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ORIGAMIドリッパーの現場に潜入!KOYO〈光洋陶器〉工場見学
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名古屋市中心部から車で約1時間、岐阜県土岐市の丘陵地に本社工場を構える光洋陶器株式会社。土岐市を含む東濃地方は、陶磁器生産量で50%以上のシェアを誇る美濃焼の産地。光洋陶器は東京オリンピックの開催で好景気に沸く1964年に創業、テーブルウェアに注目が高まるなか海外輸出メーカーとして歩んできました。
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高度な製造技術と安定した生産体制、選ばれるデザイン性の高さで、半世紀以上に渡り食のプロフェッショナルに愛されてきた光洋陶器。そんな光洋陶器が手がけたのが世界中のバリスタやコーヒー愛好家から支持される「ORIGAMIドリッパー」。
リブそのものがドリッパーの形状になったこれまでにないデザインで、手に持った時の驚きの軽さと薄さにも関わらず、ハードな使用にも耐えうる強度。プロユースの陶磁器を作り続けてきた光洋陶器だからこそできた技術の粋が詰まっています。
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「ORIGAMIドリッパー」製造の裏側を探るべく工場に潜入!コーヒー好きなら目が輝き興奮が止まらないコーヒー器具づくりの現場を訪れました。
いよいよ工場見学スタート!
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工場に一歩足を踏み入れると鳴り響く機械音。ぐるりと見渡すと働く人々の姿が意外に少ない印象を持ちます。
光洋陶器では機械と手づくりのどちらか一方ではなく、両方の長所を組み合わせた製品作りを行ってきました。コーヒーカップを例に取ると、カップ部分は同じ形状を正確に作ることができる機械で。一方、持ち手部分は人の手でしか付けることができない作業なのです。
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最新鋭の機械による効率化と長年培われた人の手による技術の共存が、小ロット・多品種の製造を可能にした光洋陶器。現在12,000アイテム、1日に約1万個の生産能力を誇ります。
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繊細な技の結晶「ORIGAMIドリッパー」
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ORIGAMIドリッパーは圧力鋳込み成型という方法で作られています。圧力鋳込みとは、器の内側と外側の石膏型があり、ふたつの型を組み合わせた隙間の空洞に泥状の土を圧力をかけながら流し込み成形する技法。圧力をかけることで土に含まれる気泡が無くなり強度が高まります。
ORIGAMIドリッパーの美しい円錐形とヒダ(リブ)の細かさは、形を保ちながら極限まで薄く仕上げることができる高度な技術から生まれたもの。段ボールのような分厚い紙と薄い紙を折るのとでは、折り目の幅や細かさが違うようなものですね。
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すべての工程に責任を持つという姿勢
1万点を超えるアイテムの品質を保ち、急な注文にも応えられる機動力は、企画デザインから土練り・成形・焼成にいたるまですべてを自社で一貫生産しているからこそできること。
ほかにも依頼された注文に応じたオリジナル企画・デザインにも対応。陶磁器のすべてを知り尽くし手がけるメーカーだからこそ、プロダクトとして完成度の高いものづくりが実現できるのです。
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うつわに触れて使って選べる場所「KOYO BASE」
2023年1月に工場の一角にオープンした「KOYO BASE」。プロフェッショナル向けの陶磁器を製造してきた光洋陶器が、うつわとの新たな出会いを創造する場所としてスタートした複合体験施設。
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紙銅版の転写シートを貼ってオリジナルの器を作る体験をはじめ、カフェダイニングでは岐阜の地元食材を使った料理やこだわりのコーヒーを光洋陶器の器とともに楽しめます。(訪れた日はKOYO BASEの定休日だったのでランチ&コーヒーは次回のお楽しみに)
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産地では分業化され、製造できるバリエーションが限られていることがほとんどのなか、光洋陶器では皿やボウルはもちろん、工程の複雑なカップ&ソーサーまで食卓に並ぶすべて食器を自社製造できるのが最大の強み。
同じ素材と釉薬で作ることができるため、デザインと仕上がりが統一感のある豊かなバリエーションで表現できます。
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これまで珈琲博覧日ではその日に手にした一杯のコーヒーを楽しむだけではなく、コーヒー生産国のことやコーヒー栽培、コーヒーの抱える社会問題などさまざまな視点でコーヒーを見つめてきました。
あの「ORIGAMIドリッパー」が生まれた場所に立ち、製造現場をじっくりと見学できたことはとても貴重な機会となりました。ペーパードリップの発明から100年以上が経ちましたが、ドリッパーやドリップ技術は今なお日々進化し続けています。そんなコーヒー業界を支えてきたものづくりの一端に触れて感慨もひとしおでした。
光洋陶器株式会社の営業次長 松原さんと企画マーケティング部主任の正村さん、わかりやすく丁寧にご案内いただきありがとうございました。これからも珈琲博覧日ではコーヒーにまつわるさまざまな話題を取り上げていきます。
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