BiSHを好きになった日
きっかけは奥さんだった。
コロナ禍真っ只中の2020年。
ある日を境に家に帰ると毎日「プロミスザスター」のMVを奥さんが流していた。
いい曲だなと思いつつもそこまで決定的にハマったわけではなかった。
けれども毎日毎日MVが流れていたので段々と気になってきた。調べてみるとお世話になったライブハウスへ売上を寄付するという名目で、ベスト盤『BiSH FOR LiVE -BiSH BEST-』が出ているというではないか。「楽器を持たないパンクバンド」よろしく、パンクやハードコアバンドの多くがやっている売上を寄付や義捐金にするという行為に好感が持てたので買ってみることにした。気にもなっていたし。
だけど正直なところ、この時点では大きくは期待してなかった。確かに「プロミスザスター」はいい曲だったけど、有名な曲だけよくて他の曲はそんなでもないことはよくあるし、今となっては恥ずかしい考えだが「しょせんアイドルだし」という考えもあった。
しかし、そんな僕の考えは1曲目を再生した瞬間に全て吹き飛んでいった。
始めに流れてきたのは「スパーク」。
聴いた瞬間の衝撃は今でも覚えている。なぜならeastern youthの「夜明けの歌」へのオマージュがあったから!
その時点で僕はもう大好きになっていた。何よりも参照元がeastern youthだなんて!こんな最高なことがあるだろうか。
1曲目の興奮醒めやらぬ中、続けて流れてきたのはキラーチューン「BiSH-星が瞬く夜に-」。
これもめちゃくちゃいい!まず歌メロが凄くいい!ELLEGARDENやアジカンの様な小気味よいパンクサウンドに心を奪われた。
そこからはもう再生する曲、再生する曲全てが名曲すぎてあっという間に2枚とも聴き終わってしまった。
全部聴き終わったあと、いい曲を聴いた満足感とともに、何でもっと早くから聴いておかなかったんだ…と激しく後悔した。
曲が余りにも良かったのでもっとBiSHのことを詳しく知りたくなり、BiSHが表紙の「音楽と人」を書店で買った。
メンバーのインタビューを読んで、「スパーク」を聴いたときに感じたことが間違いではないということが分かった。
BiSHが最初に出した〈スパーク〉って曲はeastern youthの〈夜明けの歌〉が原点になっているんですけど、
全員のインタビューを読み、みんなの音楽へ向かう真摯な態度、本当に音楽が好きでやっていることが分かってより一層好きになった。
あとで調べてみたらチッチの企画でGEZAN、eastern youth、リーガルリリーを呼んでいたこと、別の企画では全力少年を呼んでいたことが分かって好感度は限界突破しました。言いたいだけのvoid。
そこからはBiSH関連グッズの収集の日々が始まる。
BEST盤を聴いてから1週間後くらいにはLETTERSの初回限定盤を買い、THE NUDEのDVDを買った。THE NUDEを観て更に深い沼にハマり、過去作のCDやDVDを全て買い、中古で初回限定盤を買い集めたり、過去の雑誌を購入するまでになった。
お盆は毎年実家に帰省していたのだが、2020年はコロナがあって帰省できなかった。しかしBiSHのライブDVDを観ていたおかげで楽しいお盆休みを過ごせたことに今でも感謝している。
BiSHの魅力に取り憑かれてからは、通勤電車の中でOTOTOYの記事を最初から全て読んだり、ラジオでメンバーの声を聴くだけで顔がニヤけたりしていた。今思うと相当ヤバいやつだと思う。
推しが出来ると毎日楽しいというのはこういうことかと初めて思った。
メンバーは元気にしてるだろうかと考えるだけで幸せな気持ちになるのだ。
思えばアイドルにハマることは初めての経験だった。
小学生の時はモー娘が大ブームだったけどハマらなかったし、中学〜高校の時はそもそもアイドルブーム自体が下火だった。大学生になってからAKBが流行ったけど特に興味はなかった。
そもそもBiSHやBiS以外のアイドルはポップ路線かメタルに寄るかのどちらかだった。
個人的にはパンクやハードコア、ミッドウエストエモが好きだけどメタルがそんなに好きではなかったから、それまでのアイドルがそこまでヒットしなかったんだと思う。
そこにきてパンクやハードコアの要素を持っているBiSHの音楽がめちゃくちゃ心に刺さったのだった。
ただ、悔しいのはBiSHを知る以前から「Primal.」でBiSは知っていたということ。
YouTubeでたまたま聴いたときにこんなエモさのある曲を歌うアイドルがいるのかと衝撃を受けた。
今でもこの時からBiSを追っていればと後悔することが定期的にある。
だけど、ちゃんと活動中に知ることが出来たからそれだけでも恵まれていると思っている。
僕の人生No.1推しのモモコグミカンパニーさんはよく「見つけてくれてありがとう」と清掃員に言ってくれる。
僕は本当にこの言葉が大好きで、優しさに溢れた彼女らしい素敵な言葉だと思う。
こちらこそ「BiSHを続けてくれてありがとう!」と喉が裂けるくらい言いたい。
大好きなBiSHも6月29日で解散する。
解散はとても寂しいけど、最高の状態で迎える東京ドームでどんなライブを観せてくれるのか、今からとても楽しみだ。
最後の時まで全力で応援したい。