うけど、この時に感じた寂しさは覚えていたい。
こんなに寂しい気持ちになるくらいに素晴らしい時間をBiSHは与えてくれたと思えるから。
最高の思い出としてBiSHを記憶できることを考えると、やはり辛いけれども最高の状態で解散できたんだなと改めて思った。
6人のBiSHは観られなくなってしまったけど、6人それぞれが自分の選んだ道を歩いていく。
今以上の活躍を望むというよりは、それぞれが幸せで自分らしくいて欲しいな思う。
BiSHありがとう。
ずっと大好きです。